神社にて
彼の気持ちがわからないことにモヤモヤしながらも1日は過ぎていく。
仕事とプライベートを分けることができて、本当によかった。でないと間違いばかりして残業は確定していたはず
見慣れた道を歩いて帰る。
そういえば、帰り道に小さな神社があったはず…
なんの神様だったかわからないけど、寄っていこうかな?
悩んだときに前をみて、十字路をすぎた一つ目の
曲がり角を進み、左にまがる。
そこに神社がある。
誰かが言ってたっけ?
高校時代はよく幽霊が出るなんて言われていたけど、実際見た人なんていないし…
階段を上り、鳥居をくぐる。
街灯の光はあまり届いておらず、薄暗い。
まわりには木が沢山あり、その奥は闇に包まれている。
『なんだか、不気味なんだけど…』
少し風が吹いて木々を揺らす。
『(これ以上進むのは、視界が見えないから止めておこう…怖いし)』
急に怖くなり、来た道を戻ろうとしたときに後ろに誰かの気配がした。
『!…ッ』
「知りたい?」
『え…?』
「知りたいなら、連れていってあげる」
『ッ…なんの話、』
「吉田稔についてしりたければ、目を瞑って」
!彼について、確かに知りたいけど、誰だか知らないし、もしかすると人間以外のものかもしれない
だけど、
「目を瞑って」
誰も教えてくれないならーー
「さぁ」
私は目を閉じた。
胸を何かが通るような、スッとした感覚がした。