第二章登場人物紹介(軽くネタバレ)【挿絵】
【アミュウ・カーター】
18歳くらい。言葉もおぼつかないほど幼い頃に拾われて、カーター邸の養女となる。しっかり者で冷静、芯が強い。
カーター・タウンのまじない師メイ・キテラのもとで修業したのち、王都の魔法学校に入学するが、すぐに休学し、王都の魔術師の門下に入る。3年前に故郷に戻りカーター邸によろず屋の店舗を構え、1年前から町郊外の森に丸太小屋を建てて住み始めた。ときどき不思議な夢を見るが、その内容はどうやら史実に沿っているらしい。聖輝と行動をともにすることが多いが、謎の男から「御神楽卿の御曹司に近付くな」との脅迫を受けた。
言霊を用いたまじないや薬の調合が得意。聖輝の忠告により、空間制御の魔術は人前で使わないよう控えている。強力な魔力を秘めているのに殺傷力のある精霊魔術は一切使えず、いざ実戦となると結界を張ることしかできない。弱点は酒、飲むとところかまわず眠ってしまう。
【御神楽 聖輝】
26歳。ミカグラ枢機卿の跡取り息子。飄々とした態度でハッタリをかましたり、相手を煙に巻いたりする。
アミュウの縁切りのまじないにより、世界書「アカシアの記録」にアクセスできなくなり、その記憶を失った。アミュウの見る夢に記憶を戻す手がかりを求めて、彼女に付きまとう。
パンやワインを供物とする神聖術を使いこなし、空間転移までやってのける。特技は折り紙。身代わり人形の紙雛を拵えてナタリアに持たせているが、その媒体は自身の血。禁忌の術である。
【ナタリア・カーター】
20歳目前。カーター・タウン町長セドリックの一人娘であり、アミュウの義姉。家族内での愛称はナターシャ。大らかで豪胆、気さくで開放的。奔放そうに見えるが、実は努力家。
父セドリックのお膳立てで聖輝と非公式の見合いをするが、ナタリアがフったらしい。アミュウの縁切りのまじないにより、聖輝と言い争った記憶が不明瞭になっている。セドリックは彼女に実質的な後継者としての期待を寄せており、政務に連れまわしては町政のあれこれを叩きこんでいる。また、早期の結婚を望まれているが、本人には気になる相手がいる様子。
狩りが趣味で、弓を扱う。筋は良いがパワー不足で、大物を相手取ると決め手に欠ける。
【ジークフリート・ヴィルヘルムス】
19歳。3年前に土砂崩れで故郷ヴェレヌタイラを失う。粗野だが裏表がなく、親しみやすい好青年。
故郷を失ってからは、傭兵稼業で食いつないできた。少ないながら貯金もあり、意外と堅実。クーデン発の商船の護衛任務についていたところ、嵐で遭難しカーター・タウンに漂着。カーター一家に助けられる。アモローソ王女と騎士の夢を見るらしい。
治安の悪い西部では腕っぷしの強さが金になったが、平和な東部では持て余し気味。
【ケヴィン・シンプトン】
スタインウッドのシンプトン農場に暮らす16歳の純朴な少年。ロナルドの息子。羊の世話をしている。
【ジゼル・シンプトン】
シンプトン農場のロナルドの第二子、14歳の少女。心優しい性格で、妄言の多い祖母キンバリーの面倒を見ている。
【ニコラス・シンプトン】
シンプトン農場のロナルドの末っ子、11歳の少年。幼いと言ってもいいほど素直な性格。牧舎の管理を任されている。
【ロナルド・シンプトン】
シンプトン農場を切り盛りする主人。36歳。
【フィオナ・シンプトン】
ロナルドの妻。35歳。
【ルドルフ・シンプトン】
ケヴィンたちの祖父。ロナルドの父。
【キンバリー・シンプトン】
ケヴィンたちの祖母。ロナルドの母。娘マイラを失った心労からパラノイアに侵され、妄言が多い。金髪の若い女性を見ると、娘と取り違えてしまう。
【マイラ・シンプトン】
ロナルドの三歳下の妹。ケヴィンたちの叔母。享年25歳。美人だった。
【グレゴリー・エヴァンズ】
スタインウッドの先代牧師(司祭)。72歳。知識と経験豊かな老人。現在はフェルナンの指導者的立場に身を退いた。ソンブルイユにジャレッドという息子がいる。
【フェルナン・マニュエル】
スタインウッドの現牧師(助祭)。38歳。ラ・ブリーズ・ドランジェ出身。牧師後継者のいないスタインウッドへと派遣されてきた。普段は穏やかな性格で、閑農期や雨の日には村の子どもたちに勉強を教えている。
【モーリス・ベルモン】
スタインウッド騒動の際に、ラ・ブリーズ・ドランジェから派遣されてきた助祭。32歳。現実主義で、洞察力と柔軟性を併せ持つ。
【メイ・キテラ】
アミュウの一人目の師匠。68歳の強烈なおばあさん。ずけずけと物を言う。




