バードマン (ボツ漫画プロット)
この作品はオリジナル漫画のプロット(ボツ)として書いたものです。稚拙な文章と小説とは文脈が違うものの、楽しんで読んで頂ければ幸いです。
「また1人殺された、今度はビルの管理者のお偉いさんだ」
「奇妙ですね、指紋も見つからず銃も使わず人を殺められるなんて、いったいどうやって…」
「さあな…しかしどの殺人も権力の強い人ばかりだ」
「警部また例のものが見つかりました」
「青い羽…最近起きている奇猟殺人事件の現場に残されているな、こいつが犯人か…はたまたダイイングメッセージなのか」
壁に書かれた死体の血の文字を見る
「次は歌姫か」
ここは惑星リスナ、地球とよく似たこの惑星にも人間が住んでいた。人工の多さで巨大なビルが立ち上がり、それは雲に行き届くほど高く作られていた。度重なる工業事業のために惑星は汚れ、汚染された地上を捨てて権力者は天空のビルえと逃れた、一方で平民や貧民は地上に近いビルや汚染された大地に住むことになった。ビルのどの高さに住んでいるか、それがこの世界の地位の象徴なのだ。
。
コンサートビル
歌うティナ
演奏が終わり拍手がなる
楽屋に戻る
「はぁのどからから、マネージャーに休みをいれてもらわないと、これじゃ歌えないわ」
ティナの楽屋前に人が集り騒々しい
「マネージャーどうしたのこの人だかりは?」
「聞いてティナ、警察から連絡があって貴方の護衛に来たそうなの」
「どういう事なの?」
「私から話させてもらえないか」
スーツ姿の人混からコートを着た男が現れる
「私はRPIのダン・ラスター警部だ」
「実は最近ビルの中層部で奇猟殺人事件が起こってな、現場のメッセージで歌姫…君が次のターゲットとして狙われている」
「何ですって…」
「この事件はメッセージが書かれた3日後に死体の血で書かれた人物が殺されているんだ、そして次のターゲットが君なんだ」
「そんなバカバカしい話信じられないわ!」
「我々も呆れているがしかし本当に起こっている、5人も殺された、犯人は不明だ。証拠が青い羽に少年が履くサイズの靴の足跡しか見つからん」
「貴方たちって無能ね、5回も事件があったのにそれだけしか調べられないなんて…犯人はどういう人物か解らないの?」
「力不足ですまない、証拠が少ないんだ、しかしちょっとした話なら聞いたぜ」
「事件現場の近くに青い鳥のような男が目撃された…目撃者はバードマンと呼んでいた」
「腕に羽がついていてビルの隙間を飛んでいったそうだ」
「そいつが犯人?」
「さあな、捕まえて取り調べをしないとわからん」
「これ以上我々の面目を潰されたら敵わん、次の殺しを指名しているのに事件を未然に防げないなんて警察の恥だからな」
「何よ!私の命よりプライドの方が大切なわけ?」
「見てやがれ、今回は絶対に捕まえてみせる!」
ビル下層部、警備員がならびエレベーター、階段などを封鎖している
「ここから上は警察以外の者はとおれません、お手数ですが隣のビルから上がってください」
文句を言う市民
その市民の中にフードを被った少年がただ…たっている
人が少なくなり独りポツンと残る少年
「おいガキ、すまないがここから先は通せないぜ、護衛のために警察しか通せないんだガキは家に帰って…」
警備員の首が突然締め付けられ、ボキリとへし折られた。
「ああっ!?」
笑う少年
場面変わりティナの楽屋室
「ちょっと警部さん、こんな所でティナを護衛するよりももっと安全な場所があるはずよ」
「確かにマネージャーの言うとうりだが、ティナの住んでいるビルは大きな窓や空気を外に出す排気坑があって外から侵入されやすい、このビルのコンサートホールは入り口や出口、避難通路に守りを固めれば外から侵入されない」
「お嬢様のお部屋よりこっちの方が安全なんだよマネージャー」
「なによそれ…ティナが可愛そうよ、これじゃ獲物を誘い出すための餌じゃない」
「あーあ、楽屋が監視モニターやら無線機でごちゃごちゃ」
「君の命がかかっているんだ、我慢しろ」
無線機の発信音がなる
「ダン警部!コンサートホール付近のビルで青い男が発見されました!42区ビルの中層です!モニターに写します」
モニターに写る青い鳥の男
ビルの上からホールを見据えている
「こいつがバードマン」
