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魔法侍 まじかる武蔵  作者: 一条人間
2/8

突撃!マルドナルド本店

魔法侍二話目です。今回はそこまでテンポがいいわけじゃないですが常識破りであると信じているので読んでいただくとありがたいです。


 前回のあらすじ~

「おっすオラ、まじかる武蔵!!欧米文化を広めるぺりゐ率いる極悪非道の先頭集団アメリー、日本は今破滅の危機にひんしているんだ!オラはそんなやつらをゆるさねぇ!ぜってぇぶっ倒してやる!マルドナルドの副店長ポテット・カリットを倒したオラは店長を倒すべくマルドナルド本店を目指すことにしたんだ。みんなオラの活躍期待してくれよなッ!」



 マルドナルド本店へ向かう武蔵はとある歌を口ずさみながらリアカーの荷台に乗っていた。武蔵はリアカーをヒッチハイクしマルドナルドの本店まで荷台を引かせていた。

「初めて~牛車ぎっしゃで走りだす~♪乗って気づく~♪牛がいない~~♪牛を捕まえ農家へ侵入~~♪」


「そろそろ着きますよ、そんな歌うたってないで歩いたほうがよかったんじゃないんですか?俺疲れました」

 リアカーを引く男の名前はミコッツ、山奥でひっそりと農業をしていた青年だ。アメリーに脅されマルドナルドへ野菜を献上けんじょうさせられていた所だったのだが武蔵に捕まり、武蔵を運ぶはめになったのだ。

「奉行に捕まる三十路みそじの青春~♪・・・なに府抜ふぬけたこと言ってんだ!そんなんだから太るんだよ」


「今くつろいでるあなたに言われたくないですよ・・。なんでそんな急に太ってんですか」

 ミコッツは振り振り向いてみるとそこには武蔵ではなく武蔵に似たデブが座っていた。

「え?拙者太ってなんかないでゴザルヨ?(焦り)ほんとにデブじゃなでゴザル!デュフフフ(爆笑)」

 その声は武蔵であった。武蔵は急に体格が変わりキモオタに早変りしていた。はちきれんばかりの腕、だらしなくたるんだお腹に滲む脂汗。

「突っ込みませんよ・・・」


「つーかさっきから何歌ってんすか?そのセブンティーンナイトみたいな歌」

「知らないのか?江戸歌謡ランキング週間139位を取った神曲、三十路の青春だぞ?一生を家で過ごすことを決めていた30代の男があるきっかけでそれを破り、知らない世界で憧れの牛車に乗るって話だ。これはそんな青春が詰まったおっさんの歌なんだ!馬鹿にすんな」

 なんとも微妙な順位だ。

「はいはいそうですね、今のあなたにそっくりな状況だ・・・ってもう見えてきましたよ!あれが本店です」

 ミコッツの言った通り森を抜けた先に見えてきたのは、鮮烈なパステルカラーに彩られた建物だった。マルドナルドのイニシャルのMをかたどった奇怪なたたずまいは荘厳であった。

「なんだあのMは〇ジータか?」

 武蔵は驚きで言葉を失っていた。


「あそこに店長のマックン・ハバガンがいるんです!武蔵さん俺たちの無念晴らしてください!ってあれ?」

 ミコッツは今までの理不尽な暴力で倒れていった仲間たちの無念を武蔵に晴らしてもらおうと頼もうとしたのだが、リアカーにその姿はいなかった。


「いいか!お前たち!私たちは死ぬために戦うんではない!勝つためにその命を燃やすんだ!いいか?決して退くな!前を向き前進するのみだ!行くぞ我ら森の音楽隊ブレーメンズ!」


