異世界招待:夜、イケメンが迎えにきた…着いてったらーーーどうやら私の妄想力侮られてたようです。
「一緒に、来ていただけませんか?」
目の前の美形が極上の微笑みを乗せ、
スッとその細長い指を差し出しくる
私はその光景を、ただ呆然とみて…いるようにみせかけて
心の中で
(ふぁぁああああああんたずぃいいいいいっ!なにこれなにこれっ夢?夢なの?夢でもいい!まさに夢にまで見た展開の臭いがプンプンします!
異世界ですか?異世界いっちゃうんですか?!大好物ですありがとうございますっ)歓喜にうち震えていた。
さて、私は妄…んぅ、想像力が豊かだと自負している。
ふつーのOLで、少々腐りかけだがしかし、ふつーにイケメン大好きな25歳だ。
私は今、夜会なるパーティーに参加している、なぜか?それは、
夜中、真っ暗な部屋のベット上、いつもの携帯小説タイムを満喫中だった私は、携帯画面以外の眩しい光にフと現実へ引き戻された、
かと思えば、目の前には、サラサラの長い銀髪を横でまとめ
うっすら緑に光る瞳の細マッチョな美形がうっすい服で微笑んでいたのだ‼
いや驚いたなんのって、そりゃー驚いたが、
もう脳みそ半分寝てたし?まぁ夢かと思うじゃない?
よく見ればその美形男子、お耳が人間とは思えない細長かったわけで…
気付いたら、その美しい手を~取っちゃってました、とさハハハ
手をとった瞬間視界が反転、気付いたら、
お城の一室みたいな豪華な部屋へと案内されてました、
あれよあれよと言うまにパジャマから豪華なドレスに着替えさせられ
、侍女さん達がやってくれたよ?
お迎えにきた、美形耳長男子にエスコートされパーティー会場へ
「広っ」
「ラティ、疲れてはいませんか?何か飲み物を持ってきましょうか?」
あ、彼はどうやらエルフらしい、名前はディーノ、やたら私を可愛いだの綺麗だの誉めて、一緒にいたいだの惚れただの口説いてきてて
すこしだけ私のエルフ像が崩れそうになったわ~
私の名前は「佐藤 瑠璃」
よくある話、異世界系は本名明かしちゃダメな場合あるので
偽名言っときました、ラピスラズリから取ってラティです。
ま、あるあるだからね‼お約束…よね!
って冷静?になって見渡してみると、私の他にも、
同じ様な日本女子が、これまた同じ様なイケメンにエスコートされて
続々集まってきてるな~
「ねぇディーノ?あの人達って…」
「えぇ、ラティと同じように招かれた方々と私の同僚達ですよ?」
いやニッコリしてるけど、(同僚って…え?なんかイチャイチャしてる人たちいるんだけど❗なんか皆が皆距離近くない?…これ、美形与えての懐柔作戦っぽいな)
だいたい「目の奥がこわいっつーか…明らか私に興味ないよね」(小声)
私の囁きが聞こえてるのかいないのか、またまた微笑みながら顔を
近づけてくるディーノ
「ん?どうしました、私のラティ」
(ナチュラルに腰に手を回すなっ)
さっと避けつつ
「いいえ?なんでもないの」(やめろ❗
エルフ=清廉で冷たくて美しい森の人イメージが崩れんだろ)にこっ
ま、それはさておき、今パーティー会場奥の階段から
これまた綺麗系男子がでてきた、どうやらなにか話が始まるようだ
。
かつっ
揺ったりとした曲が止み、二人のエルフ男子が降りてくる
二つだけ置かれている豪華な椅子の横へ並ぶ王子っぽい二人
「今宵は、こんなにも美しい女性達がこの国を訪れてくれた事
大変うれしく思う、私はこの国の第一王子 ラウルそして隣のが弟のレウルだ」
リンっと響く清んだ声で右の王子が話だし
すこし頷き
「皆もご苦労だった、この後も麗しいお嬢様方を、しっかりエスコートしてほしい」
腰に響く声の左の王子が話をしだす。
瑠璃的には、もうイケメンお腹いっぱいで、
しかも芝居口調がなんだか気に触った為、回りの女子が、
「きゃぁ」だのうっとりしてるだのの感じはなく
(どうでもいいが、日本女子以外ってかエルフの女性陣がいないな…)
と冷静に観察を続けていた
「さて、今宵の夜会は立食式となっている、王宮調理人が腕によりをかけて作った、まずは存分に料理と音楽を堪能してくれたまえ」
「存分に楽しんで頂いた後、貴女方を元の世界へ無事お送りすることを誓おう」
「そして、もし、可能であれば、その帰国時に
貴女方のその知恵を貸して頂きたい」
「もうご存じかとは思うが、我が国は、貴女方の世界とは異なる次元にある、そして、思いを力として顕現させる事ができるのだ」
「数百年に一度、われら種族は
この世界に新たな風を取り入れる為
他の世界より客人を招き、その知恵で新たなる力を想像し創造して頂いている」
「もちろん強制ではないし」
「それによって、貴女方に何か不利益な事が起こる事もない」
「もちろん、帰国時は貴女方がこちらに来た際の時へお送りする」
ホッとする女子がちらほら、エスコート役の男性となにやら頬を染めてアイコンタクトする女子や、王子や、料理に心奪われているようすの者達を横目に瑠璃はー
(え、力を想像で創造?
