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なろう主人公の孫  作者: 叫べチーズ
1章
19/42

-4- 今は守銭奴のように・・・金!

シルバータグとなり数週間が経った。

ライドたちチームフェニクスは都市から離れたルルリナ村を馬車で目指していた。


「何でまたこんな小っさい村に行くのさ」


以前彼らに見せたクエストの記事は夜な夜な村を脅かすアンデッド系モンスターの

討伐依頼だった。

その依頼自体珍しいものではなく、ブロンズタグの冒険者が数パーティー揃えば

一晩でむこう数ヶ月は発生しないほど倒しつくせるようなものだった。


「これ見ろ」

「えーっとなになに、新春キャンペーン ジュニアゾンビーの汚泥買取価格・・・一瓶

500サンド!?これマジか!」

「マジだ」

「うひょお!ライド!僕達一気に大金持ちだ!」


ライトニングが舞い上がる。


「でもなんで、そんな一口で二度おいしいみたいなクエスト誰も行かないんだ?」

「逆だ逆、俺がこのクエストが出た瞬間リリーナに無理言って抑えに行ったんだ。

だから俺達だけで狩りつくすぞ!」

「ライド!アンタ天才だよ!」


以前、“カオティックゲート”の攻略の困難さは皆に聞かせ、ではどうすべきを

ライドは語った。


第一に、自分達をリーダーとしてアライアンス関係を複数パーティーと組んでゆくこと。

第二に、そのためには依頼主として信頼できるパーティーに「攻略の手伝い」と言う

依頼を発注すること。

第三に、その為には莫大な費用がかかること。


ありていに言えば金儲けだった。


“カオティックゲート”に挑もうなどと考えるようになるのは、実力も伴った

ゴールドタグの連中だ。

恩恵も大きいがリスクも大きい。

いかにゴールドタグであれ一度も攻略に赴いたことがない連中もいる。

シルバータグのみが集まるパーティーから突然手伝ってくれと依頼されても普通は

受諾などしない。

信頼関係が強固であるか、多額の報酬でも用意しない限り。

その為の実績作りと金儲けを最短で行えるルートにライドはアンテナを全開にしていた。


(それに、本気で攻略するのなら仲間も足りない・・・か)


馬車に揺られ一時間ほどが過ぎ、目的の村が見える。


「おお、あれか・・・そういえばミスト。今日はやけに静かじゃないか?」


ミストは荷台のすみっこでプルプルと震えている。


「どうしたんだ?」


ミストの肩をゆすると涙目で口を押さえる彼女が必死にクビを横に振った。


「お前・・・まさか、都市の外に出ると体が爆裂四散する呪いに?大丈夫か!ミスト!

エルフ族特有のナニカか!くっ・・・もっと早く気がついてれば」


必死に肩をゆするとミストの口から滝のような“ナニカ”が放出された。


「うわああああああああああああ!」


―――――――――――――――――――――――――――

――――――――――――――――――

―――――――――


「わすれてくれ・・・」


ライドのズボンが行きとは違う柄になっている事がことの全てを物語っていた。


「馬車・・・苦手だったんだな・・・」

「これ以上いじめないでくれ・・・帰りは歩いて帰るぞ・・・」


ミストがげんなりとしている。


「依頼主のとこ、いってくるかな」


ライドが馬車の荷台から荷物をライトニングに渡す。


「宿にもってっといて」

「僕ぁ御者ですか!?」


それいけ、と背中を押し、体調絶不調のミストも同行させる。


「お前は相変わらずだよなぁ・・・」


キャリーケースにぎゅうぎゅう詰めの本。

勿論それはマーリンのもの。

馬車の中では一言も話さず、ずっと本を読んでいた。


「ふむ」

「いや、いいんだ。どうせ聞いてないのは、わかってるから」


本を読むのを中断しそうにもないマーリンの手を引きながら、村の長の家を探した。

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