 武蔵は建物の目の前に構え米国風の軍服を着て森の動物たちを率いて指揮をとっていた。

「なんにしてんすか!?その格好、あんた日本人っすよね!?」

「「「散るまで心は我ら、自由の為に戦う戦士なり!!」」」

 豚や熊、鳥などの数十にも上る動物たちは各人楽器を取り、血気盛んだ。


「いざ突撃じゃぁぁー!行け!森の四重奏カルテットを聞かせてやれ!」

「意味わかっていってますか?それ演奏の事ですからね?なんで特攻させてるんすか!」

 武蔵の宣言で動物たちが一気に攻め入る。楽器を叩きつけ、体当たりをするが、あの巨大な建物はびくともしない。

 力のある限り突撃を繰り返す動物たちは次々と力尽き倒れてゆく。


「くっ、なんて頑丈な城だ!現状報告!まだ立てる者はいるか?」

「・・・・」

 必死の呼びかけに答えるものは一匹としていなかった。

「なぜだ!どうしてみんないなくなるんだぁー!また私だけが残されるのか!」

 武蔵は力の限り叫び、地を殴る。

「なに遊んでんですか!壁に攻撃しても開きませんよ?犠牲増やしてどうすんすか」

 ミコッツは飽きれ返っていた。

「うるさい!ならお前が何とかしやがれ!なんだ〇ヴァか?〇ルトラマンか?それともガ〇ダムか?やってみろよ!そうだよ、俺たちは非力な人間なんだよ!」


 武蔵は泣き顔で抗議する。森の音楽隊ブレーメンズが無残に散ったことが悔しいのだろう。

「だから!普通に入れますから!自動ドアありますよ」

「・・・・うるさーい!俺は襖しか認めん!!こんなはゐてく扉は邪道じゃぁぁー!」

 さすが和の文化人。扉にもこだわりがあるようだ。

「裏口がありますからそこ行きましょう。そこは引き戸ですから」

 ミコッツの提案で裏口からの侵入を試みた。


「この嘘つき!私とは遊びだったのね?ひどいわ!こんなにも尽くしているのに!」

「すいませんって!裏口に鍵がかかってるって知らなかったんですから。それと雰囲気を浮気の修羅場風にするのやめてください」

 結局裏口に行ったはいいが鍵が開いていなかった。

 二人はそのまま建物の壁にもたれ込んだ。


「・・・なあお前のやりたいことってなんだ?」

「そうですね、自由に旅とかしてみたいですね」

「そっか・・・」

「そうです・・・」

「「・・・・」」

 そして、開かない扉を前に二人は無言の時を過ごした。


「ふっ、困っているようだな。何なら私が力を貸してやろうか?」

 裏口と無言の格闘すること30分。万策尽きたと思われたそのとき突然女の声がした。

「誰だ!お前は!?」

「地獄からの使者・・・・スパイ〇ーマン!!」

 その女は木の上におり、颯爽と地面に着地した。

「変なの出てきた!!」

 女は黒い装束を身に着けており、 THA NINNJAの風格を醸し出していた。


「お前は・・・まさか?」

「なんだ貴様は?っておまえは?」

 武蔵と忍者の目が合った。ここであの有名な音楽が流れる場面だろう。

「え?武蔵さん知り合いなんですかこの忍者?」

 一人だけ状況を掴めていないミコッツ。


「姉さん!!」

「兄さん!!」

 二人は感動の再開のように駆け合う。

「いや!どっちも上だよ!?矛盾してるから!」

 ミコッツが突っ込む。状況のノリに乗れないくせにこういうノリはいいのだ。

「そんなもの知っとるわ!誰だてめぇ!」

「あびゃはぁぁん!」

 武蔵は構わず忍者ぶった。たまらず変な声で叫びその場に倒れ伏す。


「私はミクモ。忍者だ」

「見ればわかりますよ」

 女は自己紹介をする。やっぱり忍者で、名前はミクモというらしい。変装しないのかなこの人は、目立つよね。

「え?忍者なんすか!?あの忍者!?あれやってくださいよ!ケンダマジック!」

「それ違いますよ・・・武蔵さんの言いたいのはヤッターじゃなくてガッチャのほうじゃないですか?」

 武蔵は目を輝かせてズレた質問をする。

「また今度見せてやる。奥の手は見せないものだ。して、貴様たちこの建物に入れなくて困ってたんではにか?そしたら私が忍術で戸を開けてやるぞ?」


 華麗に質問を避け、さっきまでの問題に話を戻してくる。この人できる人だ!

「忍術でできんの?」

 武蔵が投げやりに質問してくる。

「できるとも」

「じゃあやれ」

 適当なあしらい方だ。顔がだらしなく間抜けになって、バカの風格が出ている武蔵。


「大事にしてあげてください!きっとこの人レギュラーですよ、主要キャラ」

 ミコッツがメタ発言する。きっとこの人には見えているのだろう万物の運命の糸が。

「うんー、行ってきて」

「いいだろう!では行くぞ」

 こんなやる気のない頼みでも胸を張って笑顔で受けるミクモ。なんて天然なんだ。


 ピンポーン!


