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巴の森  作者: セト
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第一章 召喚編 転校生

こんにちは。セトです。この作品を見ていただき本当に感謝します。

主に恋愛や冒険が主立ってはいるのですが、時々バトル物です。温かく見守ってください。

俺は名前は篠原菁しのはらせい

何処にでもいるような高校生だ。学校に遅刻するかしないかのぎりぎりの時間に起き、ダッシュで学校に行く。案の定遅刻して先生に怒られる。みんなが俺を笑って、いそいそと席に着く。友達は割と多い方でいつも馬鹿馬鹿しい話をしてる。

 好きな人は当然いる。いるっていうか、つい最近フラれたばっかだから、いたって表現の方が正しいのかな。まぁ、撃沈ならぬ轟沈って感じで終わったんだけど...

なんか自分で言ってて悲しくなってきた。だって涙が出ちゃう。

取敢えず、何処にでもいるような平凡で何のとりえもない高校生だ。


それは置いといて、今日も学校が終わって近所のコンビニで友達三人とアイスを買って、友達と別れた。

一人でエッtゲフンゲフン。大人な本のコーナーで物色していると、

窓の外に女の子がいるのが見えた。

普通なら気にも留めないんだけど、その子紅い和服を着てこっち見て何か喋ってたんだ。

最初は誰に向けて喋ってんのか分かんなくて無視した。でも、気になって顔を上げたら、いつの間にかその女の子は居なくなっていた。


 次の日、また、同じように遅刻寸前に起きて家を飛び出す。


「近道した方が良いかな」


学校と家をつなぐ道には森があり、そこを通れば学校への近道になる。しかし、その森を通る学生は今まで見たことがない。


「仕方ない...行くしかないか...」

 

少年は覚悟を決め、森へと一歩踏み出した。


森の中は薄暗く、光もあまり入ってこない。菁はこの森へ入ったことに後悔していた。


「こえ―よ...何で目覚まし鳴らなかったんだ?」


頭を掻きながら菁は速足で進んだ。木々の間から何かに見られているような感覚に陥っていた。

すると、横目に鮮やかな紅色が映った気がした。

菁は足を止めて木々の間を除いた。しかし、赤色すらなくただ真っ直ぐに伸びる道路があるだけだった。


「気のせいか」


そう呟き顔を前に向けると、目の前に赤い着物を着た色白の少女が立っていた。


「どぅおぅえぇぇぇぇ!!」


思いっきり叫んで菁は尻餅をついた。ジッと俺の顔を見つめていた女の子は俺に近づいてきた。咄嗟に喰われると思った俺は、両手で顔を隠して身構えた。しかし、女の子は俺を食べようとはせずに、耳元でこうささやいた。


「助けて。」


「え...?」


まるで鈴が鳴ったかのように透き通るような声だった。顔を見上げると誰も居ない。さっきまで目の前にいた少女は消えていた。


「さっきのは一体...」



学校に着くなり先生に怒られた。

いつもの事だったんだが今日だけは言い訳させてくれ。


「い、いや、あのですね。女の子が立ってまして...」


「関係ない!お前は放課後職員室に来い。反省文だ!」


慈悲の無い天罰が菁に下る。


「ちょっ!先生聞いて下さい!本当なんです。赤い和服の女の子が!」


先生も誰も聞いちゃくれない。俺の叫びにクラスの皆の笑い声が聞こえるだけだ。

何とも言えない感情がこみ上げてくるが、それをぐっと抑えて自分の席に着席する。


「おい、赤い服の女の子って何?」


隣の席の文月苅埜ふみつきかるやが話しかけてきた。苅埜はにやにやと笑いながらバカにしたような目で見てくる。


「うるせぇな。ホントに居たんだよ。女の子が!」


俺がキレかけながら苅埜に話をするが、苅埜はふーんと生返事を還すだけだった。


(興味がないなら聞くなよ!!)


「なぁ、菁。今日が何の日か知ってるか?」


唐突に苅埜が話しかけてきた。


「あ?そんなの知らねぇよ。誰かの誕生日か?」


「今日はお前の誕生日だ。だけど、違うんだな」


苅谷は何か含んだような笑みをしているだけで、それ以上何も答えてくれなかった。


「おい!なんか言えよ!気になるだろ?」


「そこ!うるさいぞ!菁。遅刻したならそれなりの態度があるだろう?」


先生に怒鳴られシュンとなる菁。それを横目に苅埜は笑っていた。


「えーと。今日は転校生を紹介する。入ってくれ。」


先生がドアを開け誘導させる。現れたのは綺麗な黒髪をした女の子だった。

教室にいた男子のほぼ全員が見惚れ、女子も男子と同じような反応をする子や、嫉妬するかのように睨めつけている生徒までいた。


菁もその男子の一人だった。


「それにもう一つはこれだよ。」


苅埜が嬉しそうに話しかけていた。だが、心此処に在らずとはこの事で、苅埜が何を言っているのか菁の耳には聞こえていなかった。


「今日からこのクラスに転入する」


先生が黒板に名前を書き、少女を示した。少女は真っ直ぐとこちらを見て言った。


古月龍姫こづきひめです。よろしく。」

龍王の契約者の空白の年代をモチーフにしています。

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