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スモールメモリー  作者: 赤城マロン
ハルバロスの危機
2/3

ハルバロス

ハルバロスに向かっている。

そして、今はその休憩中。

自分はぼーっと空を見ている。ふと、隣を見るとツユリは銃手入れをしている。いつ青流化人が来てもおかしくないからだろう。

人気が全くない。

青流結晶があちこち生えている。自分たちは青流結晶に対する耐性があるため、ある程度なら大丈夫だ。


ハルバロスは、ある程度安全な場所だということを知っている。そして、自分の部下が数人いる。HPFは顔が広い。だからこそ部下がいる。仮基地から離れたのは、そういう理由もあったりする。


「研究者、行く?」


ツユリがそう話しかけてくる。


「そろそろ行くか…」


自分はそう言うなり、立ち上がる。ツユリも銃をしまい、立ち上がる。


「あとここから3キロぐらいかな。」


マップを確認し、そう言うツユリ。

なるほど、と自分は言って歩き始める。

ツユリは少し走って自分の隣に来る。


しばらく歩いていると、突然遠くで爆発が起きた。

自分たちは驚く。黒煙が見え、そちらの方向に走って向かう。周りはある程度平地なため、見やすかった。

だが、爆発が起きた場所は自分たちの死角だった為、状況がわからない。

爆発が起こることはまずない。青流化人との戦いで起きたものなのか、あるいは…

考えたくない。とにかく自分達は急いで向かう。

その場所に着く。そこには倒れている人々がいた。


「うそっ…」


ツユリは驚く。


「…これは、特殊青流化人の仕業だ…」


辺りには青流結晶が異常なまでに生えている。

特殊青流化人やられた者は、青流化人になるのを通り越して死ぬ。恐らく、すぐ近くに特殊青流化人がいる。


ツユリは、すでにこと切れた人々を見る。


「これ、ハルバロス兵隊の装備だ…」


自分はそれを聞き、ツユリの方に走って向かう。

確かに、ハルバロス兵隊の装備だ。近未来的な見た目をしているのが特徴…何より、ハルバロス兵隊とすぐにわかるのは、ハルバロスのマークこれが何よりの証拠だ。


状況確認のため、自分は周り見渡す。すると、少し奥で特徴青流化人と戦っている人の姿が見える。すぐさま自分はツユリ呼び、戦っている人の元へと走って行く。

戦っている人は集中しているのか、自分達には気がついていない様子。


「研究者。準備お願い」


「分かった」


自分はポッケの中から小さなガラス瓶を取り出す。その中には特殊青流化人を大幅に弱体化させる物。

名は"特殊青流化人弱体化薬"通称"SBSW"

特殊青流化人は弱点が見えていない為、これが必要になる。特殊青流化人は弱ると自分を守る力が低下し、弱点を露出させる。特殊青流化人は弱点が普通の青流化人と異なる為、撃破が少し難しい。


「3、2、1…撃て!!」


掛け声と共に自分は瓶を投げ、特殊青流化人弱らせる。直ぐにツユリは露出した背中部分の弱点撃つ。

弱体化を当てて分かった事は、これはタイプ2ということ。特殊青流化人はタイプ1からタイプ50まである。その中の一番多い1から10の特殊青流化人のタイプだということが分かった。