「すみませーん!毎度おなじみジャングル配送でー!ご注文の品をお届けに来ました!」

「なんで宅急便のかっこしてんの!?」

 ミコッツは思わず突っ込んだ。ミクモは某有名な宅配会社の制服に早着替えしていた。どうやらアメリーを呼び中から鍵を開けさせるようだ。

「あ?やっと来たもう、”注文してカップラーメン食べれる頃にはもう配達完了しています”の心構えはどこ行ったんだよ、これで58回目だぞ?」


 普通にドアを開けて出てきたアメリー。こいつも馬鹿だ、そもそも注文した商品なんてあったのか。

「すいません、てっきり5分のカップ麺だと思っちゃって、あ、ここにサイン願いしますね」

「はいはいえっとネット・ショプ男・・・とこれでいいですか?」

 アメリーがサインをする。なんかあいつネットショップ大好きな名前してんな。


「ありがとうございます!それではこちら・・・商品の味噌汁じゃ!くらえオラ!!」

 ミクモは商品の箱を開け、中に入っていたアツアツの味噌汁アメリーの顔面にぶっかけた。

「あっつ!何しやがる!俺が頼んだのはソーメンのつゆだぞ!違うじゃないか!」

「かかったなー!アホが!これで侵入だ!」

「くそ!何入ってきてんだ!」

 アツアツの味噌汁で怯んだところを無理矢理こじ開けミクモは本店へ殴り込む。忍術なのこれ?と思わせるその手法はただの強引な勧誘会社の社員のようだ。


「おっしゃー入っちまえばこっちのもんだ!暴れてやんよ!覚悟しろよこのド畜生共が!」

 店に侵入したミクモは襲い掛かるアメリーたちを次々に倒していった。アメリーの阿鼻叫喚あびきょうかんが扉越しにも聞こえてきた。

「おい!入ってこないのか?私は先行くぞ!」

 悲鳴に交じってミクモの声が聞こえた。先に行くそうだ。


「武蔵さん・・」

「何んだミコッツ・・・。腹減ったのか?」

「それもそうなんですけど。変なこだわりは持たないで素直に正面から入りましょう」

「そうだな。ハンバーガー食べたいし」

 そして僕らは変なこだわりは捨てて正面の自動ドアから入ることにした。その目はとても遠くを見つめていた。


「あーらっしゃっせぇぇぇぇぇ!!!」

 入店と同時に強烈に響く挨拶。そこには深々と90度で礼をした店員がいた。赤と黄色で彩られた幾何学模様きかがくもようの制服を着ている店員の胸には”店長マックン・ハバガン”と書かれており、ここの店長だとうかがえる。

「それじゃあ、ここの店長を一つ。お願いできるかな?」

 席に着きに武蔵はスタイリッシュに店長を要求する。

「はい!店長はわたしです・・ってお前はポテットから報告があった最近噂のアメリカ潰しじゃないか?」

 マックンの顔からスマイルが消える営業スマイル恐ろし。


「だったらどうする?サイン欲しいか?」

「要らないです。それより注文をどうぞ」

「ほらお前だけのサインだ」

 無理やり手渡してきた色紙には”本気狩まじかる武蔵 永遠の18歳”と書かれていた。

「これを貰ったということは俺はお前と本気でやりあうってことだからな。覚悟するんだぞっ☆!」

 突然の宣戦布告だった。

「いいだろう、この店で喧嘩を売ったことを後悔させてやるよ」

「ふっ、後悔するのはお前かもなWindowsうぃんどうずかぶれが」

 こうして一つの戦いの火ぶたが切って落とされた。


 次回予告

 マックン・ハバガンの圧倒的な力になすすべくなく叩きのめされる武蔵。そんな武蔵には一発逆転の秘策があった。しかしそれをしたら武蔵の体が持たない!勝って生き残るんだ武蔵!

 次回 武蔵覚醒 お楽しみに!

読んでいただきありがとうございます。著作権とかよく知らないんでネタがわんさか入ってます。そこのところ教えていただけるとありがたいです。

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