味噌の思い出
先日友人から三十路の誕生日の祝いが郵送で届きました。1年3ヶ月遅れで。
そこまで遅れたなら31才の誕生日祝いでいいじゃんとか思いますが、それは三十路の祝いでなくてはいけないのです。
なにせ三十路に引っかけて、プレゼントは味噌だったから。
手作り味噌と、売っている味噌と2つ入っていました。
その友人は何事にも几帳面で真面目で、時間がかかる事は昔から慣れっこだったのです。色々大変な事情も知ってたので、1年遅れのプレゼントには驚きませんでした。
しかし送ろうとして送れずにいたあいだ、友人が書きためた手紙が6通(6枚ではありません)と味噌の豆知識の本のコピーが一緒に入ってたのは驚きました。まるで隠し手紙のようにいろんな所に潜んでいて楽しかったです。
友人の家では自家製味噌が伝統で、今まで一度も味噌を買った事がなかったので、味噌選びに悩んだと書いてありました。
確かに私もいまだに味噌選びに迷う。そもそも味噌って何が違うの? と思うし、でも食べて見ると当たり外れが大きかったり。人の好みによって大分左右されそうだし。
友人のコピーを見ながらここで代表的な四種類を紹介します。
米味噌
米味噌の中でも信州味噌がポピュラー。淡色辛口味噌。香り味わい共にクセがなく、どんな料理にも合わせやすい。
麦味噌
別名「田舎味噌」とも呼ばれる。麦特有の香りとうまみ、舌触りが特徴。
白味噌
「西京味噌」に代表される白色甘味噌。上品でまろやかな味わい。
八丁味噌
大豆に直接麹をうえ付ける独特の製法。濃厚なうまみと渋み、若干の苦みが持ち味。
私の感覚だと、米味噌と麦味噌はそこまで大きな差はないかなと思います。(むしろ味噌メーカー事の個体差の方が大きいので、これは好みに合う味を食べて探すしかない)
米味噌、麦味噌はスタンダードで使いやすいので、どちらかは常備しておいて、用途にあわせて、白味噌を使ったり、合わせ味噌したりするのがいいのかな? と思います。
八丁味噌はまだお目にかかった事がないので謎。
この連載の初めに味噌汁の話を書きましたが、頻繁に味噌汁を作るので味噌の消費量は多い方だと思う。中に入れる具によって合わせ味噌の配合を変えていますが、毎日作っていると味噌の違いに気がつく。
白味噌と言っても、西京味噌と呼ばれる京都産の味噌は、甘さとうま味が強く塩分は控えめな感じ。それに比べると広島の白味噌は塩気が強い気がする。まだ白味噌は3〜4種類しか試していないので、たまたま私が買った味噌がそういう傾向だったという可能性はある。
私は関東に住んでいるため、スーパーで白味噌は1種類ぐらいしか置いて無くて、買い比べるのが難しいのだ。
その点米味噌、麦味噌は種類が豊富でどれを買ったらいいか迷う。関東で定番なのが信州味噌。日本で生産・消費されている味噌の約4割が信州味噌らしい。信州味噌は米味噌だ。
塩分の濃い物、マイルドな物、食べ比べて初めてわかるぐらい微妙な差だが、確かに米味噌らしくいろんな料理に合わせやすいスタンダードさ。
味噌汁以外にも、野菜炒めなど料理に入れたり、味噌にぎりに使ったりします。
味噌にぎりというと私は母を思い出す。母は子供の頃、具の入ってない白いにぎりめしに味噌を塗って作った、味噌にぎりが大好きだったそうです。
味噌の話になると口癖のように「子供の頃によく食べたわ……」と語り出す。祖母の作ってくれた思い出の味なのだろう。
私は今相方の朝食におにぎりを一つ作っている。早めに会社に行って、会社で食べるのにおにぎり一つぐらいがちょうどいいそうだ。
毎日おにぎりの味は変えるように努力はしているが、具に困った時は味噌にぎりをよく作る。母に習った味噌にぎりを相方のために作る。もしこの先私が子供を持ったなら、きっとその子にも味噌にぎりを作るだろう。
そうして思い出の味は受け継がれていくのである。




