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ベルトランドというゲームを、私は詳しく知らない。
でも、水主はよくこのゲームを知っていた。
趣味嗜好が変わった幼なじみは、確かに中2の秋からだ。
ゲームを好きになったのは、なんとなく理解していた。
それでも、興味のなかった私はあまり気に留めなかった。
そんな水主がサッカー場の芝生の中で、ハンマーを握り占めていた。
このゲームには、敵が存在した。
あの赤いウサギもそうだけど、ほかにも敵が存在した。
鳥や人食い植物、ほかにも様々なモンスターが存在していた。
だからこそ、小さくなるとそのモンスターがはっきりと視認できた。
私には、戦う手段はない。
だが、水主には武器が存在した。
背中にリュックサックを背負っていた彼女は、中から小さなハンマーを取り出した。
ハンマーを次々と投げつけて、敵を倒していく。
投げつけたハンマーが当たると、敵のモンスターが次々と蹴散らされた。
リュックサックを迫る水主の強さは、どこか頼もしい。
「水主、その武器は?」
「アイテムよ、すごいでしょ。
いっぱい敵を倒して、¥マークの宝箱を開けば出てくるから」
その話は、香流からも聞いた話と同じだ。
私は変なタケノコが出てきて、体が3分間だけ元に戻った。
「でも、最初からアイテムはあったの?」
「なかったわよ」
「ならばどうやって、敵を倒したの?」
「ジャンプして、踏みつけた」
「踏みつけるって」
「踏みつけられる敵は、限られるけど雑魚を踏みつけて……アイテムを手に入れる。
そのアイテムを手に入れれば、狩りが効率的になるから」
水主は、近くにいた鳥をハンマーで投げつけて倒した。
倒れた鳥は、¥マークの宝箱を落とした。
「このゲームは、アイテムがキャラクターでいくつか決まっている。
だから、あたしはこのハンマーを使うことができたの。
多分、静のアイテムはスーパータケノコよね?」
大きな茶色の宝箱が、芝の上に置かれていた。
「まあ、ほかにもいろんなアイテムが出るんだけど。
キャラによってあらかじめアイテムの枠が決まっている。
だから、あのタケノコを静が出せば……」
「また、大きくなれる」
「そ、あのタケノコはすぐに効果を出すこともできる。
アイテムを使わなければ、10分後に自動的に発動する」
「なるほど、それでさっきは私が大きくなれたのか」
芝生の上に¥マークの宝箱が、私の前にあった。
「多分、あたしの場合は、タケノコが出ないから…静が開けて」
「私でいいの?」
「うん、お願い。静の引きを期待しているから」
「プレッシャーかけないでよ」
水主が、私に希望の目を見せていた。
私は、こわばった顔で¥マークの宝箱の前に立って手を伸ばした。
そして、宝箱を開くと……そこにはタケノコではない……卵が入っていた。
「紫色の卵?」
それを見た瞬間、水主は親指を立てて頷いていた。
は秘めてみたその卵を見て、私は心配そうに見ていた。
「そう、その卵はね」
水主が言っている中、卵にはヒビが入っていて……すぐに割れた。
割れた卵から、まさかの生物が姿を見せていた。




