罠
3話更新です
新キャラ登場です
できる限り自分が表現できるだけの喧嘩パートを入れました
下手な表現ばかりですが楽しいですね
週末があけた月曜日、正孝はある人物を屋上に呼び出していた
それは正孝の幼なじみの遠田美咲である
家は隣で幼稚園からの仲ではあるがその関係は今関係ない
なぜなら彼女はナツミ率いるスクールカースト内トップ集団にいるからだ
正孝はその美咲と屋上で相対している
5月中頃というのもあり冬の寒さは姿を潜めたが、それでも夕方というのもあり少し冷たい風が二人に吹き付けていた。
正孝は美咲をじっと見つめる中、美咲は目をそらし少し顔を赤らめていた
「そ、それで?用事ってなによ!」
美咲は口調を強め正孝に問いかける
「美咲、お前に聞きたいことがある。半年前の事件についてだ」
美咲はその言葉を聞くとビクッと体を震わせた
「し、知らない!知らないから!」
美咲は声をあらげ正孝に食ってかかろうとする
「とある筋からな、お前があの事件に関わってるという情報を得た。本当は関わってるんだろ?」
「知らない!知らない!私は関係ない!」
美咲は涙目になりながら口調をあらげ、正孝を睨み付ける
正孝は怯みもせず、右拳を握る
「いい加減にしろ、わかってるんだ。しらを切るな」
「違う!違うもん!私は関係ない!!」
美咲はそう言って正孝に背を向け屋上の扉を勢いよく開けて逃げていった
「参ったな…」
正孝はひとり言のように呟きゆっくりと屋上の扉に向かって歩き出す。
しかし扉から数人の男子生徒達が出てきた
数はざっと数えて10人ほどだろうか
そして最後に屋上に入ってきた男が口を開いた
それは戸上翔琉だった
―――――――――――
戸上翔琉、スクールカースト内におけるトップに君臨するナツミの部下のような存在
常に影で動き、裏工作を得意し、無表情、無口、な男で本心が見えないことで有名。
「と、戸上…」
「話は聞かせてもらいましたよ。どうやら半年前の事件について嗅ぎ回っているそうですね。」
ふぅ、息を整え制服の襟元を直し正孝を見る
「簡単に吐いてくれましたよ、葵がね」
そう言うと戸上の後ろから、両手を縛り付けられ顔にあおたんや切傷をつけた葵が出てきた
「す、すまんな。俺様は痛いのが苦手でな」
と余裕のなさそうな表情で少し笑いながら言った
戸上は冷たい表情をしながら口を開く
「余計なことをしなければあなたも痛い目をしなきて済んだのですが…」
その言葉を言ったと同時に正孝と葵の周りを囲んだ。
囲まれた人の影から戸上が背を向け立ち去るのが見えた。
囲んでいる男子生徒の1人が正孝目掛けて襲いかかってきた
男子生徒の右手が正孝の顔面を殴り正孝は痛みに思わず頬を抑え、一歩引く
すると背中に痛みと衝撃が走った
背中をおもいっきり蹴られたのだ
体が仰け反ると腹部に拳を叩き混まれた
痛みでむせ帰りもどしそうになった
痛みに耐えかねてうつ伏せに倒れ込む
反撃する間もなく5人に囲まれて踏みつけられた。
苦しかった、でもそれ以上に悔しかった
踏みつけている男子生徒達はキリキリとカッターを出し刃を出し入れし、太陽の光で反射し光カッターの刃をちらつかせていた
横を見ると葵が羽交い締めにされ腹部に何度も重い一撃を与えている
1発ごとに嗚咽を漏らす葵は見ていて痛々しいことこのうえなかった
しかし正孝から見て葵は余裕さえ感じる表情をしているように見えた
なぜなら正孝が葵と目が合った瞬間ニヤリと笑ってみせたからだ。
葵は一度目を閉じ力を入れたかと思うと小柄な体からは想像のつかないように、羽交い締めにされていた両腕を振りほどき空いていた右足で後ろにいる男子生徒に回し蹴りを一撃を加えた
そして体勢を整え、葵の行動に唖然としている正面にいる男子生徒の顔面に拳をいれてみせたのだ。
そして口を開いた
「さぁそろそろ出番だ!小崎ぃ!!」
いつもの口調で名前を呼ぶと、貯水タンクが設置してあるひとつ高い場所から人影が現れた
美しい銀髪にスラッとした長い足、髪を後ろでひとつにまとめている男子生徒がそこにいた
「全く...指示が遅いですよボス。」
そう言って貯水タンク置き場から飛び降りた
男子生徒達は戸惑い動きを止める
銀髪の男子生徒、小崎はその隙を逃さず一番自分から近くにいる男子生徒に対して一気に距離を縮め右膝に鋭い蹴りを入れた。体勢を崩した瞬間手のひらの一番硬い部分で顎を下からアッパーのように入れた。
男子生徒は力なく倒れたのを皮切りに葵は笑いながら目につく男子生徒達に攻撃していく
正孝は踏みつけていた足の重みが少なくなっていくのを感じ、思いっきり立ちあがり踏みつけていた男子生徒の頭に頭突きをする。
頭は痛かったが正孝はこらえ頭突きに怯んでいる男子生徒に対して腹部に蹴りをいれ体勢を崩しうずくまった背中に肘を押し込んだ
それからは正に地獄絵図だった
葵、小崎、正孝は一心不乱に自分達を痛みつけた男子生徒達を執拗に攻撃し続けてた
30分経ったころには制服がボロボロになって立っている3人の回りに10人ほどの男子生徒の残骸が倒れ込んでいた。