プロローグ
ボクは今、病床の中にいる。
周りには、心電図の音や家族達が一斉に喚く音がする。
ボクはそれを俯瞰で見下ろし、そして僕自身の肉体までも見下ろしているんだ。
なんだろう……、この不思議すぎる感覚は……?
ボク自身、病床で伏せっているくせに、その自分を見下ろすなんて……。
それにボクの家族がこんなにも喚いて、なんだか哀れすぎる感情が湧いてくる。
――――見下しているのか……?――――
いや、そもそもなんで、こうなってるのだ?
もしかして、ボクの命が…!?
そうか……、だからか……、ああ、情けないなぁ……。
こんなにも自分が何一つ、家族と一緒になって、楽しんだりとかも、出来なかったくせに……。
心の中で、妙な葛藤が、ボクを苦しめると同時に、自分の人生に、終わりを告げようとしてると悟っていた。
やっぱり、ボクは、ボクは…、
――――もう、終わりなんだ……。
みんな…、ごめんなさい。
情けないボクを、悲しんでくれて……。
心電図の音は無機質に、一定の音を告げる。
家族達が、さらにむせび泣きだす。
ボクは結局、家族や友達にも何にもしてやれなかった。
たった、17年の人生の半分は、結局病院……。
もともと、身体が弱かったボク……。
こんなにも、後悔しかないなんて……。
やっぱり、苦しいだけの人生だったんだ。
みんな、サヨナラ……。
――――そして、ごめんなさい……。