024
香流が倒したウサギの死骸は、いつの間にか消えていた。
宝箱も、タケノコが出てくるとすぐに消えていた。
そして、熱いタケノコを私は食べた。口がやはり熱い。
なぜか皮が向かれていたタケノコは、いい匂いがしていた。
最後まで私はタケノコを食べたけど、これといって変化はない。
そのまま私たちは、移動をつづけた。
私たちの乗っている段ボールより下にある椅子に、直接廊下にジャンプで着地。
さらには、椅子からジャンプで廊下の地面を踏みしめた。
廊下には、人の気配もない。
そんな中でも天井の穴から、私と香流はようやく廊下にたどり着いた。
すぐそばには、視聴覚室の引き戸が見えた。
授業中ということもあり、閉まっていた。
「あら、閉まっているわね」
「本当ね」
私たちが必死に目指してきた視聴覚室は、閉ざされていた。
この部屋の奥に、何がいるのかわからない。
だけど、光の女の子の言葉だけを頼りに私と香流はここまで導かれた。
「でも、問題ないわよ。小さい私たちなら」
香流は引き戸の閉まっている隙間を、発見した。
扉と扉の間には、僅かな隙間が空いていた。
どうやら、カギはかかっていない。
あれだけの隙間なら、小さな私と香流は問題なく通り抜けることができた。
そして、とうとうたどり着いた。
狭い通路を抜けて、広い空間が見えた。
絨毯の敷かれた地面を歩いて、薄暗い部屋だ。
この部屋は、この時間だと授業では使われていなかった。
黒いカーテンが閉められていて、パソコンがいっぱい置かれていた。
(やっと着いたけど、暗いし)
カーテンの隙間から、昼の日差しが差し込む。
それでも天井の少し高い視聴覚室は、とても薄暗い。
パソコンがいっぱい置かれた部屋に、生徒の姿やほかの小人もいなかった。
でも人も、敵も、気配はない。
一時間もたったから、いなくなったのかもしれない。
私は、薄暗い視聴覚室を探していた。
探しているのは、光の女の子。
光をまとって、蛍のように飛んでいる女の子。
透明な羽根をはやした女の子は、この視聴覚室にはいない。
「出てきなさいよ、私たちを呼んだの!」私が叫ぶ。
香流は、近くにある壁によじ登った。
明かりもないこの部屋に、すいすいと登っていく香流。
「とりあえず、電気をつけるわよ」
香流が、照明の明かりを押した。
押した瞬間に、視聴覚室の中が明るくなった。
そして明かりと同時に、一つのパソコンが立ち上がった。
それは、部屋のほぼ真ん中に置かれたパソコン。
さらに、パソコンの上には一人の小さな人間が見えていた。




