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19 内見と発見



あらためて見てみると本当にいい感じの洞窟だ。



あまり人が来ない場所にあるし、内部の広さからか、もともと住んでいる魔物も強いものが多く、正直このままの状態でも、上級者ダンジョンに匹敵する難易度になると思う。



でもなんだろう?



微妙に違和感を覚える。



のびのび生活しているはずの魔物たちが殺気立っているように感じる。



人間が来たのか?



でも今は洞窟内から人間の気配はしない。

 


違和感の原因を探るために洞窟の最奥まで進んでみる。




洞窟の半分ほどまで進んでみたが人間が立ち入ったような痕跡、野営の跡や死体、使い捨てられたポーションやスクロールは見つからなかった。 



実力の高い人間なら痕跡を残さず立ち入ることもできるだろうが、痕跡を消す理由は思い当たらない。


前回僕がここに来たのは一昨日だ。


この洞窟に人間が来ていたとしても、1日でここよりも奥に

行ったとは考えづらい。



気のせいかな。




洞窟内で魔物同士の争いが起きることは時々あるので、彼らが殺気立っていてもそこまで不自然というわけではない。



気を取り直してダンジョン製作に戻ろう。




魔物の配置、謎解きのギミック、トラップの設置、やることはたくさんあるのだが、最初にしなくてはいけないのが各種探知器と映像音声転送装置の設置だ。




これらの道具は冒険者たちが落としていった装備をリウィアが解析し、改良したものだ。



仕組みとかはよく知らないけど非常に便利なものだ。



これらのおかげで離れた場所からもダンジョンの様子がわかるし、冒険者のダンジョンへの接近も事前に知ることが出来る。



魔力探知器は入口に1つ、動作探知器と重量探知器はダンジョン内部にいくつか設置した。



映像音声転送装置はダンジョン内に死角が出来ないように設置し、部屋を作ったら適宜増設する。



すべての装置に探知阻害魔法と防護魔法をかけ、冒険者に見つかったり、戦闘の巻き添えで壊れたりしないようにしている。



下準備の最後にこれらの装置を管理するためのダンジョン監視室を地中に作る。



この監視室が僕らの主な仕事場になる。



監視室の位置も記録しいつでもここに飛べるようにしたところでダンジョンづくりの下準備はおしまい。



次に配置する魔物を考えるのだが、ここはレクラスと一緒にやりたいので今日は候補を考えるだけにしよう。





通常はボス魔物を最初に決め、それに沿って道中の魔物やギミックを考える。


今回も普段通り、ボス魔物を何にするかから決めていこう。


どんな魔物が適しているか、1階層の最奥にて座って考えてみる。


「ん? なんだあれ?」



探知機などを設置したときには気が付かなかったがなにやら布が落ちている。



旗かバンダナかわからないが、何かの紋章が刺繍してある。



共和国のものではない。



見たことない紋章だ。



整備していない状態とはいえ、たった1日で人間がここまでたどり着いたのか?



まあ、魔物が持ってきたり吐き出したりした可能性も十分にあるが。



調査する必要がある。

 

ダンジョンの構想は練りつつ、謎の布も調べよう。



探知器は仕掛け終わってるから、もし、今後人間がこの洞窟に来たら正体をつかめると思う。


仮に人間が来ていたとしても、それだけなら大した問題ではない。


人間の拠点になっていた場合、このダンジョン建設は中止になるだろうが、まあ、その可能性は低いだろう。


なんとなくダンジョンのアイデアも思いついてきたし、一度城に帰るとしよう。



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