唐辛子チャレンジ!果たして唐辛子は軽くて儲かる作物なのか?
少し前に地域おこしに唐辛子が力を発揮している例をご紹介した。そして件の日帰りの小旅行から帰ってきて、暇庭はふと思ったのである。
「トウガラシも軽量作物だよなあ……」
作物も、その収穫するものの重さと、商品として売るときの重量から、それが重いか軽いか思いかを考えて、大きく重量物と軽量物に分かれる。この分類は厳密な決まりがあるわけではない。あくまで、収穫したり袋詰めした人が決める、曖昧な分類である。
例をいくつか出そう。例えば青シソ。大葉と呼ぶほうがなじみがいいかもしれない。トマト1個と青シソ10枚ひと束は、地域にもよると思うがおおよそ同じ値段である。そして、トマトが1個、150gまたはそれ以上の重量があるのに対して、大葉は10枚ひと束にしても約10〜15g。とにかく大葉というのは扱う形での重さが軽量で、かつ重量辺りの売り上げが大きいことはご理解いただけると思う。
他にも、ニンニク、ちょっとマイナーだが食用菊など。これらは重量が軽い割にはよい値段がつくため、作る側から軽量作物として喜ばれる。
逆に重量作物とは、なじみ深いキャベツや、大根、長芋などである。キャベツは1個1.2kg前後であることが多く、大根もほぼ1本1kg。重要な野菜で売れ数もケタ違いに多いのだが、重さに対しての値段は残念なことに悲しいほど安いのだ。重いということはすなわち収穫作業がつらいということで、キャベツ農家さんも大根農家さんも収穫作業で腰やら膝を壊していくハメになる。
そんなこんなで、百姓は叶うことなら、身体の負担が小さい軽量作物を一つ、たとえメインでなくてもサブで欲しいなあと思うものなのだ。
私暇庭も例に漏れず、自慢なのだが街の農家の中で一番豊作で粒の揃いのいい里芋を去年たくさん売り、銀杏もドンピシャのタイミングで売れたのでよかったのだが、でも、これ持って運ぶの重たいなぁと思ってしまったので、今年は軽量作物をいくつか試そうとと心に決めていたのだ。
今年の軽量作物の先鋒は紛れもなく絹さやである。私個人の好きついでに大量に作って売ろうという魂胆だ。そして、次鋒に据えたのが、お待たせしました、今回のメインテーマである唐辛子である。
唐辛子も軽量作物であることは大体の人が理解してくれると思う。唐辛子を1kg買うお客様はまずほとんどいない。大抵、30gくらいでひとパックにしたものが生の唐辛子として流通しているはずだ。
そのくらいの量で収穫し袋詰めするならば、身体も大変楽だ。畑に行ってハサミでチョキチョキと楽々収穫し、詰めるのも全然苦ではない。あとは1シーズン中にどのくらい金額がとれるか……それはわからない。だから今年は、そこを検証するための、試験的な栽培となる。さあどうなるか。今から結構楽しみでもある。
選んだ品種は、色々迷ったのだがスタンダードな鷹の爪にした。あまり珍しい品種を作ると案外難しくて失敗したりする。何より鷹の爪唐辛子ならお客様のほとんどがどうやって使えばいいか知っている。だからなおさら、ベタな選択をすべきだと思った。
思い立ったのはいいが鷹の爪はなるべく夏に間に合うよう育てたい。唐辛子の需要が高まる時に収穫したいからだ。しかし、まだ私の住んでいる地域では、ゴールデンウィークまでにもう1発遅霜に襲われる可能性があり、苗を買うにはちとリスクが高かった。
そこで、あえて私は種を買うことにした。我ながら無茶なバクチをしている。だが、自分で種から育てるならば、あと2週間ていど、霜注意報が出たら建物内に避難させることが可能になる。トータルでは苗よりも良いと思った。種だから何株も育てられるかもしれないし。いやそれは取らぬ狸の皮算用と言うやつかもしれない。うまくいくかどうかも分からないから。
祖父の代から伝わる、旧字体まみれの家庭菜園の手引書には、鷹の爪に関して、『櫻が散り終わったら播種。鶏フンを元肥えに有機質に富む土を造る、芽が出て以降は20日毎に少しづつ追肥する』と、書いてある。ちと早いが、寒かったら屋内へ退避すればいいと考えて今日種まきをしてしまった。
唐辛子そのものは私が中学生の時に祖父が気まぐれで作ったもののほかは暇庭家では作ったことがない。どういう環境が好きなのかも私はよく知らない。よく知らないものをつくるのは不安で、けれど確かにワクワクするものだ。さあ、唐辛子はうまく育つだろうか。新しい試みはまだ、始まったばかりである。
前に書いた唐辛子と地域おこしにまつわるエッセイを、暇庭の家でも規模をダウンサイズして実験してみようと思ったのだ。もしも獣避けの効果を見込めるのならば、そんなに素晴らしい作物はない。うまくいったらその都度小さく作品にして投稿したい。