そ、それって考えた事が現実になるって事!?え、え、じゃぁ…どこまでできるの?創造できちゃうの?私の私だけの四代元素イケメンズ‼)
さっそく、いつも妄…考えている自分だけの精霊をより鮮明に
考え始め、イメージを固める作業に入っていく。
「ラティ、飲み物をもって来ました」にこっ
差し出されたグラスに目も向けず、考えに集中しだす瑠璃
「ラティ、何か食べたいものは?」「ラティ、今夜は月がとても綺麗で」「ラティ、バルコニーへ出ませんか?」「ラティ?」「ラティ…」「ラ」
まったく耳に入らないのか
「やっぱ、何か媒体あった方がいいかな…指輪とそれを鎖でつないだ腕輪とピアス…は穴ないからイヤーカフスで、あとはアンクレットとネックレスね、火水土風の属性と、あと闇辺りか、んでやっぱ私だけの子達がいいよね特権!あとは~戻ってくるやつと、他の人に使われるのとか絶対嫌だし、万が一を考えて…」とブツブツ言い始める瑠璃
そんな瑠璃を、まったく熱の籠らない目でみていたディーノだったが
こちらを意識しない瑠璃に興味を失ったのか
「ラティ、少し席を外しますね」と声をかけ会場外へと出ていくのだった。
その背中を見つめる瑠璃
「妖精さんに招待されたら、出されたモノを飲み食いしちゃ駄目なのがお約束なんだよ…」
(怪しすぎる…扉や窓の側にまるで中の者を逃がさないかのような大勢の騎士達と、まったく熱の籠らない愛の言葉を囁くエルフ達、それに…支度を手伝ってくれた侍女さんの中に私を痛ましげに見てた人がいた…)
まず、何かを隠されてる、とても重要な何かを…
「あ~寝落ち前は、マジで油断大敵だ…」
そっと、他の女の子達を眺める瑠璃を階段上から見下ろす、イケボ王子レウル
「ふっ、今回も又、不思議なのがいるな」
そんな弟に笑顔を崩すことなく囁く
「選定の義が終わるまでは、手を出すなよ?」
「わかってる、篩にかけられる前に、大人しく奴等に落とされ
この国の貴族入りか、帰国の門を潜って最下層落ちか…どっちにしろ
儀式でスバラシイ力を見せてくれるまでは見てるだけにしとくさ」
(精々楽しませてくれよ…この下らない日常のちょっとしたスパイスくらいにはな)
ゾクゾクッ
うなじをさする瑠璃
「ツッ、風邪かな?寒気が…あ、癒し系も必要か…なら光もかなぁ、あいや水系と土系でいけるか…ん~」(見んな減るわ❗あの王子こえー❗めっちゃ悪い笑顔してた❗)
自分の世界へと入り出すフリをする瑠璃
そんな王子の視線を辿り瑠璃を見つめるもうひとつ
「あんな不思議系も選ばれてるなんてっ、モブは所詮モブなんだから
大人しく隅っこにいればいいのに‼王子も私のモノなのよ‼私がヒロインなんだから」
とお胸の大きな女子が睨み付けていた。
なんだか、ややこしい事になりそうなのは間違えないな、とりあえず、
ディーノ戻ってくるまで大人しくしとこ、つかアイツ戻ってくるのかな?
「ま、想像する力を貰えるなら私が最強よな‼取り合えず暖炉の側行っとこう~」
本人は、抜けてるのか切れ者なのか
儀式の時間までワクワク妄想するのであった。
反響おおきければ頑張って続き書いてみるかもかもです…
読んでいただきありがとうございました❗