第三章登場人物紹介(軽くネタバレ)【挿絵】
【アミュウ・カーター】
十八歳くらい。幼い頃に拾われ、カーター邸の養女となる。しっかり者で冷静、芯が強い。
まじない師メイ・キテラのもとで修業したのち、王都の魔法学校に入学するがドロップアウトし、第二の師匠のもとで空間制御術を研究する。三年前に故郷に戻りカーター邸によろず屋の店舗を構え、一年前から森の丸太小屋に住み始めたが、カルミノ・ザッカリーニによる脅迫を受けて聖輝との共同生活を始めるに至った。ときどき不思議な夢を見る。
言霊を用いたまじないや薬の調合が得意。空間制御の魔術を応用し、転移することができるようになった。魔力が四大元素の精霊と馴染まず、精霊魔術を使えない。
聖輝とは犬猿の仲だったが、共同生活を営むうちにだんだんと変化が見えてきた。
【御神楽 聖輝】
二十六歳。御神楽枢機卿の跡取り息子。弁が立つ。
ナタリアとともにある使命を帯びていると話しているが、アミュウの縁切りのまじないにより世界書「アカシアの記録」を読むことができなくなったため、その詳細は不明。御神楽家に時折現れる、特殊な力を持った「聖霊の申し子」として生まれた。
パンやワインを供物とする神聖術を使いこなし、空間転移までこなすが、その媒体は自身の血。失った血は、ワインを飲むことで補われる。
【ナタリア・カーター】
二十歳。カーター・タウン町長セドリックの実子であり、アミュウの義姉。家族内での愛称はナターシャ。大らかで豪胆、気さくで開放的。奔放そうに見えるが、本質は実直。
町政のイロハを勉強すべく、町長の公務について回っている。父からの信頼が厚く、本人もまたその信頼を裏切らず努力を重ねてきたが、親の敷いたレールを歩むだけの人生に疑問を持ち、父にはじめて反抗した。
弓の腕前はかなりのものだが、カルミノに怪我を負わされ、現在は右腕の自由が利かない。
【ジークフリート・ヴィルヘルムス】
十九歳。三年前に故郷ヴェレヌタイラの土砂崩れで家族を失う。粗野だが裏表のない好青年。アミュウたちと知り合う時期が遅かったためか、時々意外なほど冷静な視点からものを言うことがある。
腕に自信のある傭兵で、事実、経験も実力もあるのだが、その自信が裏目に出てカルミノを甘く見た結果、アミュウたちは大損害を被ることになる。
セドリックのいとこケインズ・カーターの動向を探るべく、商工会議所に期間限定のアルバイトとして潜り込み、ケインズの信頼をものにした。
ヴェレヌタイラの冬は厳しいので、寒さには慣れている。
【カルミノ・ザッカリーニ】
アミュウやナタリアに「御神楽の御曹司に近付くな」と脅迫した傭兵。ダガーを両手に構え、蹴り技を繰り出す。
【ロサ・ガリカ】
ザッカリーニに助太刀した女魔術師。精霊魔術の出力は驚異的。
【ケインズ・カーター】
セドリックの従弟。48歳。セントラルプラザに面するプラザホテルを経営する。商工会会頭。
【ダミアン・カーター】
ケインズの息子。22歳。ナタリアのはとこ。商工会議所青年部の副会長。
自らの将来に干渉してくる父ケインズに反発している。
【ヴィタリー・エーリン】
カーター邸執事。漁師の家の出身。55歳。カーター・タウンの官吏だったが、港湾事件により官職を退き、カーター邸に雇われることになった。町政を知り尽くしており、セドリックの秘書としても辣腕を振るっているが、そのことを快く思わない官吏は多い。
【マッケンジー・オーウェン】
カーター・タウンでただ一人の牧師。司祭。国王派で、ケインズと親交がある。凡庸な人物。
【ポンペオ・ピッツィーニ】
「アラ・ターヴォラ・フェリーチェ」の二代目主人。42歳。
【フェリーチェ・ピッツィーニ】
ポンペオの父。「アラ・ターヴォラ・フェリーチェ」の先代主人で、ブリランテ出身。69歳。30年ほど前、カーター港が整備された最初期にブリランテから移住してきた。
【クリスティアナ・ピッツィーニ】
ポンペオの母。65歳。スナック「カトレヤ」の女主人エミリと仲が良い。




