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ズボラ食道  作者: 斉凛
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大惨事紅茶大戦〜前編〜

長くなったので、前後編でお届けします。

紅茶蘊蓄大量と、私と相方のどうしようもない紅茶バトル。

正直……紅茶に詳しくない方が読んで面白いのかわかりません。

 ※今回は紅茶蘊蓄成分高めとなっております。ご注意ください。


 お知り合いが紅茶好きらしい……と聞いて、手土産に紅茶をあげよう……と、思われる方も多いかと思います。でもそれはもしかしたら地雷かも。

 紅茶が凄く好きな人程こだわりが強い分、自分の好みに合わないお茶を飲めないんです。

 私と相方はフレーバーティーが苦手なのですが、稀に袋を空けた瞬間、茶葉から香水のような強烈なフレーバーが漂うお茶を頂く事があって、即座に相方と。


「これトイレの芳香剤だね」


 と言いあって、小皿に茶葉を置いてトイレで香りを楽しんで終わります。大変申し訳ありませんが、強烈なフレーバーティーは飲むの無理です。以前冷たい方が香りが控えめになるので、水だしにチャレンジしてみましたが、一口飲んで吐き出しそうになって、二人で諦めて捨てました。


 フレーバーティーが好きな方もいて、需要があるからたくさん売られてる訳で、フレーバーティーをいただいて喜ぶ方もいるかもしれません。そこは好みの問題。

 紅茶好きな方に紅茶を差し上げる時は、せめてフレーバーティーが好きかどうか調べて、紅茶を選ぶ事をお勧めします。紅茶に限らずこだわりがある程好きな方に、よく知らない方は好きな品をあげないのが一番無難ですけどね。

 ちなみに……有名なアールグレイもフレーバーティーですのでご注意ください。



 言い忘れていた気もしますが、私もかなりの茶馬鹿な自覚がありますが、相方も茶馬鹿です。出会いのきっかけも紅茶だったので。

 こんな風に言うと、


「まあ……素敵」


 と言われますが、現実素敵じゃないことも……。

 二人とも一人暮らし時代から茶器を持ってたので、一緒に住むようになって凄い茶器の山が。互いに紅茶用のティーポットだけで、3個づつ持ってたので、一気に6個に増えました。客は二人が限界のウサギ小屋の我が家で、ポットが6個も必要になる事態は永遠に訪れないでしょう。

 紅茶用のポットだけで、6個なので、日本茶用、中国茶用も含めると、茶器だけで食器棚の多くを占領される。互いに思い入れがある分絶対処分しない、譲らない。


私「ティーポットは陶磁器の方が保温性があるし、おしゃれでしょ。ガラスはまだしも、取っ手や蓋がプラスチックなのは安っぽい」

相方「ガラスの方が軽いし、蓋の所が茶こしになってて、別で茶こし不要だから使いかっていいんだよ。保温はカバーかければ良いし。陶磁器製は重いだろう。実用的じゃない」


 とまあ……互いに主義主張があるので、自分がお茶を淹れるときは、自分のティーポットを使う……という不文律がいつの間にかできあがってました。


 中国茶用のポットやカップは、おもちゃみたいに小さくて可愛いからまだ許す……だがしかし、一度も使った事無いガラスのサモワール(デカい)とか、一度しか使ってるの見た事無い中国茶用の茶盆:(デカい)とか、キッチンの戸棚にいれるな。邪魔なんだよ。自分の部屋の押し入れにいれなさい!


※解説

「サモワール」

 ロシアやイランなどで使用される茶道具。下の段で火をおこし、真ん中の段で湯を沸かし、上の段に濃い紅茶が入ったティーポットを乗せる。

 飲む時は紅茶をお湯で割って飲む。お茶が冷めやすい、寒い国で温かい紅茶を飲む為の工夫。よって冷暖房完備の日本で使う必要なし。というか……なんでこんな物もってるんだ!