青い男は羽を広げビルのテラスえと向かい飛んだ
場面変わりコンサートホールのビルの大きなテラスに警備員が集まる
「殺人犯が現れた、スナイパーはナイトスコープを付けろ、発砲許可は出ている、場合によっては射殺しても構わない」
慌ただしくなる
「始まった…」
青い男がテラスに着地する
並ぶ警備員、にらみ合い
攻撃が始まる
「やっちまえ!」
場面変わりティナの楽屋
「あぁ解っているなんとしてでも歌姫を守る」
別の警部が無線機の報告を聞いてダンに話す
「なんだって!ダン!コンサートホール前の警備員が全員殺されたと報告があった!」
「なに!?」
「殺害した者は少年だ!」
「何だと!?とにかくホール出入口にも機動隊で固めろ、クソッ!」
場面変わりテラスでの戦闘
警備員が警棒で殴りかかる
「喰らえっ!」
しかし青い男は警棒を腕で受け止めそれを弾き膝げりを喰らわせる
「うわっ!」
他の警備員も殴りかかるが青い男は蹴散らしていく
スナイパーが青い男をスコープ際で覗く
発砲するが青い男の羽が盾のように形が変わり銃弾を防ぐ
「羽で弾丸を防いだ!」
テラスの警備員を全員殴り倒し、青い男はティナのいる楽屋えと向かう
コンサートホール楽屋
「ホール場内の機動隊が少年と戦闘中、テラスの青い男はほとんどの警備員を気絶させ守りを突破しました、二人ともこちらに向かってきます!」
「犯人は二人だったか!最悪の自体を想定して歌姫を別のビルえ移そう」
「ティナ逃げるぞ、ここは危ない」
「は、はい」
「ホール内の機動隊が全員やられました!少年がエレベーターを使って楽屋前に向かってきます!」
「一体何が起こってる、エレベーターの電源は切ったはずだ、しかもこれだけの守りを突破してくるなんて常識ではありえないぞ!」
「急ぎましょうティナ!」
「ええ…」
楽屋のドアをあけ逃げる一同
廊下にでる、エレベーターのランプが鈍く光る、そしてティナ達のいる階え上ってくる
「嘘だろ!?ガスやケイン達、ティナを連れて逃げろ、俺は犯人を足止めする!」
コクりとうなずく機動隊、ティナ達は非常口のドアをあけてビルを繋ぐ通路に出る
エレベーターが到着
ノイズ混じりのベルが鳴る
「来やがった…」
銃を構える機動隊とダン
エレベーターのドアがゆっくりと開いた
「殺す…殺す…殺せ…」
エレベーターの中で独り言を言っているフードを被った少年
「こいつは機動隊、警備員を全員殺した!かまわん撃て!」
機動隊とダンが銃を打つ
しかし弾丸は少年の前でピタリと止まった
「銃なんて、まだ古臭いもの使ってんだね」
ケラケラと笑う少年
「銃の玉が…空中で止まった!」
エレベーターの外に出る少年、ダン達の銃から発砲された弾丸が少年の周りをクルクルと回る
「これ…いらないから返すよ」
弾丸がダン達に向けて放たれる
「うわっ!」
弾丸は機動隊の頭や心臓に当り機動隊は倒れる、ダンは肩に当たった
「くそぉ…」
ティナ達の姿を映す、ビルを繋ぐ渡り廊下をティナ、マネージャー、護衛の機動隊が歩く
「まさかこんなことになるなんて思いもしなかった…」
「ティナの歌手としての人生を終わらせられないわ、逃げましょう」
「むっ」
渡り廊下の壁を壊し青い男が現れた
「キャー!」
「出た!もう一人の犯人だ!撃て!」
銃声がなる、しかし硬い鱗で守られた体で、青い男も銃が効かない
その時渡り廊下の入り口が爆発したかのように壊れた
「うわぁ!」
若者と交戦していたダンと死んでしまった機動隊が吹き飛ばされて出てくる
「ぐぅっ」
「ダン警部!」
砂煙の中から若者が出てきた
「みつけた…」
「今回はいつもとは違ったね、こんなに警察がいるなんて、さすがに6人目となれば本気だすか」
よろめきながら立つダン
「おまえ、普通の人間じゃないな一体…何者だ」
「僕はサイコボーイ、地上で育った、ついてない人間の一人だ」
「サイコボーイ?」
「地上でね、僕達貧民は苦しい生活を送っていた、あんたらがビルの上でのうのうと暮らしているなかで俺達は排気ガス、汚染水にまみれてね…」
「だけど見つかった、地下を堀続けて俺達が空えと舞い上がる力が…」
「レディオムトランスフォル、俺達はそう呼んでいる」
「レディオムトランスフォル?」
「この惑星の地下に眠っていた未発見の物質さ、放射能と似ていてね、こいつが体内に入ると最悪死んでしまう」