戦っていた人は何事かとこちらを見る。

その頃にはツユリが特殊青流化人を撃破していた。


「終わりましたよ。研究者」


そ言うツユリ。戦ってた人は腰を抜かし、倒れる。

急いで自分とツユリはその人を救助した。

そして、顔を見て分かった事がある。そう、彼女は自分の部下であるから。名前はハルナ・マリーゴールドである。花の苗字というのが、かなり印象的だ。

ハルナを軽く治療をし、喋れる、立たてる程までに回復させた。


「ん…」


ハルナは目を開ける。自分達を見るなり、驚いて勢い良く立ち上がった。


「ご、ごめんなさぁぁい!!」


突然謝られ、自分達は唖然とする。

少し前に、ミスをしたら結構怒られたんだろう。涙ぐみながら

ハルバロス兵隊は結構怖い印象的がある。

だからこそだろう。


「顔を上げて。自分だよ。」


謝っているハルナにそう言う。


「じ、自分、?…」


自分の顔を見るなり、驚いて腰を抜かして座り込む。


「け、研究者さん…!?」


かなり久しぶりだからなのか、口がパクパクしているハルナ。そんなに自分は変な人じゃない。


「あ、失礼しました、」


首をブンブンと降って、素早く立ち上がる。


「あ、ぇと…ハルバロス兵隊2番隊隊長ハルナ・マリーゴールドです…」


テンプレートの様な言葉を放たれ、思わず自分は驚く。


「こちらこそ、ホワイトスカイ青流結晶研究員ツユリ・カルーダです。」


ツユリも同じような感じに返して来て驚いた。

…少し考えたら2人共初めましてか…そう思った。


「ツユリさん、よろしくお願いします…」


ハルナは深々と頭を下げて、礼儀正しくいる。

が、自分はハルナのことは知っている事が多い為、恐らく心の中ではかなりあわあわしているのだろう。


「こちらこそ。よろしく」


普段見せないような笑顔でハルナに挨拶する。自分と初めて会ったときはそんな顔をみた覚えない。


「えっと、お二人は…どうしてここに、?」


首を傾げて質問してくる。

自分はここに来た経緯を教える。


「なるほど、部下に会いに来た…と…」


「そう。あ、あとここにいるのは偶々道中にこんなことが起きてたから、近寄ってきたらって言う感じ。」


一応ここに来た経緯を教えておく。


「じゃあ…ハルバロスまで案内します…ツユリさんは初めてで、研究者さんは久しぶりだと思いますし。」


笑顔で言ってくれるハルナ。


「あ、あとご遺体を回収しなきゃ…」


さっき事切れていた人達のことだ。


「それなら私が回収しといたよ。」


ストレージキューブを見せる。その中には綺麗に人が並んでいた。ハルバロスは人を生き返らせる技術があるらしい。まぁ、ハルバロスに住んでいるというのが登録されて居ない場合は生き返らせることが出来ないらしい。


「あるがとうございます、ツユリさん。」


お辞儀をして、自分達をハルバロスの道へと案内してくれた。途中、青流化人に何度も会ったが、どうにか突破することができた。そして、先に事切れた人達を蘇生屋という場所に連れて行った。今回は遺体の損傷が激しくなかった為、生き返らせることができたらしい。だが、激しいと不可能ということを聞いた。早く戦闘を見つけられたのも、ある意味運が良かったのかもしれない。

