たまにはミルクの話でも
今回は料理というより、牛乳と紅茶のうんちく話です
興味のある方、お付き合い下さい
あなたは牛乳好きですか?
牛乳臭さが苦手で飲まないという方も多いかもしれません。でもそれは牛乳の選び方のせいかもしれませんよ。
最近では低脂肪乳も増えてきていますが、それは今回抜きにして、普通の牛乳の話です。
パッケージに何度で何十秒殺菌とか表示されてませんか?これは牛乳は熱で殺菌しないと販売できないのですが、この殺菌温度と時間が問題なのです。
日本で長年主流なのが120度で3秒など、高温・短時間な殺菌方法。これを『高温殺菌』と言います。
一方、ヨーロッパなどで主流なのが、60度で30分など低温・長時間な殺菌方法。これは『低温殺菌』。
温度と時間の間をとった製法もありますが、『高温殺菌』と『低温殺菌』の比較をしてみましょう。
高温殺菌のメリット。短時間で作れるので大量生産で安く作れる。賞味期限が長い。デメリット。高温で処理する過程で牛乳が焦げて牛乳臭がする。高温で殺菌する過程でカルシウムやタンパク質などの栄養が変質して吸収しにくくなる。
低温殺菌のメリット。臭みが少なく甘い。栄養が吸収しやすい。デメリット。高温殺菌よりコスト高で賞味期限が短い。
つまり味を重視するか、安さや扱いやすさを重視するか。
昔は低温殺菌牛乳はなかなか見つからなかったのですが、最近は割とスーパーなどで見かける機会も増えました。タカナシが多いかな?という気がします。
だから昔の学校牛乳のイメージで、牛乳嫌いという人は低温殺菌牛乳にトライしてみてください。
本当はノンホモジナイズという加工製法の牛乳の方がさらに美味しいのですが、これはさすがになかなか売っているところが少ないです。ネットでお取り寄せとかすればあるかな?
高くて早めに飲み切らなければいけないのは、お財布に厳しいですけどね。
さてミルクの話のついでにミルクティーの話を。
お店でミルクティーを頼むと、紅茶とポーションミルク(コーヒーミルク)が良く出てきますよね。でもあれは珈琲用に開発された物で、紅茶にはまったく合いません。
紅茶には普通の牛乳、できれば低温殺菌が一番。
紅茶はストレートで淹れる分の2倍の茶葉を使用して、濃く抽出した紅茶にたっぷりミルクを入れましょう。
紅茶の種類、濃さ、好みにも寄りますが、紅茶とミルクを6:4とか7:3とか、思い切って牛乳たっぷりにしてください。
飲んでみて「水っぽい」と思えば牛乳を足し、「牛乳臭い」と感じたら紅茶を足す。紅茶とミルクのバランスがぴたりと取れた時、ストレートティーとはまったく別物の飲み物になります。
ただしミルクティーにはかなりしっかりとした味が必要なので、紅茶自体に力のある茶葉でないとミルクに負けてしまいます。
ティーパックではまず無理。茶葉でも有名な物だと、ダージリンは繊細なので不向き、アッサムなどは向いていると思います。(あくまで一般的な話です。ダージリンでもミルクがいけるものもあれば、アッサムでミルク向きでない物もあります)
日常的に飲むコストパフォーマンスでいうなら、ケニアなんかもミルクティー向きなのですが、無名なせいかブレンドティーやティーパックなどで使用されてしまって、なかなかケニア単体で売ってませんね。
ケニアで紅茶?と思った方。実は今ケニアはインドの次で、世界第2位の紅茶生産国なのですよ。
昔はミルクティー嫌いだったのですが、本当に美味しいミルクティーに出会って好きになりました。
特にショートブレッドやスコーンなど、イギリス菓子との相性抜群です。