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ぱん、ぱん、ぱんつのぱんつくん

ノリと勢いだけで書いたアホ短編。

 ぱん、ぱん、ぱんつのぱんつくん。

 風にゆられて、ぶーらぶら。


 さわやかな風がきーもちいいのに、きもちいいーぃぃいい!のに。

 ぱんつくんてば、この世の終わり迎えたみたいな憂い顔。

 側頭部をピンチに挟まれるのだって、毎日のことだし慣れっこなのに。

 頭痛すら覚えちゃってるよね、どうしたのかなぁ??


「おう、どしたんだよ!ぱんつ!!」

「あ、パンツっち。うわっ!なにすんだ!!」


 しょぼくれたぱんつくんを見兼ねて、彼の隣で同じくピンチに吊るされたパンツっちが風に乗じて体当たり。見た目はド派手なゼブラ柄ブーメランだけど、キ〇ィちゃんトランクスなぱんつくんの方がおっきいから、ぶつかられても別に痛くなかったりして。


「べ、べつになんでもないよ」

「うそつけってぇー、お前の悩みなんて、アレしかないじゃーん??」


 パンツっちはニヤニヤ笑いながら、自分たちとは別のピンチハンガーにぶら下がる、色とりどりかつ華やかな女子ぱんつ達をちらり、ちらり。


「残念だったなぁ、今日もぱんつちゃんと一緒にいられなくて!」

「ううう、うるさいなぁ、もう!」

「ヨシ子がマイケルとケンカして何日目だっけー??ヨシ子のヤツ、キレると自分とマイケルの洗濯、絶対別々にしちまうもんなぁ。クサいし汚らわしい!一緒に洗濯したくない!!って。ひっでぇよなぁ、オレら自体は至って清らかだっつーのに??お前もぱんつちゃんと会えるのは干されている時だけなのになぁ、あー、カワイソウ!」


 カワイソウ、とか言いつつ、パンツっちは完全に面白がってて、彼が喋る度ぱんつくんはイラッイラッ。

 風に流されるふりで、パンツっちからさりげなーく逃げるけど。パンツっちはまだつきまとってくる。

 あぁ、もう!風に吹き飛ばされてしまえ!海パン野郎!!(海パンじゃないけどね!)


「あっ!!」


 呪いにも似た願いが次の瞬間、叶ってしまった!

 だけど、吹き飛ばされたのは海パン野郎じゃない!


「ぱんつちゃん!!」


 ぱんつちゃんの、汚れを知らない純白の肌が、太陽に反射してとっても眩しい。

 快晴の青に、繊細なレースが泳いでる姿がとってもキレイ……、なんて、見惚れてる場合じゃない!!

 待ってろ!!今すぐ助けに行くから!!


「ふんぬぅううううう!!ふんっっ!!」


 頭が千切れそうな激痛に耐え、ピンチから抜け出すのに成功!

 お前っ!何やってんだ!!と叫ぶパンツっちなんて完全無視して、風に飛ばされていくぱんつちゃんの元へ、いざゆかん!!ここでヒーローになれなきゃ、僕はただのパンツだ!!いや、それ以下だ!!


「ぱんつくん!!」

「ぱんつちゃん!!」


 運がいいことに、ぱんつちゃんはおとなりさんのベランダの柵に引っかかってる。

 よかった、地べたに叩きつけられなくて。ホッとして、一瞬よそ見したぱんつくん。

 その時、お隣さんのハンガーピンチにぶら下がる、絹地に紫の総レース柄のショーツ姫と目が合った。合ってしまったんだ。

 ただピンチにぶら下がっているだけなのに。深窓の令嬢たる気品溢れるその佇まいときたら!

 ぱんつくんのハートは火がつくどころか、業火に飲まれちゃったね。


「ショーツ姫!僕と付き合ってください!!」


 ぱんつくんの唐突かつ高らかな告白と、ぱんつちゃんの絶望の叫びが同時に青空にこだます昼下がり。

 若いって残酷ねぇ……。




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