具が大きい
前回雑煮談義で盛り上がったので、味噌汁談義で盛り上がったら嬉しいです。
三度めの味噌汁の話をしようと思う。
最初が出汁、次が味噌なら、これが最後で具だ。具から味が出るし、見た目も変わるし、味噌汁の出来を大きく左右する存在と言えるだろう。
なんでこんなに味噌汁の話になるかと言えば、相方が汁物好きで、毎食欠かせなくなり日常的に作るからだ。そして沢山作れば作るほど、話題が尽きない。
とあるマンガのあるシーンで、大学のレポートとして、家に帰って味噌汁の作り方を調べてきて発表する。そこから各家庭の違い、そしてなぜそうなったか地理学の観点で見直すというのがあった。
実際にありそうで面白い授業だなと思った。出汁や味噌の違いなんて、制作者に聞かなかったら、学生ぐらいじゃわからないだろうし。
そういう点では具はわかりやすいと思う。ワカメや豆腐などはどこの家庭でも作りそうだが、日常的にバリエーションを増やすとなると、各家庭ごとにバリエーションが変わってくるのではないだろうか?
ちなみに私の実家では、きのこ、茗荷、かぶ、だいこん、もやし、その他バリエーション豊富だった。
私は茗荷とかぶの味噌汁が好きだったので、夏には茗荷を冬にはかぶをねだった物だ。茗荷の爽やかな香り、蕪の強烈な甘みが私は好きだ。
実家では2種入りが多かったので、色々組み合わせもある。最近私が発見して気に入ってるのが、ゴボウと蕪だ。ともに冬が旬の食材であり、ゴボウの泥臭い香りと蕪の強烈な甘みが組み合わさって、暖かみのある味わいだ。
他にも組み合わせ次第では無限の可能性がありそうだ。
実家の味噌汁を思い出すと、実家にはジャガイモやタマネギの味噌汁が存在しなかった。だからこの世にそんな洋風な味噌汁があることを知ったのは、高校生になってからだった。
高校時代のエピソードを語りましょう。私の高校には中年男性の家庭科の先生がいました。今はわかりませんが、その当時男性の家庭科の先生は珍しかった。
元々は理系の教員だったのが、家庭科教諭の男性解禁(それまでは女性しか家庭科教諭になれなかったらしい)にともない、男女平等の信念から自分も男性家庭科教諭になろうと決心して、通信制で学びなおして資格をとったらしい。
その当時は女子大にしか学部がなく、年に数回あるスクーリングで、女子大に通うのが、中年男性なので恥ずかしかったそうです。
いくつになっても学び、チャレンジ精神を忘れない、そして自分の信念を形する姿勢はすごいな……と今でも尊敬してます。
横道にそれましたが、その先生がある日突然言い出しました。
「来週から調理実習の予定だったけど、予定を変更して今日作るからよ。材料は用意してあるし、エプロンとかは今日はなくてもいいぞ。だから調理実習室に移動してな」
語尾があがる口調は、江戸っ子訛りの面白い先生でした。そしてその日の料理実習のメニューが味噌汁だったのです。
「材料は色々用意してあるけど、好きなの選んで良いぞ。ちなみに俺はジャガイモとタマネギの味噌汁が好きだけどよ」
そうその時私は、ジャガイモとタマネギの味噌汁の存在を知ったのです。タマネギを入れた時の甘み、ジャガイモの泥臭さとボリューム感、いいな……とは思ったものの、未だになじめません。
やっぱり慣れ親しんだ味というものでしょうか。
私は普段一番良く作るのはキノコの味噌汁です。安いし、手軽だし、出汁が出るし。
でも相方の実家ではあまりキノコの味噌汁が出てこなかったらしいです。初めは戸惑ったらしいですが、今では慣れたみたいです。
そう言えばお弁当用にカット冷凍ほうれん草を生協で買っているが、そこに味噌汁の具にしてもいいと書いてあった。
ほうれん草の味噌汁というのも私に馴染みがなかったのだけれど、作ってみたら甘みがあって美味しかった。世間一般では、ほうれん草の味噌汁というのは当たり前なのだろうか?
だからこれを読んだ読者の皆さんに聞いてみたい。あなたのよく飲む味噌汁の具はなんですか?