ハルナは他の仕事があるらしく、ハルナはハルバロス兵隊の本拠地に戻っていった。


「研究者、どこに部下がいるの?」


ツユリはこっちを見て聞いてくる。


「それは、自分についてくればわかるよ。」


ツユリを見るなり、自分は笑って。

ツユリはわけがわからないという状況をしているが、気がつけば、それの表情はすぐに普段と同じになった。


「ここさ。」


自分が指したのは普通の民家。

ここに自分の部下がいる。


「…ここ、なの、?」


不安そうに家を見る。まぁ、無理もない。かなり古びているのだから。

自分は家に近づき、ドアをノックするなり人が出てくる。


「…誰…」


目をこすりながら出てきたのは、ナルハ・ウェール。

ハルバロス青流結晶研究員である。


「こ、こんにちわ、?」


首を傾げながら挨拶をするツユリ。

ツユリを少し見るなり、こんにちわと小さな声で挨拶をする。


「……とにかく…入れ…」


少し低めの声で喋る。多分眠いからだろう。

部屋に入るなり、まず目に入るのは荒れに荒れた配線類。画面がつけっぱなしのパソコン。そして、瓶に入った青流結晶達。


「一体なんの用さ…僕は忙しいんだけど?」


椅子に座って自分達を冷たい目で見てくる。


「…えっと、なんでそんなに冷たいんですか、?」


気まずい感じに言っている。ツユリ。初めてナルハと話した人は大抵こうなる。自分も最初はこうだった事を思い出す。


「ただただ話すのが面倒くさいだけ。」


パソコンの方に顔を向け、何かを確認するなりため息を出す。


「で、研究者なんの用?」


今度は自分に鋭い目つきで見てくる。そんなに嫌われていない筈だが…


「最近どうしてるかなって」


純粋に思っていた事を口に出す。


「どうしてるって、別に僕は子供じゃあるまいし…

普通だよ。解析と研究どっちもはかどってるし。」


「…解析…具体的には、?」


ツユリが興味を惹かれる。案外珍しい事だ。

その後、長々と何をしているかを話していた。自分は気がついたら寝ていた頭がパンクしたのだろうか…

目を開ける、隣には寝ているツユリ。話疲れたのだろうか。


「研究者、起きたのか?」


自分に近づいてきて顔を見てくるナルハ。頭がよく回らず、理解が遅くなった。


「ナルハ、近いよ、?」


頭にはまだ?が浮かんでいる状態であり、唯一出せた言葉が、それだった。


「…失礼…」


咳払いをして席に戻る。

自分は起き上がり、周囲の状況を確認する。横たわって寝ているツユリを見たあと、ナルハを見る。画面に向かって一生懸命何かを打ち込んでいる。自分達上層部に送る資料か何かだろうか…


