036
次に意識があったときは、私は大きくなっていた。
正しくは、私は元の大きさに戻っていた。
身長164センチ、体重は太っていないし、痩せてもいない(秘密)。
小人だった私ではなく、普通の女子高生の私になっていた。
着ていた黒のブレザーも、薄水色のスカートも体に合わせて元に戻っていた。
上履きを吐いた普通の女子高背の私は、職員室の廊下に私は立っていた。
ジャンプをしなくても、職員室の窓から職員室が見えた。
私は両手、両足を目で探す。
自分の来ている黒ブレザーも、私の体に合わせて大きくなっていた。
「もとに…戻った?」
私は感動というより、安堵の顔に変わった。
大きくなった私のそばに、光の球が飛んでいた。
それは、ヘルフの姿だ。
妖精ヘルフの姿は、相変わらず米粒のように小さい。いや、単に私が大きくなっただけだ。
それでも、空を飛ぶことができる彼女は私の目の前に来ていた。
「どう、タケノコの威力は?」
「元に戻ることができたけど…でも目の前に変なタイマーが見える」
でも、私の視界にはタイマーのようなものが見えた。
普段の生活には絶対に見えないタイマーは、3分から既にカウントダウンを進めていく。
「これ、制限時間があるの?」
「そっ、ゲームをクリアしていないからね」
「それって、まさか……」
「三分間だけに、元に戻ることができる」
「何よそれ!それじゃあ、私はどうなるわけ?」
「スーパータケノコは、体の大きさを元に戻すことができるアイテムだから」
「急ぐわよ」私はヘルフの説明を、聞いている暇はなかった。
ヘルフに促されて、私は顔を赤くして走り出す。
だけどすぐそばにいた国語教師の中年男性に、私は呼び止められた。
「廊下を走るな!」
走っていた私に、すぐさま男子教師の叱りの声が飛ばされていた。
「はあい」
私は走るふりをして、作り笑いをしつつ早歩きでそのまま職員室を抜けた。
大きな体になった私は、廊下を走っていく。
そのまま奥にある、職員玄関のほうに進んでいった。
(残された時間は2:37…どんどん減っている)
私は急いで、職員玄関を目指していた。




