8話
次の日、俺は妖怪警察にまた足を運んでいた
「おはようございます」
扉を開けるとパソコンをカタカタ叩く蓮人の姿があった
「おはよう、あれ…あの人は…?」
「玄さんなら今通報があった所にいますよ」
「まじか、呼ばれたから来たんだけどなぁ…」
そう俺がここに来た理由は、いつの間にか登録されていたラインで呼び出しを食らったからだ
「まぁ、妖怪警察は多忙ですから」
そう言って珈琲を嗜む蓮人
「でも俺妖魔なんて人生で2回しか見たことねぇぞ?」
妖怪警察が動くのは多分退治が主だろう
だがそれだと多忙と言うほどなのか疑問だ
「それでも多いほうですよ?
ほとんどは一般人に見つかる前に僕たちが祓ってしまうので」
そうなると妖怪警察は凄い、妖魔の数はわからないがそれを人々に見つからないように退治するなんて至難の業だろう
俺がそう感心しているとパソコンから手を離し蓮人が微笑んだ
「暇なら一緒にパトロールでもします?」
断る理由もなく俺はそれに頷いた
街並みを2人で歩いていると世間話ばかりしていた蓮人が嘘くさい笑みのまま言った
「悠真くんは妖怪警察加入にあまり否定的じゃなかったようですが…いいんですか?」
「え、なんで?」
「いえ、妖怪嫌いなのがひしひしと伝わってくるので
、やっぱり妖怪警察は妖怪と関わることが多いですストレスになってしまうのでは?」
どうやら俺の心配をしてくれているらしい
変人だと思ったけど案外優しい…?
「いや、妖怪を祓える?なら全然嫌じゃねぇよ?逆に嬉しい」
俺がそう言うと蓮人は足を止めた
それにつられて俺も足を止める
どうしたんだろ
「悠真くん…妖怪警察はーーーー」
プルルルルル、プルルルルル
蓮人が口を開いた瞬間蓮人のスマホが鳴った
「出れば?」
そう言うと一言断って蓮人はスマホに手を伸ばした
蓮人は多分俺と同い年だと思うが、俺とは真反対でかなり礼儀正しい
見習わないとなー、と感心してしまう
「はい…はい、承知しました、今行きます」
通話が切れると蓮人は頭に手を置いた
「仕事が入ってしまいました…ついてきてください」
「ん?わかった」
車でいくのかな、とも思ったが蓮人は見るからに未成年だ
まさか自転車…?
そう思っていたとき蓮人が俺の肩に触れた
その瞬間、視界が揺れた
何かと思ったが、それも一瞬のことですぐに治った
「はい、これで大丈夫」
「え、なにが???」
何かをされたのは分かるが何をされたのかがわからない
頭に?を浮かべていると蓮人が微笑んだ
「貴方に簡単な幻術をかけました、普通の人には視認されません」
「えっ!?」
手を目の前に出してみるが実感がわからない
というかーーー
「蓮人何者だよ!?」
そう言うと蓮人はニヤリと口角を上げた
「貴方と同じ、妖人ですよ」
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