「中国茶用の茶盆」

 中国茶の中には、最初の一回目にお湯を入れたら、茶葉を洗うだけ…という事でお湯を捨てる事もある。さらにお茶を淹れる時、できるだけ熱くお茶を淹れるため、ポットの上からお湯をかける事もある。

 この為茶器の下に置く盆は、不要なお湯を受け止める為の深さのある専用のお盆を使用したりする。なお……我が家ではほとんど中国茶を飲まないので出番がない。


 私も相方も中国茶好きですけど、紅茶だけでも大量にあるし、貰い物の日本茶もあるし、とても飲みきれないから、紅茶より高級な中国茶をわざわざ買う気になれないんですよね。


 なんで使いもしない道具が、こんなにありあまってるかな……相方……と、呆れるくらいです。私も下手に価値を知ってる分、珍しくてちょっと高そう……と、捨てるのに躊躇いが生じる、私も茶馬鹿。

 こうして同居が決まった時から長く果てのない、大惨事紅茶大戦の幕は上がっていたのです。


 相方と私は、フレーバーティーが嫌いというのは一致してますし、紅茶の味の善し悪しの基準が一致してるので、その点は幸せかもしれません。

 互いに紅茶を淹れられるので、その日の気分で勝手にどちらかがお茶を淹れますし(なお7割以上相方)お茶と一緒にお菓子はもちろん。お酒のお供にも。


「酒のチェイサーに紅茶っていいよね」


 と、酒を飲みながら夏はアイスティーを、冬はホットティーを飲んでます。ワインなんておしゃれな物ばかりではなく、普通に芋焼酎や日本酒の合間に紅茶飲みますよ。(にこり)


 お茶というのは、人によって濃さの好みがありますので、茶葉の蒸らし時間やg数などは、買ったお茶に合わせて調整します。新しい茶葉を買ってきて1回目はもはやティスティング。


「ちょっとまだお茶の味が出きってない感じ。次は2分蒸らし時間増やそうか」

「ちょっと渋みが強過ぎかな。次は1g減らしてみたら」


 などと素人のティータイムなのに、ガチ紅茶トーク。

 私が500mlのポットに紅茶葉を7g入れる……というと、


相方「ありえん。濃すぎるだろう、それは!」

私「私は濃いの好きだし、1杯目はストレート、2杯目濃くなったらミルクティー派だから濃くていいの」


 相方はストレート派で、あまりミルクティーは飲まないので、私の淹れるお茶の濃さにいちゃもんつけてきます。互いに理解しつつ文句言ってるのでタチが悪いです。



 食の好みというのは色々で、毎日わかめと豆腐のみそ汁がいいって人もいれば、毎日違うみそ汁が飲みたいって人もいて、相方は前者で、私は後者なんです。

 そこでまた紅茶で揉める。


相方「ダージリンやルフナを、たまに飲むなら美味しい事は認める。だがしかし頻繁に飲むと飽きるんだよ。俺は毎日飲んでも飽きないディンブラの方が好きなんだ!」

私「毎日飲んでも飽きずに美味しいのがディンブラなのは認める。だがしかし時にはダージリンやルフナを楽しむ為に買ったっていいじゃない」


相方「ダージリンは高い。ダージリン1袋買う金で、ディンブラ4袋くらい買える。コスパが悪い」

私「私のお金で買ってるんだしいいじゃない。そっちもそっちで自由に、お好きに、ディンブラ買ってよね」


相方「互いに好きなだけ紅茶買いあさったら、飲みきれない程、家に茶葉が溢れるのは目に見えてるから、こっちは買うの我慢してるんだよ」

私「我慢しろなんて頼んでない」


相方「そもそもなんでルフナが4袋も家にあるんだよ。うちはルフナ屋じゃない!(ちゃぶ台返し)」

私「2種類ルフナ買ったら、おまけで店のご主人が2袋ルフナつけてくれたんじゃない。ていうか、その場にアンタいたでしょ、ていうか店のご主人とアンタが仲良過ぎだからこそのサービスなんだから、アンタにも責任の半分はあるだろ(ちゃぶ台返し)」


 とまあ……マニアックすぎる紅茶舌戦は、終わる事の無い不毛な泥仕合となります。

 



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