9 発注と同僚2
部下に叱られたあと、ボスへの報告を済ませた僕が自室に向かっていると、
「ク~ルメ~ノス~♡」
後ろから呼び止められた。
「あなた、今日もお疲れ様♡」
「お疲れ様、リウィア。あなたって呼ぶのやめてね。夫婦でもないのに変だよ。」
「じゃあ夫婦になれば解決ね♡」
「ごめん、リウィア。また冒険者に中級者ダンジョンのボス部屋扉が壊されちゃったから手配してほしいんだけどいいかな?」
「え、また?まあ、そのくらい全然かまわないけど。いっそもうちょい強いやつに変えたら?てゆうかあれ壊すならもう中級者レベルじゃないんじゃない?あと、ごめんってどっちのごめん?結婚?扉?」
「悪いねリウィア。とりあえず前と同じやつでよろしく頼むよ。」
「悪いねってどっちの悪いね?」
「じゃあ、明日取りに行かせるから。おやすみ。」
「おやすみ、あなた♡」
いたずらっぽくウィンクをして彼女は闇に消えた。
まったく、どこまで本気なのやら。
自室に戻り、今日のことを思い返す。
本当に残念だったなあ。
なかなかお目にかかれるもんじゃないんだし戦ってみればいいのに。
だいたい彼らは…。
やめよう。
終わったことはしょうがないじゃないか。
今度は普通のグリフォンを捕まえよう。