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月下のアトリエ  作者: 志茂塚 ゆり
第七章 赤い糸のつむぎ歌

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第七章 あとがき【挿絵】

挿絵(By みてみん)



「月下のアトリエ」を読んでくださりありがとうございます。長い長い物語を読み続けて下さっている皆さまに、改めて御礼申し上げます。


 前章までのソンブルイユ編から一転、本章からは西部編をお届けしております。アモローソの襲撃を受けて傷付いた聖輝をソンブルイユに残し、アミュウとジークフリートは西部の商業都市クーデンを目指して旅します。クーデンでは結婚間近のカップルと出会い、新郎ギュンターと協力して、新婦フリーデリケの祖母ヒルデガルドに病封じの願掛けを行います。彼らの結婚式を無事に見届けたヒルデガルドは静かに息を引き取ります。


 章題「赤い糸の紡ぎ歌」にある「赤い糸」は、もちろん運命の赤い糸を指していますが、フリーデリケがヒルデガルドの長寿を願って仕立てた赤いチョッキのことも指しています。この赤いチョッキは、赤いちゃんちゃんこのことでもあるのですが、ヒルデガルドが孫娘の結婚式に立ち会うことができたのは、アミュウたちの病封じの願掛けだけでなく、フリーデリケの紡いだ赤い絹糸のお陰でもあるのかもしれません。

「赤い糸」にはもうひとつ、本章の準主人公・ジークフリートのイメージも重ねております。彼の郷里ヴェレヌタイラでは、瓦礫にビールを流す彼の赤毛が、アミュウの目には供花のように映りました。西部の旅は彼のルーツであるヴェレヌタイラから始まり、クーデンでのアモローソとの再会を経て、彼がアミュウや聖輝とは距離を置いて独自にアモローソを追おうと決心するところで終わりました。そんなジークフリートの決心に、アミュウは揺らぐことなくまっすぐ燃え立つろうそくの炎を見ていましたが、そんな孤高の炎がアモローソを見出すことができるかどうか、次章をお見守り頂ければと存じます。アミュウとジークフリートの、恋愛感情抜きにお互いを理解し信頼し合っている空気感が心地よかった筆者としては、アミュウとジークフリートの別れに寂しさが募るのですが、彼ら彼女らには数奇な運命を乗り越えて前へ進んでもらわなくてはなりません。


 第八章「軍靴、蒼天に響けば」は二〇二四年一月頃の連載開始を見込んでおります。ボリュームも迫力も最大出力となる予定で、ただいまプロットを練っている最中です。半年ほど準備期間を頂きますが、また皆さまとお会いできる日を心待ちにしております。


 なお、「月下のアトリエ」は二〇二二年三月十六日に三万五千ユニークユーザーアクセスに、二〇二三年二月十九日に十五万プレビューに、二〇二三年五月一日に四万ユニークユーザーアクセスに到達しました。読んで下さる全ての方々に心から御礼申し上げます。

 それでは、来年また物語の中でお会いできるのを楽しみにお待ちしております。



~ここまでの主な参考文献~


・「ドイツ (読んで旅する世界の歴史と文化)」池内 紀監修(新潮社)

・「ドイツ・ミュンヘンの散歩道」原 知里著(東京書籍)

・「ドイツの街・道具と心」佐貫 亦男著(光人社)

・「ヨーロッパの家 伝統の町並み・住まいを訪ねて 3 オランダ・ドイツ・スイス・オーストリア」樺山 紘一著(講談社)

・「ドイツで100年続くもの」見市 知著(産業編集センター)

・「富岡製糸場 生糸がつくった近代の日本 (たくさんのふしぎ傑作集)」田村 仁著|(福音館書店)

・「カイコ―まゆからまゆまで (科学のアルバム)」岸田 功著(あかね書房)

・「お蚕さんから糸と綿と」大西 暢夫著(アリス館)




挿絵(By みてみん)


遥彼方様がTwitterで酔っ払いお絵描き企画を開催されていて、そこに夏まつり様が聖輝をリクエストしてくださいました。

そうして遥彼方様が描いてくださった絵がこちら!↓


挿絵(By みてみん)


愉快そうな聖輝の目線の先にはアミュウの仏頂面がありそうだなぁと思い、志茂塚がコラボさせていただきました。


挿絵(By みてみん)


遥様、酔っ払い聖輝を描いて頂いた上、アミュウとのコラボにご快諾いただきましてありがとうございました!

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Copyright(C)2018-志茂塚ゆり
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― 新着の感想 ―
7章読みました! やっぱり面白い・・・。 なんでこんなに面白いのか全然わからない・・・。 扉絵の赤い糸にはいろんな意味があったんですね。 ジークはぜったいナターシャの味方になっていてほしい。 でも聖輝…
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