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第38話:劣等賢者はルームメイトを探す

 ホームルームが終わるや否や、担任のリージアは早々と教室を後にした。

 残った生徒たちの中には教室を後にする者もいたが、多くは残って友達作りに励んでいるようだった。


 しかし単なる友達作り……というよりは、一緒に暮らすルームメイトを探すのに躍起になっている感じだ。

 俺も出遅れまいと参加しようとする。


 落ち着いて自然に振る舞えば大丈夫なはずだ。

 よーし。


「やぁ、なんの話をしているんだい? 僕も混ぜてくれないかな?」


 ああああああ……!

 自然に振る舞おうとすればするほど自然になれない……。


「え……あー、俺たちはそんなに腕に自信ないから……すまないな」


「尊敬はしていますけどね、アレンくんとは仲良くできる器が僕たちにはね……」


「切磋琢磨できる仲間が欲しいのでアレンは規格外というか……ええ、そういうことなので」


 と、頑張ったにもかかわらず撃沈。

 やれやれと肩を落としていたのだが——


「あらあら、アレンはルームメイトが見つからないの?」


「フィア……」


「実は私も一人ルームメイトを探しているんだけど……見つからないのよね」


「そうなのか。フィアでもルームメイトが見つからないのか」


「そうなのよ。それで——」


 フィアがなぜか楽しそうに話を続けていると——


「フィア様ルームメイト募集中なんですかぁ!? ぜひ私と!」


「私なんでもします! 憧れです!」


「えーじゃあ私も応募します!」


 すぐに応募してくる女生徒がわんさか集まっていた。

 なかなか人気があるようだな。


「良かったじゃないか。これで問題は解決しそうだし」


「な、なんでこうなるのよ……!」


 フィアは地団駄を踏み、


「実は今選考中! 辞退者が出たら追加募集を考えるわ! だから解散!」


 このように叫ぶとため息をついた。


「それで、枠が空いてるから私とルームメイトというのはどうかしら?」


「え、応募殺到してなかったか?」


「それはそれよ! アレンがどうしたいかというのを聞いてるの」


「んー、せっかく誘ってもらってるのに申し訳ないんだが、俺としてはさすがに奴隷といはいえ女の子と一つ屋根の下で三年も暮らすというのはちょっとどうかなと思うんだ」


 明確にルールが定められているわけではないが、普通は同性同士でルームメイトを組むものだろう。

 色々とトラブルの元になるし。


「それに、俺だけの問題じゃなくて、他のルームメイトがどう思うかって問題もあるだろ?」


「心配無用よ。一人もルームメイトは決まっていないもの。お金ならあるし一人の方が気楽だわ。でもアレンがどうしてもっていうなら……」


 なぜかモジモジとし始めるフィア。


「アレンはいくら頼まれてもフィアについていきませんよ」


「アリス……?」


「あら、それはどういうことかしら?」


「私とアレンは既に同棲しています。あなたにホイホイついていくような男じゃありませんよ」


「なっ……アレンと同棲!? それは本当なの……?」


「ん、まあ本当だな。ただ誤解しているみたいだが——」


「ぐぬぬ……こうなったら……いいわ、二人とも揃って来なさい。ちょっと可哀想だけれど、間近で私のスペックを見ればアレンは絶対に私を選ぶはずよ」


「いや、そのアリスとは……」


「上等です。私とアレンの絆は、あなたが出会うずっと前から固く結ばれていますからね」


 えっと……そうだっけ?

 確かにフィアとは長い付き合いというわけではないが、かといってアリスともそれほど長い付き合いというほどでもは……。


「じゃあ決まりね。もうシェアハウスは契約済みよ。ふふっ、ちょっとばかり長い付き合いよりも、どれだけ濃密な時間を過ごしたかが重要。なんていったって私はアレンの奴隷。さて、楽しみだわ」


「私はいつか現れる運命の人のために厳しい花嫁修行をしてきました。覚悟では負けません。どちらが相応わしいかはっきりするでしょう」


「あのー……盛り上がってるところ悪いんだが、俺の意見は?」


 ……無視かよ!

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