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読切作品はちゅまれー

【1000字ぴったり】ヒーローになる方法

作者: 石矢天

カクヨムの「KAC2022 ~カクヨム・アニバーサリー・チャンピオンシップ 2022~」のお題「私だけのヒーロー」で執筆しました。

子供向けの絵本をイメージして作ったショートショートです。

1000字ぴったりで仕上げました。


 ユウちゃんはヒーローになりたい。


 テレビにでてくるようなヒーローになりたい。


 ユウちゃんはママにきいた。


「どうやったらヒーローになれるの?」って。


 ママはいった。


「いいこにしていたらなれるんじゃないかしら」って。


 でもユウちゃんはちがうとおもった。

 だって、テレビにでてくるヒーローはつよくてかっこいいんだもの。


 ママはユウちゃんのことを、

 ヒーローになんかなれないとおもって、

 いいこにしていたら、なんていうんだ。


 ユウちゃんはかんがえた。


 テレビにでてくるヒーローみたいにつよくなろう。


 ユウちゃんはパパにきいた。


「どうやったらつよくなれるの?」って。


 パパはいった。


「おそとでいっぱいあそぶとつよくなれるんだよ」て。


 でもユウちゃんはちがうとおもった。

 だって、あそんでいたってテレビにでてくるカイジンにはかてないんだもの。


 パパはユウちゃんのことを、

 ヒーローになんかなれないとおもって、

 おそとでいっぱいあそぶと、なんていうんだ。


 ユウちゃんはかんがえた。


 ユウちゃんはかんがえた。


 ユウちゃんはかんがえた。


 ユウちゃんはかんがえた。


 でもわからなかったから、

 いいこにしてそとでいっぱいあそぶことにした。


 こうえんであそんでいたら、ないているおとこのこがいた。


 こんなとき、いいこは「どうしたの?」ってきくんだ。


「どうしたの?」


「ママがまいごになったの」


「ユウちゃんといっしょにさがそう」


 ユウちゃんはおとこのこのママをさがしてあげた。


 でも、みつからなかった。


 しかたないから、おとこのこのママがもどってくるまで、

 ヒーローごっこをしていっしょにあそんだ。


 いっぱい、いっぱいあそんだ。


 おとこのこのママがもどってきた。


 おとこのこのママから、

 あそんでくれてありがとうっていわれた。


 おんなのこなのに、

 ヒーローごっこにつきあってくれてありがとうっていわれた。


 おとなはいつもそうだ。


 ユウちゃんがおんなのこだからって、

 ヒーローになんかなれないとおもってる。


 おんなのこはおままごととか、

 おにんぎょうがすきなんだっておもってる。


 テレビではおんなのこのヒーローだって、

 かいじんといっしょうけんめいたたかっているのに。


 でも、さっきヒーローごっこをしていたら、

 おとこのこがいってくれたんだ。


「ユウちゃんはぼくのヒーローだよ」って。


「ユウちゃんがあそんでくれなかったら、ぼくはずっとないてた」って。


 ユウちゃんはパパとママはほんとうのことをいってたんだな、っておもった。


短編&完結作品ですので、★と一緒に忌憚のないご意見を頂けると嬉しいです。

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― 新着の感想 ―
[良い点] おもしろかったです。 他人のために一生懸命になれるのがヒーローですね。
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