「でもね、遺伝子が変化する特性を持ってるんだ…俺は超能力、あいつは鳥人間、他にも様々…」
「この力を得た俺達は考えた、今までビルに住んでいたやつらに受けた差別や屈辱を」
「それを変えようってね…人を殺して…」
「殺すだと!そんなタレ語とは人を殺して良い理由にはならん!」
「お前らに何がわかる」
「下克上だな…レディオムトランスフォルなんざ聞いたことがない」
「そりゃ知らないでしょビルの上に住んでいたんだから」
「つまり…地上の人間はその物質に影響を受けて、姿を変えたり特殊能力を貰いテロ行為を行っていた…と言うわけか。超能力、どうりで証拠が少ないはずだ、しかしなぜ歌姫のティナを狙った?確かに中層部に住んでいるが権力者ではないぞ」
「そいつは俺達を脅かす力を持った女だ、ただの歌姫ではない、早いこと殺さないと僕達が困るからね」
「あの子はまだ若い…殺させはしない!」
「ふん…いいや、でも面白いよ超能力で人を殺すのは」
「ふざけるな!」
発砲するダン、やはり銃弾は少年の空中の目の前で止まる
「くそ!いくら強いたげられた人達でも人を殺す事なんかしなくてもいいだろ!」
「殺さなくちゃならないんだよ!増えすぎた人口、なおも汚れる惑星リスナ、権力者が弱者から甘い汁をすするこの流れを変えるためにね」
「ビルの天空に住む最高権力者達のことか!しかし彼らを殺めるのなど絶対に不可能だ!」
「めんどくさいけどやらなくちゃならないんだよ…まあしかし… あのウザい青い男はそうじゃない…」
青い男はティナやダンを通り抜けてサイコボーイの方へ飛んだ
「なにっ」
「こいつは俺達の敵だ」
殴りかかるバードマン、しかし拳が少年の前でとまる
「ぐぐっ」
震える拳
「お前フュンチャー博士の作った奴だろ、毎回俺の殺人に無駄な邪魔をしやがって、でも今度も守れはしないさ」
弾き飛ばされる拳、しかし青い男は諦めず立ち向かう
「今のうちにティナ達は逃げろ!」
「はいっ!」
別のビルえ向かうティナ達
「獲物は逃がさない!」
サイコボーイの超能力でへし折られる渡り廊下、そして崩れる
「キャー!」
落ちていくティナ、ダン、機動隊
他の低いビルの屋上に落ちるティナ、ダン。しかし機動隊とマネージャーはそのまま地上へ落ちていってしまった
「そんな!マネージャー、警察の方!」
絶望するティナ、上を見上げる、ゆっくりとサイコボーイが超能力で降りてくる
「ハハッ死んだ!死んだ!やつらなんざビルから落ちて死んじまえ!」
「ひどい…」
「もう止めましょうこんなこと、あなた達に力があるのならもっと良い別の事ができるはずよ!」
「はぁ!?うるさい!最高権力者に作られたお前は、俺たちの計画の邪魔なんだよ!」
「レディオムトランスフォル、力を与えもし死をも与える物質、最高権力者達がこの物質に脅威を感じ、目をつけていないはずがない」
「ビルに住む人間のタレ流した汚染物質で地上に育った俺たちの母親は奇形児を産み、子は産まれてまもなく死んでいく…」
「この負の連鎖をたちきるために最悪な物質を力に変えてピラミッドの逆転をしなくちゃならない…」
「お前も最高権力者の作った駒に過ぎない…お前を殺し、解剖させ俺達のデススパイラルを変えて見せる!」
驚くティナ
「そんな…一体何を言っているの!」
「ふん、とぼけやがって…ウザいんだよ!さっさとぶち殺してやる!」
サイコボーイがティナの方へ手をかざした
「やめろぉ!」
ダンが拳銃を放つ、いままで当たらなかった弾丸がサイコボーイの右手に命中する
「しまった!」
右手をかばうサイコボーイ
「ティナに気が向いていたか、やっと当たったぜ」
「ダン警部!」
「大丈夫かティナ」
「ええ」
青い男がティナ達のビルの屋上へ降りる
「生き残った奴らはこれで全員か…面白いよ、まとめてぶち殺す!」
「ガァー!」
バードマンが咆哮を上げサイコボーイへ立ち向かう
殴りかかるバードマン、しかしサイコボーイは次々と拳を避けていく
ダン警部は銃のシリンダーをあける
「さっきので最後の玉だったか」
「今のうちに…と言いつつもここはビルの屋上、下に降りる階段も無い」
「おいティナ、なにか助けを呼ぶ無線機か発煙筒を持っていないか」
「そんなの持ってないわよ…」
