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小さな私の物語  作者: 葉月 優奈
四話:小さな女子高生の結末
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宝箱を開けて、2分後私の居場所は野球場近くの砂利道にいた。

野球場の周りは、砂利道。

学校の敷地の一番外れにあるこの野球場は、学校の敷地でありながら一般にも開放されていた。

小さな野球場だけど、普通に試合ができる規模の球場。


私が乗っていたのは、紫色のダチョウ。

手綱を握った私は、後ろに水主を乗せて走らせていた。


「でもさすがは静ね。持っているわ。

一発で、いい当たりを引いたから」

「当たり?」

「シュトラオスは、五種類あって紫は一番足が速いのよ」

「へえ、そうなんだ」

私は、どれが当たりなのかわからない。

だけど紫色のダチョウは、アスファルトから砂利道をどんどん進む。

小さな私が走るよりも、もっと早い。


「水主は、このラストに行きたいの?」

「まあ、キラプトルとは戦いたいわ。

それに、ゲームを作ったマスターの乾先輩には興味はあるけど」

「祥万の作るゲームは、そんなに人気なの?」

「うん、ベルトランドのフリーゲームエリアで、週刊アクセストップもとったことがあるわ」

「すごいわね」

祥万の、裏の顔だ。

私の知らない祥万の顔を、水主は知っていた。


「でも、水主。

あなたは本当に、祥万のことが好きじゃないんでしょ?」

「好きよ。ゲームクリエイターとして。

彼の作るステージは、日常を切り取った面白いゲームばかりだから」

「それなら……」

「見つけたわよ。赤いシュトラオス」

私たちの前の砂利道を、走っている赤いシュトラオスが見えた。

土煙を上げて、一目散に部室を向かう赤いシュトラオス。


だけど、私たちの紫のシュトラオスが距離を詰めてきた。

それに、赤のシュトラオスに乗っていた香流が反応した。


「これ以上来ないで。これは野球部の問題だから」

香流は私たちに向かって、嘆き叫んできた。



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