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小さな私の物語  作者: 葉月 優奈
一話:小さな女子高生の初恋
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004

飛び降りた床は、廊下だ。

こげ茶の木製地面に着地した瞬間、両足でしっかり着地した。

少し足はしびれたけど、あまりいたくはない。


やはり、小さくなった私はどこかおかしい。

運動が苦手の私は、これほどジャンプできるのにまだ慣れないでいた。


(校舎の三階ってことは、三年生の教室か)

廊下の下をよく見ると、教室の引き戸が左側に見えた。

このあたりは、三年生の教室があるところだ。

人の往来も、廊下にはない。


(わかることは、二つ)

一つは、今は授業中だ。

水飲み場に、人がいない。

廊下もとても静かだ。

教室の引き戸隙間からも、先生らしきもの声が聞こえてきた。

詳しくは聞き取れないけど、授業中だろう。


もう一つは、三年生の教室がここにあるということ。

時間はわからないけど、一年の私の教室は一階。

おそらくスマホも、ここにあるだろう。


だとすれば、私が目指すのは一階だ。

学校には半年ほど通っているので、校舎の構造はほぼ理解していた。

階段も、廊下の奥にあると理解した。


(にしても、汚いな)

廊下の汚れが、どうしても目立っていた。

紙屑のゴミや、ほこりも、大きく見えてしまう。

こうして見えると、普段通っている学校も随分とアラが目立つ。


目的地が階段とはっきりわかったことで、私は歩いていた。

歩いても、景色があまり変わらない。


(なんか、遅い)

それにしても、歩くのが遅い。

小さくなったので、当然歩幅も普段とは大きく違っていた。


なんの変哲のない廊下が、こんなにも長いとは思わなかった。

小さな体と、廊下がとても長い。

どこまでも続いていて、先が見えない。


(歩くのだるーい、くたびれたー)

当然、愚痴も出ていた。

普段から、あまり運動はしてこない私。


でも、一階に行くには階段を目指すしかない。

ほかに方法はないし、歩く以外どうしようもない。


(これは、本当に長い旅になりそうだ)

愕然として、歩き疲れた私は立ち止まった。


そんな中、左側にあった引き戸が突然大きな音を立てて開いた。

引き戸を開くと、そこには一人の男子生徒が姿を見せた。

ふらふらと、歩く男子生徒は黒いブレザーを着ていた。

短い黒髪の男子生徒は、眼鏡をかけていた。



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