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なろう主人公の孫  作者: 叫べチーズ
0章
13/42

-13- 勇者半端ないって!

「ハァ・・・ハァ・・・」


体育館に二つの荒い息。


「抜け駆けなんて・・・ズルいぞ・・・」

「お前が勝手に寝てただけだ・・・ろっ!」


ライドは木刀を一閃するとつむじ風が起こる。


「おはようございま・・・ひっ!」


体育館を開けに来たセレスが驚く。

既に鍵が開いていたことではなくパンツ一丁のライドと

ライトニングが鍛錬していたことに。


「貴方達・・・早朝から練習とは関心ですが、服は着てください」

「僕達は帰ってないですよ」


何気なく言い、鍛錬を続ける。


「いいから服を・・・えっ!?」


セレスは彼らの体から発される限界を向かえ継ぎ足された水をすぐ

搾り出すような魔力を見た。


「無茶しすぎですよ!」


その言葉と共に二人は倒れた。


「ん・・・?」


目を覚ますと体育館の天井。セレスの除きこむ顔。


「そんな滅茶苦茶な鍛錬がありますか!」

「やる気のあるうちにやっとくタイプなんだよ」

「まったく・・・」


ライドが立ち上がるとライトニングが無意識に起き上がる。


「こいつなんて俺が立ち上がると無意識に立ち上がるようになっちまったんだぞ」

「怖いですよ!」

「ライドオオオオオ!ヌケガケハユルサンンンンン!」


セレスは木剣を構える。


「体力も魔力も限界でしょうが、稽古をつけてあげます」

「・・・こりゃ嬉しいね」

「ハッ、セレス様と何故向かい合ってるんだ?ひょっとして告・・・」


ライトニングの頭をたたき状況を説明する。


「二体一でかまいませんよ」

「ああ」

「素直、ですね」

「悔しいけど力の差くらいわかってるさ、ライトニング!なるべく言うこと聞けよ」

「なにおう!?というか鍛錬用の魔術のセッティングを待て!」

「そのままで、いいですよ。どうせあたりませんので」


セレスは淡々と言う。


「なん、だって・・・?この大天才大魔術師ライトニング様の

攻撃が当たらない・・・と?」

「大二個ついてるぞ」

「いくらセレス様とは言え大ライトニング様を馬鹿にしたことは

許されない!お覚悟!ライド指示を早くしろ!」

「大ライトニングってなんだ・・・まぁいい。とりあえず俺がつっこんでみるから

適当にあわせろ」

「適当は得意だ!」


ライドが“カタナ”のつかに手を置き踵に強く踏む。


「おじ様の鍛錬メニュー、毎日やっていることは」


距離をつかませぬ接近術、セレスのエストックを想定した木剣の剣身は130cmほど。

一方ライドの“カタナ”は刀身90cm。スピード勝負に出た、はずだった。


「知ってます」


「この程度では“カオティックゲート”には早すぎます」

足をかけられ、前転。


「ライド!」

ライトニングの地を這うような雷撃。


「んっ」


セレスは舞うように避ける。

ライドは着地と同時に考える。

彼は幼い頃から父から多くの武道を叩き込まれ

喧嘩レベルの戦いであれば敵は少ない状態であった。

どうすれば彼女に一撃加えられる?


セレスが視界から消える。


「隙ありです」

腹に蹴りを入れられ壁に激突する。


「オイ!大丈夫か!うおおお!」

追ってライトニングが上から衝突。

「おぶえ!」


ライトニングを蹴飛ばし木刀を構えなおす。


「ライトニング、さっきのヤツ何回打てる?」

「魔力の消耗は少ないからアレだけなら何回でも打てるが・・・」

「よし、俺に当たってもいい、とにかく限界まで打ちまくれ」

「はぁ?お前死んでもしらねえぞ」

「いいんだ・・・よっ!」


ライドは走り出す。


「ふっ!」


切りかかろうとした矢先、セレスの先制上段回し蹴り。

バックステップでかわし再度木刀で切りかかる。

セレスは体をひねりもう一方の足でライドの太刀をかわし顎に踵をヒットさせる。


「ぐっ・・・おええ」

思い切り脳を揺さぶられたライドは嘔吐。


絶え間なく雷撃がセレスを襲うが、人間ではありえない程の距離でステップしかわす。


「そうか、技だ、魔力だ。単なる体術だけではだめなんだ・・・」


ぶつぶつとライドはつぶやく。


「再開していいですか?」


後ろから声がしたと気づいた刹那


「前です」


鳩尾に重い拳の一撃。


「ぐう・・・吐いたばっかだっつーのに・・・い痛ぅう!

おいライトニング俺にあたってんぞ!」

「あてていいって言っただろ!」

そこからは一方的にライドが殴られ続ける時間が30分続いた。


「ハッ・・・ハッ・・・せめて一撃・・・剣も使わせないまま・・・終われねえ・・・」

「ライドォ!今日はもう止めとこうぜ・・・またリベンジすればいいって!」

「あと少し・・・何かつかめそうなんだ・・・」


顔は青あざだらけ、体もボロボロの状態。

隙を作ってはライトニングもダメージを与えられ互いに限界が近い。


「いいかげん」

セレスが急接近。


「諦めてはどうですか!」

「ここだあああああああああああああああ!」


ライドは木刀を投擲、一直線上に駆けていたセレスはとっさに身をかわす。

セレスの手にライドは手を伸ばす。


「お前はいったな!前衛はまず守ることだと!」

「何故私が避ける方向を!」

「博打だよ!」


剣を握るその腕の方が意識的に無防備、それに賭けライドはつっこむ。


「甘い!」

セレスは横回転、そしてその遠心力に任せ木剣を空に投げ。


天より穿つ刃(アイテールスティグマ)!!」


天に舞い上がった木剣が幾つも表れこちらを狙う。


「お前はもう負けてるんだよ!」


セレス思考が一瞬防御に切り替わる。


「これは・・・鎌鼬!?」

さっき剣を投げたときに設置・・・それに応用!?など思考がまとまらない。


「ウ・ソ」


そのつむじ風はライドが一日でできるようになった精一杯の成果、

攻撃とは到底呼べないブラフ。


背後からの雷撃。

「ウソってのがウソなんだが」


背中に雷撃が僅かにかする。


「これは俺の方がヤベエな」


ライドに木剣が降り注ぐ。


「うぎゃあああああああ!!」


セレスが起き上がる。


「まさかこんなに早く一撃をもらうなんて・・・」

「セレス様!見ましたか!僕の天才的一撃を!」

「ええ・・・素直に敗北を認めるしかないようですね」

「ハッハッハ、この大天才大魔道士大ライトニング様の実力であればこの程度!」

「ふふふ」


木剣の山の中から小さく「たすけて」と言う声がしたが、30分以上にわたるライトニングの

自慢とセレスの反省点の指摘などによりライドは死にかけた。

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