味の決め手は調味料
食のエッセイなど書いておいて申し訳ないのですが、私は別に料理上手なわけではありません。
材料を細かく刻む事も、同じ大きさで切るのも苦手だし、フライパンを振れないから炒め物も苦手だ。生焼きが怖くてついつい火を入れすぎてしまったりする。
しかしそんな私の料理でもそこそこ美味しいと言ってもらえるのは、ひとえに味付け、特に調味料の差が大きい。
毎日の食材はスーパーの特売を狙ったり、節約を心がけているが、調味料にはいい物を奮発します。油も醤油も、本当に国産の材料を使った物を選ぶようにしている。
醤油などはよく、国産大豆使用などと書いてある物がスーパーに並んでいるが、値段が安すぎて疑わしい。
大豆の絞りかすで作って、色をつけているようなまがい物も多いので、注意が必要です。
そしてオイスターソース。私の実家ではとある生協を愛用していて、母はそこのオイスターソースしか使いません。牡蠣をそのまますりつぶしたかのように、灰色をしています。
一人暮らしをして、初めてスーパーでオイスターソースを買った時、カラメルソースのように茶色くてびっくりした物です。
味も全然違う。今でも母にお願いして取り寄せてもらっている。
さて調味料選びも重要ですが、調味料の使い所というのも重要です。常識を一度忘れてぜひチャレンジしてみていただきたい。
例えば普通のラー油。餃子ぐらいにしか使わないという人も多いでしょう。でも例えば、きんぴらゴボウのしあげに一たらししてみましょう。
ラー油はごま油+唐辛子なのだから、鷹の爪いらずで手軽にきんぴらが作れる。
同様にピリ辛な炒め物を使いたい時ちょっと使ってみるのがお薦めです。
中華スープの仕上げに一たらしもいい。中華出汁の素+お酢+ラー油でなんちゃって酸辣湯を作ったりもする。キクラゲを入れたり、溶き卵を加えればぐっと本物らしくなるでしょう。
ラー油ひとつとってもそうなのだから、他の調味料も使い方次第です。
中濃ソースやケチャップやマヨネーズは単品で使うだけでなく、隠し味にして他の調味料と混ぜてみても面白い。
いつもの鶏肉と野菜の炒め物でも、ケチャップで甘みを、味噌でコクと出汁を、ラー油で辛みをなど合わせる事で、甘辛しょっぱい味付けの無国籍な炒め物に仕上がる。
何と何の組み合わせが当たるか。最初のうちは失敗だってあるかもしれません。それでも自分好みの味を求めて、調味料の化学反応を探し求めるのも楽しいと思います。
調味料はわりと長持ちがするので、いつでも常備して思いつきで色々チャレンジできるフットワークの軽さが魅力ですね。
そんなわけで我が家にはいろんな調味料があります。ニンニクや生姜も。生の固まりと、チューブのおろした物、両方用意していて、料理に応じて使い分けてみたりしています。
パスタソースのバジルの瓶とかもなかなか便利ですよ。
こんな調味料頼みの料理が実はズボラな私にぴったり。
例えば私は相方に弁当を作っているが、毎回卵焼きを入れている。でも飽きないように毎日味を変えてます。
白だしをいれてスタンダードな出汁巻き。ミックスチーズを入れてバターで焼くチーズオムレツ風。バジルソースを入れてオリーブオイルで焼く色も緑なバジル卵焼き。中華だしとごまをいれてごま油で焼く中華風。
中にほうれん草を入れて巻いたり、明太子や鰻を巻く豪華版もたまに作りますが、基本は溶き卵に何を入れるか、油はどれを使うかで結構変わります。
卵焼きだけでなく、ほうれん草のおひたしも。生をゆでて切って冷凍しておくか、冷凍ほうれん草を買ってきて冷凍庫に入れておく。
使う分だけ解凍して、白だしでおひたし、塩とごま油でナムル風、ケチャップと粉チーズでピザ風と色々変えてみたりしています。
しょっぱすぎたり、できたては美味しくても冷めるといまいちだったり、色々ありますが、何せ毎日作るお弁当。挑戦の機会はいくらでもあります。
「今日の弁当の卵焼きが美味しかった」
なんて言われた日には、心の中でガッツポーズです。