015
(???‘S EYES)
ここは、薄暗いレンガ造りの部屋。
周囲をレンガの壁、床には溶岩が煮えたぎる部屋。
一人…いや一匹の恐竜が姿を見せていた。
黄色い肌の二足歩行の恐竜。
尻尾も長いけど、大きさはかなり小さい。
1メートル、いや20センチにも満たない小型の恐竜。
地面には、溶岩の池が見えた。
その池の溶岩を、水のように飲み尽くす恐竜。
「よお、元気していたか?」
「マスターは、お前か?」
小さな恐竜の後ろには、一人の人間。
こちらも小さく、黒いフードをかぶっていた。
「その通り、マスターだ。
お前はこれから、このゲームが終わるまで従ってもらう」
「いやだと言ったら?」
「お前に、拒否権はない」
黒フードの人物が、恐竜のそばに近づいた。
黄色の恐竜は顔を上げて、フードの人物に向き合っていた。
「どうしてマスターは、我を呼び出した?」
「ちょっとした余興だよ」
「世界で一番、愚かなお人だ。
それにしても主人公はどういうつもりで?」
「なぁに、簡単だよ。趣味の世界だ」
黒フードの人物が、笑っているようにも見えた。
恐竜は首を横に振って、呆れていた。
「さて、そろそろ奴が動くころだ。
奴にだけは、すべてを話してある。
奴がこのゲームを、どう終わらせるか見守っていこうかないか」
「はい、マスター」
黄色の恐竜が、頭を下げていた。
かがんだまま、黒フードの人物にひれ伏せていた。




