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ズボラ食道  作者: 斉凛
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相方の料理レベルはいくつ?

今回は相方の話が中心です


 私と相方の場合、他の家事はともかく、料理だけは私の独壇場だ。相方はほとんど作らない。代わりに洗い物をしてくれる。

 相方が言うには、作るのがめんどくさいのに、頑張って作っても、美味しい料理が作れないから料理したくないらしい。


 しかし頭をひねる事がある。二人暮らしを始める前、一人暮らしの相方の部屋に、引越しの手伝いに行った時、いろんなものが発掘された。

 料理本が数冊。鍋・調理道具類一式、せいろまであった。この人は料理をする人なのかと期待したが、どうも違うらしい。

 節約のため自炊をしようと、形から入って、色々揃えたものの、結局使ってなかったそうだ。その証拠に、せいろは下のお湯をはる鍋にほどよいサイズの鍋がなくて使えないし、田舎から送られてきた米が数10kg単位で残ってた。


 せめて米ぐらい炊けばいいのにと思ってしまう。



 私達がよく愛用する紅茶専門店のマスターが、こんな迷言を言っていた。


「男の料理にみりんなんか使わない。だから男の一人暮らしの家にみりんがあったら女がいる証拠だ」


 相方の家にははたしてみりんはあった。しかし未開封。これも形から入って買った物の、使ってない遺産の一つだろうか。女の影があるようで無いところがまたせつない。



 米すら炊かない相方なのに、なぜか「ほうれん草の白和え」だけは作れてしまう。私はめんどくさくて作った事ないのに。

 だってほうれん草ゆでて切るでしょう、ごまをすり鉢で潰して、豆腐をしっかり水気切って、調味料と一緒に混ぜてほうれん草にあえる。

 この豆腐の水気を切るとか、ごまをすり鉢でするとか細かいところを手を抜かずにきっちりやらないと、美味くできない。

 ズボラな私はこの下準備きっちりを面倒だと思ってしまう。

 相方は逆に下準備をきっちりやれば、失敗無く作れるから簡単だと言う。


 そして相方の作った白和えはなかなか美味かった。なのに本人は料理ができないといい張る。本当に調理レベルがいくつか知りたい。



 昔どこかで聞いた事がある。


「男性はプロの料理人に向いているが、女性は家庭料理に向いていると」


 それは男性は、分量も調理法もきっちり守っていつも同じの方が安心で、いつも同じ味になるから、お客さんも安心して同じ味を求めて通う。

 女性は気分次第で適当にアレンジして料理するから、いつもの料理でも毎回味が違う。家庭料理は毎日食べるものだから、変化があったほうが飽きないという事らしい。


 私はこう思う。男女差ではなく、個人差としてきっちり計画立ててやりたい人と、適当で帳尻あわせをするのが好きな人がいるのだと思う。

 相方は前者で私は後者だ。だから相方の白和えは、計画通りで美味しい。



 相方も仕込めばある程度、料理が出来るようになるのではないかと思うが、私は調理場を譲る気にはなれない。調理をすると言う事は、毎日の献立決定権があるという事だ。

 私は私が食べたいものを毎日食べたい。だから作るのだ。つまりどちらが食い意地が張っているかの問題である。


 世の主婦は毎日献立を考えるのが大変。面倒だというだろう。私も昼食中に早くも夕食や翌日の料理をどうするか、いつも頭を悩ませているので、確かに面倒だと思う。

 一人暮らしの時は凝った料理など作らなかった。買ってくるか、外で食べれば良かったからだ。一人ならその時の刹那的な気分で食事が選べた。


 しかし今私は2人分の食を担っている。次の食事をどうするか悩んだ時、そのご飯を食べて相方がどういう感想を言うか想像してみる。するとやる気が湧いてくる。

 結局料理は一緒に食べる人次第だなといつもの結論になるのだった。

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