プロローグ〜追憶〜
世界観。異世界ファンタジー。英雄の過去を元に話が進んで行きます。王道ファンタジーの様々な種族はもちろん。人間味溢れる作品です。デビュー作になりますので、至らぬ点はあるかと思いますが、読んでくださると嬉しい限りです。
ユーカレア帝国から少し離れたところ。彼岸花に囲まれた墓石の前に女性が立っていた。
「ねぇ、アストラル。彼岸花の花言葉知ってるかしら?また会う日を楽しみによ。もう...二度と会えないのにね...」
遠くから「母上〜!」と声が聞こえた振り返った。女性の一人娘だった。
「どこ行ってたの〜」
「父上のお墓探してたのねぇ!」
「お父さんのお墓ならここだよ。」
「そうだった!」と言わんばかりの表情だった。手を繋ぎ帰路に向かう際、女性は振り返り「アストラル。また来るわ」と呟いた。
「母上!またあの物語の話、ツキミ聞きたいのねぇ〜」
「はいはい。王都に戻ったらね。」
ツキミは嬉しそうに走り出し、母親に早くと手を振った。
「ツキミお嬢様。ヒナツキ女王を困らせては行けませんぞ。」
「ふにゃぁ、バカカン!」
やれやれといった顔で「バルカンです。」と言い直した。ツキミを抱き上げたのはヒナツキの側近であり、執事のバルカン。美しい黒髪のウルフヘアにしっかりと着こなされたタキシード。左目には少し切り傷、黒耳の獣耳。温厚で聡明な獣人である。
「参りましょうか。ヒナツキ女王。」
「えぇ。」
「あれから、もう六年ですね。」
馬車を運転をしながらヒナツキに話した。「そうね。」と車窓から森を眺めていた。
「この森達があるのも、アスちゃん...。アストラルとレヴィちゃんが世界を救ってくれたおかげよ。」
「ですが、ツキミお嬢様は父親の顔を知りません。」
二人の会話をよそにツキミはヒナツキの膝の上で寝ていた。ヒナツキの裾を掴んで寝ていた。
「そうね...。ツキミの父親はアストラルですからね。黒晶によって命を失ったのですから。」
その一言にバルカンは何も言えなかった。
「レヴィ様も命を落としましたからね。僕はsheephillのメンバーと実際会ったことはございませんので、どんな人達だったのか気になります。」
「いつか、わかる時がくるわ。」
その後、王都に着くまでは会話はなかった……。
――六年前、世界は二人の英雄によって救われたのです。私は、彼らが救った世界を女王として守り抜く責務がある。あの時は考えもしなかったのにね。あなたのせいよ。アストラル。私の愛した英雄であり、ツキミの父親...。――
王都・ユーカレア帝国、洋風の街並みに様々な種族が住んでいる。様々な国の中でも最も発展している国である。そこに堂々と白を基調としたユーカレア城がそびえ立つ。その国王室にて...ヒナツキは愛娘であるツキミとベッドで『英雄譚・sheephill』という本をツキミに読み聞かせしようとしていた。
「母上ぇ!早く早くぅ!」
「はいはい。ほら、ここにおいで。」
トントンと隣においでと言われたツキミはヒナツキの隣に行き、目をキラキラさせながら呼んでくれるのを待っていた。
「これは...七英雄の二人が世界を救ったお話……」
――これは、七英雄の二人が世界を救ったお話、少し長いですが、聞いてくださりますと嬉しいですわ。――
sheephill〜新章・EDENS・WARRIORS〜
開幕 〜追憶編・追憶1 2月26日更新。




