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飛び込んだ先は、白い世界ではない。
プレハブ小屋の中でもない。
私は、祥万を迎えにプレハブ小屋の前には何度も来たことがあった。
だけど、中に入ったことは一度もない。
それでも、私が見た光景はまるで違っていた。
(熱い)
熱気があって、汗が私の顔から一気に噴き出ていた。
とにかく蒸し暑く、焼けた何かの匂いもしていた。
「なにここ、これが最後のダンジョン?本当にここに祥万がいるの?」
周囲はレンガの壁と床。
松明が暗いレンガの建物を、照らしていた。
熱気のもとは、少し進むと私の足元に出てきた。
「溶岩だ」
レンガの地面が途切れ、突然溶岩の地面に変わっていた。
普通ならば、とても歩いてはいけない。熱気をはっきりと感じられた。
でも、どういう原理かわからないけど動く床が私の目の前に見えていた。
(もしかして、これを飛び越えて奥に行くの?)
溶岩に落ちたら、命はない。
対岸には、レンガの床が続いていた。
溶岩がグツグツと煮えたぎっていて、熱気がすごい。
「でも、奥には祥万がいる」
ここまで来た私は、もう足の震えはない。
高さよりも怖く、熱さもある溶岩の地面。
規則的の動く床と、奥の通路。
私はレンガの床の淵に立って、床の動きをじっと見ていた。
(大丈夫、ここまで来たのだから)
そのまま、私はタイミングを見計らってジャンプ。
私は、動く床に飛び乗った。
動く床は、規則的に反対側に動いていく。
そして、一定区間に戻るタイミングで再びジャンプ。
そのまま、私は反対側の通路にたどり着いた。
だけど、私はほっとしている暇はなかった。
レンガの通路の奥には、足場の悪い場所と動く床がいくつも見えていた。
「面白いじゃない。祥万。
私を完全に殺しにかかるダンジョンを、ちゃんと作ってきて」
ここまでくると私は、どこか心が躍っていた。
ジャンプを駆使しながら、さらに奥へと向かってどんどん進む。
動く床に、謎のリフト。
原理はわからないけど、下は溶岩。
落ちれば即死の罠を、潜り抜けてジャンプで進んでいく。
全身に大量の汗をかきながら、さらに進んでいく。
そんな私の目の前に、つり橋が見えた。
そして、その奥には一人の人間の姿が見えた。
私は遠くからでも、つり橋にいる人間をはっきりと理解した。
「祥万、ようやく来たわよ」
私はゆっくりとつり橋を、渡りながら目の前の人間に近づいていった。




