リミテッド・プリズン
そろそろ小説書かないと、読者とかに俺の存在忘れ去られそうだから、その場の勢いで書いた小説。だから、矛盾とか誤字脱字とか、言葉の意味ちげえよ、ボケとか。パクリですか!? とかその他もろもろ思われようが仕方ない!! ……と予防線を張ってみる!!
「死ぬのが怖いんだ。死ぬってなんだろうって考え出すと、夜も眠れなくなる時だってある。馬鹿だよな、現実世界じゃ考えてなかったことを、今になって考えるなんて……」
赤髪の少年がポツリと呟いた言葉は、夜の虚空へと吸い込まれる。
誰もが寝静まっている筈の深夜。
ここ、【骸の森】は、ダンジョン全てを鬱蒼と茂る木立に囲まれている。初期段階で『ローラー』が必ず通過しなければらない難所。その、中間地点ともいえる小さな湖のほとり。群青色に染まっている湖には、水中モンスターの影は見当たらない。
そこにいたのは、赤髪の少年と、その隣に座っている少女は二人きりだった。
「私だって……怖いよ……」
まとわりつくような闇の中でも、一層目立つ金髪の髪をしている少女は表情を翳らせる。サファイアのように碧い瞳をした少女が口をつぐむと、また重苦しい空気が場を支配する。
二人がためらい、口を閉ざす中。
バチバチと燃える焔だけが、たただた音を立てていた。ゴトリ、とくべられていた薪が倒れて、炭と化したので、少女は新しい薪を炎の中に投げ入れる。ボォッと一瞬炎は小さくなり、また燃え盛る。
そうして辺りが明るくなると、少女の精緻な作りをしている顔が、赤髪の少年の瞳にはより鮮明に写りこむ。
地面にまで届く少女のブロンズの長髪は、頭上にある月のように鈍く光っている。
軽業を得意とする少女の『E.A.』の関係上、装甲の厚くない胸当ては、曲線を大きく描いている胸を覆う。膝を揃えながら、両足を抱きしめるようにしていた少女は、雪のように白い手を、赤髪の少年の手にそっと添える。
瞬刻、ビクついた少年は手を離した。だが、少女の隠しきれずに晒してしまった傷ついた顔を見やると、今度は自分から、躊躇いながらも少女の手をギュッと握り直す。
細くて小さくて、簡単に片手に収まってしまう、少年の想像以上にか弱いその手を握る。これで握るのは、最初に邂逅して、二人で逃げたあの時以来の手を。誰かが、この儚げな表情をする少女を守らなくてはいけないと決意を再燃させ、少年は唇を噛み締める。
「俺は君の剣になる。剣となって、君の前に立ち塞がる敵を薙ぎ倒す。俺は君の盾になる。盾となって、君を傷つけようとする敵から守り通してみせる。だから、そんなに怖がらなくていいんだ」
赤髪の少年は胸中で自分を貶める、後悔の念を魔法詠唱のように吐き捨てる。
どうして、少女の心をかき乱すような失言をしてしまったのか。
どうして、自分の脆弱な精神を押し殺すことができなかったのか。
どうして、よりにもよって少女に吐露を漏らしてしまったのか。
だが、そんな少年の心を看破した少女は、嘆息をして少年の手を握りなおす。ただ少年に握られるのではなく、自分の意志で握り返す。
「私が怖いって言ったのは、君のそういうところだよ……。自分が死ぬのが怖くないなんて、言えっこないけど、だけど……ほんとうに怖いのは――君が死ぬ事なんだ」
赤髪の少年は瞠目する。
少女がそんなことを考えているとは、思いもしなかった。今思い返してみれば、ずっと戦闘ばかりしていて、殺伐とした戦場に身を置いていた。自分が何をしたいか、何をすべきかということばかり、頭の中で巡らせていた。だから、少女が何を胸中で描いているのかということまで、及ばなかったんだ。
それはきっと、最も重要なことだったはずなのに。
少女はすっとやおら立ち上がる。
「君が私の剣になってくれるなら、私は君の鞘になる。鞘になって、君の擦り切れた心を癒してみせる。君が私の盾になってくれるなら、私は君の鎧になる。鎧になって、君の高潔な魂を覆ってみせる。――それが、私なりの覚悟……信念」
少女の歩く音が鼓膜に響く。
赤髪の少年の方へと少女は振り返ると、透き通るような碧い瞳、それを型どる蝶のような眼蓋をウインクさせて、
「――だから、こんな私でよければ――君を守らせてよ」
赤髪の少年は、こいつだけには敵わないなと、口の端を上げる。そうして自分も立ち上がると、少女の中空につきだしていた手を、心に誓いの剣を差すと、力強く掴む。
「…………ああ」
少年が少女の身を守り、少女が少年の身を守る。
それがきっと、最善の手段であるということを、少年たちは心の底から信じていた。
ただ、今だけは。
――そして、闇はより濃くなり、やがて――
Continue?
Yes/No