表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/24

18 口止めと泥酔

 

ちょうどそこに仕事を終えたレクラスが姿を見せたので、今から内装の詳細について会議をしようと思う。



「戻ったばかりで悪いけど、今時間あるかい?」



「ええ、今日はもう仕事ないので空いてますよ。」



 よし、じっくり会議と行こう。



「じゃあ、今から僕の部屋でダンジョンの打ち合わせしよう。」



「いいですね! 荷物置いたらすぐに行きます。」



「あ、先に一つだけ聞いてもいいかい? 最近、ヴァルートに僕の仕事内容の詳細を聞かれたりする?」



「ああ、それならさっきも…。」




 レクラスは最後まで言う前に黒い影に連れていかれてしまった。



 おそらく今日はもう解放されないだろうから、会議は明日にして休むとしよう。



雲一つない晴天、小鳥たちのさえずり、穏やかな風。

 


とてもいい朝だ。

 


ついに本格的にダンジョン作りに着手できるということで、僕のテンションはここ数年で最高潮になっていた。

 


そんな僕がこの気持ちのいい朝に何をしているかというと、



「うぅ…。気持ち悪い…。」

 


二日酔いに苦しむ部下の介抱である。



「まったく、ヴァルートにも困ったものだね。ほら、水飲みな。」

 


昨夜、どうやらヴァルートは自分の恥ずかしい行動がバレるのを防ぐために僕の部下にしこたま酒を飲ませ記憶を消そうとしたらしい。



「うぅ…。ずいばぜん…。いい酒だったので飲み過ぎました…。」



「一体どんだけ飲んだんだい?」



「あんまり覚えてません…。うっ、樽4つ目くらいから記憶が怪しいです…。」



うん、どう考えても飲みすぎだし飲ませすぎだよね。

 

ていうかそこまでして知られたくなかったんだ。

 

レクラスを誘拐した時点でもう答えみたいなものだけどね。



「あと、昨日のことを思い出そうとするとなんか頭痛くなります…。」

 


仲間に呪いまで掛ける始末だ。

 

そろそろ一回ボスに怒られた方がいいんじゃないかと思う。



「呪いは解いてあげるけど、二日酔いは治してあげられないからね。  えい」



「ありがとうございます。だいぶ楽になりました。」



「今日は寝てるといいよ。僕は今からあの洞窟に行っていろいろ見てくるから、回復したらダンジョン内部の詳細を話そう。」



「すいません…。よろしくお願いします。」



「それじゃあお大事にね。」

 


またしても制作会議が先延ばしになってしまったが、レクラスがあの調子なのではどうしようもない。

 


1人で作ることもできるのだが、めったにない機会だから一緒にダンジョンを作りたい。

 


1人で出せるアイデアには限界があるし、彼はきっといい案を出してくれるに違いない。

 


そんな風に自分に言い聞かせて洞窟へ魔法で移動する。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