10/16
Twitter140字SS②
「#好きや愛してるを使わずに告白してみてください」タグを元にしました。
コーヒーの匂いが充満する給湯室に仄かな香水の香りが漂った。振り返った時には頭1つ分低い位置からにっこりと微笑む課のマドンナの姿が。
老若男女問わず、誰に対しても彼女は常に愛想良く振る舞う。例え、真面目さだけが取り柄の地味で冴えない僕に対してさえも。
「はい」
「えっ」
いきなり渡された小袋に戸惑う間にぐいと腕を引き寄せられる。
「このお土産、君にしか渡してないから皆には内緒だよ??」
耳元に近付けられた唇が弧を描いた、ような気がした。