終わりに近づいていく世界の未来予想図
つまらないですよ。
「おい、キルキアリー」
「なに?」
ふと、名前を呼ばれそちらを向く。顔面に大きな傷のある傭兵は、リガルトンというらしい。幼馴染が雇った彼は、とても険しい表情のままだ。
「オード一族ってのは、お前以外にいないのか」
「……ああ、それか」
そのことか、と。ボクが頷いたことを首肯と受けとったのだろう。リガルトンは顔をまた地面へと向けた。
「ボク以外にも、いるよ」
「何だと?」
驚いた顔でこちらを見てくる。それもそうかもしれない。この世界に、オードはボクだけだ。この世界のみ、ならば。
「この世界以外にも、晴天の柱と生命の柱はあるんだ。全ての世界にオードの姓を持つ者がいる。1つの世界に1人のオードなのさ。そして、時が来たら柱を正していく。」
「……」
ボク以外にもオードがいる。その事実は変わらない。ただ、柱の危機というのがいつくるかは分からない。もしかしたら今かもしれないし、来ないかもしれない。
この世界の柱の危機は4日後。4日後、ボクは・・・・・・。
これは、1人の青年が望む世界の物語。
ありがとう。