ドアの先には
カーテン越しから見える陽射しに私は目が覚めた。窓から鳥のさえずり声も聞こえる。
はぁ。と思わずため息が漏れた。
「恵。さっさと起きなさい!今日は球技大会でしょ」
うぅ〜。思い出したくなかったのに。そう、今日は球技大会なのだ。しかも種目はサッカー!
私こと野々原恵は大の運動音痴であり、運動嫌いだ。
なのでこの球技大会は私にとって地獄といっていい。
「めーぐーみ!起きてるの?」
徐々に母親の声に怒りが含まれてるのを感じて、私は急いで制服に着替えた。
「はいはーい。今行くよ」
母親のお叱りを受けないようにと 急いでドアを開けた瞬間。
ブワッと花びらが勢いよく自分にかかるのを感じた。それと同時に目を見開く。
「へっ?」
なんせそこは家の廊下じゃなく 辺り一面がお話畑へとなっていたから。
そそーっと静かにドアを閉めた。気持ちを落ち着かせて振り返る。
「よし、私の部屋だ!」
そして息を呑み、もう一度ドアを開けた。
ブワッと花びらが舞う。
「やっぱり変わらない…」
なにがなんだかわからなかったが、ものの好奇心が勝って私は足を進めることにした。
なんとも不思議な光景だった。
辺り一面に咲く花は、スミレや向日葵にバラ、なぜかスノードロップと季節関係なく咲いて美しい色合いを見せている。
空を眺めると快晴のなか、月以外の惑星がなぜか見えていた。