「だよな…あいつらが戦ってる間に他の部隊に来てもらって応戦できないものか」
「そう言えば…」
「何か方法でもあるのか!?」
「歌…」
「なに!?」
「歌、私の記憶の奥底に眠る…私を守ってくれるちからのある歌…」
「確かにあんたは歌の才能があるがそんなのでどうにかなるのか?」
「そんなのやってみなくちゃわからないわ!」
立ち上がるティナ、両手を広げ目を閉じ、歌う
戦うサイコボーイとバードマン、その時ティナの歌が響き渡った
憎しみよ、静まりたまへ
悲しみを受け入れ前え進もう
燃える闘争心は力の証
静まる気持ちは冷静な心
暗闇と光は同じもの
「んっ?何だこの歌…!?ぐっ、ぐわっ!」
苦しみ出すサイコボーイ
「光り、ティナから光が溢れだしたぞ!」 、
驚くダン警部、光りに包まれたティナは歌いつづける
闇と光は半月の如し
自由の羽よ目覚めたまえ
全てを受け入れるものは自由の空えと飛び立たん…
「ぐっ、ぐぅやめろぉ!やめろ、歌うんじゃない!あぁー!あー!」
「まさか!?効いている!」
頭を押さえ苦しむサイコボーイ
「頭が…頭が…割れる…!」
そのすきをついてバードマンは攻撃、顔面に拳をぶつける
「ぐはっ…!」
一撃を受けたサイコボーイはビルのアスファルトに倒れ、顔を押さえる
「生まれてはじめて…他の奴に殴られた!」
立ち上がるサイコボーイ、弾丸にぶち抜かれた右手を上げる
「くそが!超能力でぶち殺してやる!」
しかしおかしい、先ほど使えたはずのサイコパワーが使えない
「なに!?そんな馬鹿な!超能力が使えないだと!?」
「歌だ!ティナの歌の力でサイコボーイの超能力の力が無くなったんだ!」
「まさか例の力で!?嘘だろ!?くそっ!」
驚くサイコボーイ、それを見たダンは手錠を出し、サイコボーイを取り押さえ手錠を掛けた
「残念だったな…午前3時11分、猟奇殺人事件の犯人を逮捕」
「くそぉ…あんな歌で…」
手錠の鎖に繋がれたサイコボーイはがくりと体をビルのアスファルトに下ろす
歌い終わるティナ、力なく床に座る
「おいティナ大丈夫か」
「え…ええ」
「まさか本当に歌が効くなんて思ってなかったぜ」
「私も驚いてる、この歌にこんな力があるなんて…」
立ち上がるティナ、ダン警部はバードマンの方を向く
「おいあんた、確かバードマンとか言ったな、俺達を助けてくれた事には感謝をする」
「しかしお前もレディオムトランスフォルを受けて能力を貰った奴だ、ティナの歌の力でも何の変化もない…フュンチャー博士とやらも気になるし謎が多いぜ、じっくりと俺の署で話を聞かせてもらおうじゃないか」
後ろを向くバードマン、飛び立とうとする
「待って、あなたの名前は…」
ティナが話しかけるとバードマンは背中を向けティナに言った
「ロック…」
飛び立ったバードマン、ビルの隙間を通り抜けていく
「あーあ、行きやがった、いてぇ、今頃銃創がうずきやがった」
「私、助かったのね」
「そうだな…」
「サイコボーイが私に言った言葉…最高権力者に作られた存在…どういう事なのかしら…」
「レディオムトランスフォルとは違う形で作られた人ではない人間…解らんがしかしサイコボーイを捕らえた。情報を聞き出して地上のテロ組織の実体と何故ティナを殺そうとしたのか、そして君は何者なのか、それを聞き出してやる。ティナは今後我々警察が君を保護する、いいか?」
「ええ…私の力を恐れているのならこの力をよく知っておかないと…」
ダンが顔をしかめて優しく肩に手をおく。
「まだ若いのに…すまない…」
ヘリのプロペラの音が響きダン達のいるビルの屋上へ着地する、サイコボーイは下を向き機動隊に連れられヘリに乗る
ダンは自分の着ていたコートをティナに被せ呟いた
「猟奇殺人事件の犯人は捕まった…だがこの事件はまだ終わった訳じゃない…!」
そしてティナとダンがヘリに乗り別のビルえと飛び立つ
その様子を青い男、バードマンは高いビルから見つめ、飛び立った。
end
いかがだったでしょうか?ボツプロットなので尻切れトンボで終わってしまいましたが、個人的には手応えを感じています。またこの小説(漫画プロット)はTwitter様に書いたものなので、それほどなろう系には合わないものかも…
FF7やブレードランナーにかなり影響を受けて書いたものです。