12 到着と質問
レクラスにロセルナのどんなところが好きなのかを尋ねながら歩いていると、ほどなく洞窟にたどり着いた。
何も答えてくれなかったけど。
「多分ここのことだと思うよ。この辺にはダンジョンがないし、人間の都市からも離れてるから初心者が間違えてくる心配もなさそうだね。」
「確かにいい場所ですね。さっそく中も確認してみましょう。」
なんとなく誘って連れてきちゃったけど、結構ノリ気みたいでよかった。
でも、実際どうなんだろう?
僕は好きでダンジョン作ってるけど、レクラスもそうなのかな?
真面目でいいやつだから、僕に合わせてくれてるだけかもしれない。
上司として確認する必要があるな。
コミュニケーションは大切だ。
当回しに聞くのもいいけど、これは大事なこと。
僕は彼を信用してるし、彼にも僕を信用してほしい。
そのためには、本心で話すことが重要だと僕は思う。
「ねえ、レクラス。君は本当に好きなのかい?」
「な、その話はもういいじゃないですか!1からのダンジョン作りなんてそうそうないんですから集中していきましょうよ。」
「いや、大事なことだよ。僕は本当に好きだけど、お前に無理強いをしてはいないかい?本当は他に好きなものがあるんじゃないのかい?」
「ん?」
「ん?」
「何の話してます?」
「ダンジョン作りに決まってるじゃないか。」
「好きです。ちゃんと好きです。これ以外に他にやりたい仕事はありません。張り切っていきましょう!」
そうか、やっぱりそうだったか。
よかった、僕な勘違いじゃなかった。
でも一つ気になることがある。
「なんで顔赤くしてんの?」
「何でもありません。」
本当に面白いやつだ。
レクラスいじりはこの辺にして洞窟内部を調べるとしよう。