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5話 魔法契約1

月影さんの正体は魔法使いであった。信じがたいけれど。

正体を知ってしまった僕はこれからも一緒にいられるのだろうか。

あんな事があった翌日であったが月影さんは学校に来た。そして


「おはよう」


いつもと変わらない笑顔で僕に挨拶をしてくれた。その瞬間安堵の気持ちが生まれる。


「お、おはようございます」


僕も色々な感情はおさえていつもと変わらないように挨拶を交わした。


「またお昼にね」


「はい。待ってます」


いつも通り。‥まるで昨日の事は無かったようだそう感じていたが。

どうやらやはり現実であった。


午前の授業を終え月影さんが昼食に誘いに来る。

以前と同じ木陰のベンチに座るとふいに月影さんが切り出す。


「昨日の事、びっくりさせてごめんね」


「あ、いえ‥。無事で良かったです」


「‥ありがとう。じゃあまず基本的な事を話すね。昨日話した通り私は魔法使いで魔法の国に住んでるの。人間界に来た理由は私を襲ったゼクトスという敵が魔法界を支配しようと企んでいる敵で何かの弾みで人間界にまで来てしまって調査する為に私が選ばれたの」


「そう‥だったんですか」


刃物男は魔法世界から来た者だったのか。

月影さんは重大な任務を背負って人間界に来ていたんだな。


「それで昨日話したかった事なんだけれど実はアクセサリーの能力を使った事が女王様に知られてて人間界で能力を使ってはいけないから罰として私が人間界に来られなくなるか‥速川君と魔法契約して速川君を魔法使いにしなければいけない選択をしないといけなくて」


なる程昨日話そうとしてたのはそう言うことだったのか。

僕は不安毛な表情をしてしまったかもしれない

月影さんは少し慌てて続きを話し始める。 

しかし月影さんは僕が魔法使いになることを不安に思っていると感じたようで。


「速川君、無理しなくて良いからね。私がこっちの世界に来なくなれば良いだけだから。任務は他の魔法使いに回るし。それに私の責任だから速川君に迷惑はかけらない‥」


「いえ‥僕は月影さんと会えなくなる方が嫌なんです‥だから魔法使いになります」


「‥本当に?良いの?今の生活環境が色々変わっちゃうんだよ」


月影さんは不安げに僕を見る。

生活環境‥もう色々失ってる自分には問題ないと感じていた。


「大丈夫です‥」


「じゃあ放課後一緒に魔女の世界へと行こうか」


長い午後の授業を終え

放課後月影さんと一緒に学校を出るなり

少し屈んで僕に耳打ちをする。距離が近くて緊張感が増してしまう。


「今から人気の無い山の方に向かうね。そこに時空‥魔女界行きの空間を作るからついて来て」


「わ、わかりました」


鼓動がなりやまない中僕は歩きながら月影さんに尋ねる。なるべく伏せて月影さんにだけ聞こえるような声で


「‥月影さんはあちらの世界に住んでるんですね」


「うん。‥でもこっちにも一応家はあるよ。友達とか誰かが家に来たいって言われた時用に」


「あ、確かに、そういうのも必要ですよね」


用意周到だ。



しばらくして山へと到着する。

登山道の入り口で月影さんは魔女服に変身する。

一瞬の事であった。一体どうやって変身したのだろうか。

などと些細な疑問を僕が抱いている間に月影さんは呪文を唱える。


「これが時空‥」


全く真っ暗な色の時空がそこにあった。


「私について来てね」


「はい」


言われるがままに月影さんの後を追い空間に入ると本当に元いた世界とは違う世界がそこには広がっていた。華やかな建物に魔女衣装を来た人物が楽しげに生活していた。


「本当に来たんだ‥」


「魔法契約の為に、キリコさんって言う人のところに向かうね。ちょっと遠いからホウキで」


いつの間にやら月影さんの手にはホウキが握らていた。


「空飛ぶんですか?」


「そう。よくわかったね」


「僕魔女の本好きですから」


「そうだったね。速川君とは今度ゆっくり話したいな」


ふむというかんじで月影さんは顎に手を当てる


「僕も話したいです」


「速川君とはこれからもずっと一緒だからね。色んなこといっぱい話そう」


月影さんは笑顔で言ってくれて。僕はどうしようもなく嬉しい気持ちでいっぱいだった。


「じゃあ行こうか。落ち無いようにしっかり捕まっててね」


「2人乗り‥!」


少し照れつつ僕は月影さんに腰当たりにしっかり捕まる。柔らかい感触が体に広がる。

間違って月影さんの豊満なところに触らないように気をつけよう。

月影さんが呪文を唱えるとホウキは急上昇で上空に向かった。


「意外と速いですね」


「ごめんね、びっくりした?」


「いえ、大丈夫です」


「良かった。‥速川君そういえば私の事好きって言ってくれたよね。ありがとう」


「あっ‥」


そういえばもう死ぬつもりで告白してしまった。思い返すと恥ずかしい。月影さんは告白の好きと捉えたかはわからないけれど。


「私も速川君の事好きだよ」


「えっ!!?」


「速川君は大事な友達だしね」


「あ‥そういう意味ですよね‥」


やはり告白としては捉えていて貰えていなかったようで

かといえ好きと言われた瞬間期待してしまった。その証拠に鼓動が高なっている。

いや、友達だと思ってくれるだけで充分でありがたい事だな。


「あとこれからは自分が必要ない人間とは言わないこと!」


「はい‥」


「これからも私は一緒にいたいから。私が速川君を必要としているから」


「はい‥。ありがとうございます」


少し泣きそうになる。

僕は自分が必要ない人間と言わないこと、簡単に死んでも良いと考えるのはやめようと決意した。


「月影さん‥本当にありがとう」

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