「…喉が乾いた…」


ふと、そんな言葉を口にする。


「…じゃあ冷蔵庫にある何か飲んでいいよ。」


マウスをカチカチと2回鳴らし、こちらを振り向いては冷蔵庫の場所を指差す。

自分は立ち上がり、りんごジュースを手にして飲む。

その際、誤ってキャップを落としてしまう。

当たりどころが悪かったのか、割と大きい音が鳴る。


「ん、どうかしたのか?」


こっちを振り向く。そして、自分が手に持っているりんごジュースを見る。


「ああっ……」


一度は焦った顔を見せるナルハだけど、それは直ぐに戻る。


「…キャップを落としただけか…びっくりさせるな…」


ナルハはため息をついて顔を画面に向ける。

少し耳を澄ますと、何やら小さい声が聞こえる。

デスクの方からだ。


「研究者のバカ…なんで僕のりんごジュースを…っ…バカバカぁッ…」


自分がかなり罵倒されている事に気がつく。一回焦った顔をしたのは、そいうこと…と思った。

そして、自分の中で反省した。

すると、目を擦って起き上がるツユリに気がつく。


「あれ、私いつの間に…」


ぼーっとした表情を浮かべている。なんだか珍しい。

いや、単純に自分が起きるのが遅いだけかも、そんな事を思って。

すると、勢い良くナルハが振り向いてくる。


「…起きたのか?…起きたなら別の場所にいけ…僕は忙しいんだ!」


大声をあげて自分達を追い出す。

突然の出来事でぽかんとするが、時間も時間だったので、次の場所に行くことにした。


「…ナルハさんはいい人ですね。」


にこにことしながら言う。どうやら、自分が寝ている間に二人は話していて、その時に色々聞いたらしく…

けど、自分には詳しい事は聞かされなかった。

しばらくして、ハルバロス青流結晶研究所についた。ここには部下が1人いる。

自分は入り口の扉を開ける。すると、左から悲鳴が聞こえる。


「うわぁぁぁあぁあぁぁああ」


台車がガシャンという大きい音と共に悲鳴をあげていた人は転び、物が飛び散る。


「うぇ…」


混乱して転んだまんまになっているこの人物こそが自分の部下、マナミ・クレーヴである。

おっちょこちょいというか、ドジというか…なんとも表現が難しい人物である。


「えっと、大丈夫ですか、?」


マナミに手を差し伸べるツユリ。自分は散らばった物を拾って元の場所に戻す。


「は…ぇ…ぃ…大丈夫です…」


多分大丈夫じゃない…そんな事を思う。


「怪我とかない?」


ツユリはマナミの至る所を見て怪我をしていないかどうかを見ている。まぁ、マナミは怪我を"しにくく"なっている。あ、決してロボットとかそういうものではなく、ただ怪我を良くするから耐性がついた的な感じだ。


「じゃ…ぃ…」


変な感じの返答が来た。まぁ、怪我ないという事は確かだろう。上司として、怪我がなくてよかった。その気持ちが強い。

散らばった物を元の場所に戻し終わり、マナミも落ち着いてきたところだった。


「あ、ありがとうございます…」


にっこりと笑いながらこちらを見ている。


「当然の事をしただけだよ。」


何処か優しい笑顔で言っている。ツユリ


「そ、そうですか。」


ツユリはうんと言って、こちらを少し見るなりマナミの方に顔を移した。


「研究者さんは、何をしに?」


こちらを見るなり、そう聞いてくる。

自分は部下達がどうしてるかなと気になりこの場所にいるということを伝えた。


「なるほど…なんか、そう言ってもらえてなんか嬉しいですね」


何処か照れくさそうにしているマナミを見てこちらもなぜか嬉しくなった。


「所で、何か運んでいたみたいだけど…持っていかなくて大丈夫?」


ふと、疑問に思ったことを口に出す。


「あっ、これを資料室まで運ばなきゃいけなかったんだった、」


ありがとうございます。と言ってから、急いで資料室のある方向へと走っていった。


「変な感じ…」


ふと、ツユリがそんな言葉を漏らす。

ちょっと疑問に思ったが、特に気にせずに研究所の奥の方へと行く。マナミを見に来たのもあるが、目的は別にもあった。

奥には扉があり、その扉を開ける。


「ここって、何?」


部屋に入るなり、あたりを見渡して聞いてくる。


「自分の仮の部屋の様な場所さ。」


自分の仮の部屋ということを伝え、自分は机の方に行き、引き出しの中を漁っている。


「確か、この場所に」


…ここに来る前に特殊青流化人に使ったSBSW(特殊青流化人弱体化薬)があるはず…。

思った以上に散らかっており、探すのが非常に困難となっている。まぁ、これは全部自分のせいなのだが。


「さっきから何探してるの?」


こちらに近づいてくるなり、そう言ってくるツユリ。

部屋の観察が終わってこっちに来たらしい。


「SBSWがあるはずなんだけど、全然なくて…」


青色っぽい感じなのですぐ分かるはずなのだが、…


「あるけど、?」


引き出しの中に軽く手を入れるなり、簡単に取り出す。引き出しの角にあったらしく、丁度自分の死角だった。


「…死角だった…」


ずーんっと暗くなる自分を横目にSBSWをストレージキューブに入れるツユリ。


「ほら、研究者…立ち直って。」


背中を軽く叩かれて少しずつ自分は立ち直る。

ナルハの家で貰ったりんごジュースを飲む。

飲むたんびにあの言葉がよぎる。

そして、ツユリは自分の肩を叩く。自分はツユリの方を向く。


「これって、何?」


ツユリが指を差したのは包帯が巻きつき、ところ何処の塗装が剥がれ、そして小さな文字で『Hatuki DSM』

と書かれているアサルトライフルの事だった。


「あぁ、それは…」


いいかけたその時、謎の揺れが起こった。

自分達は考える暇もなく、外に出た。奥の方を見ると、青流化人が見える。恐らくだが、攻められているのだろう。自分達は応戦すべく、直ぐにその場所に向かって行った。



― To be continued

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