表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ANOTHER RAIN(アナザレイン) -国会議員連続狙撃事件-  作者: 志村けんじ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

2/8

国会議員連続狙撃事件


 この事件は死傷者が一人も出なかったものの、この国で初のライフルによる狙撃事件となった。


 そのライフルの残された完全に潰れてしまっている弾丸から、発射したライフルを特定するには混迷を極めた。


 弾丸の大きさから、おそらくそれが通常のライフルでないことはわかる。


 但し、弾丸が硬いブレーキディスクに当たってしまったことにより、貫通時に潰れてしまいライフリングを確認することが難しい。


 そしてそれ以前に、そのような対物ライフルのような銃器をどこから入手したのかが不明だ。


 在日米軍には、このような銃器はあるだろうが、その銃器が在日米軍から流出したとも考えにくい。


 そのことが世の中を大きく混乱させた。


 まず騒いだのは、狙撃された米村修一衆議院議員である。


 彼は記者団の囲み取材に対して、こう言った。


「あんなのはおかしい! 私のような善良な議員が、何故命を狙われなければいけない!?」


 この発言の部分の切り取りに、SNSはすぐさま反応した。


「善良な国会議員? どの口が言う。あなたは過去に女子大生を買春したことで、地方自治体のトップの座を追われたことをお忘れですか」


「いまだに国益にならないくだらない質疑を繰り返すあなたには、国民は辟易としている」


「なんで弾は当たらなかったのか。残念」


 という米村議員を非難する言葉がおよそ7割に上った。


 だからといって、警察がこの捜査をやめるわけにはいかない。


 このニュースはすでに世界各国に伝えられている。


 それなので、他国による暗殺未遂事件ではという報道もあったが、与党でもない野党のリベラル色の強い、世間では無能と言われている国会議員の命を狙う犯行動機が見つからない。


 それ以上に、使用された銃器を含めて、ライフルの発射音を誰も聞いていないこと。そのような大型の対物スナイパーライフルを扱えるものが犯行に加担したことなど謎だらけだった。


 そのわずか1週間後、再び別の狙撃事件が起きる。



 それは別の共産系野党の参議院議員、山上理議員が都内郊外の開けた公園の噴水の前で、十数人の有権者の前で政治を熱く語っていたときのこと。


 水が噴き出していた噴水の一番上の部分に、まず1発の弾丸が発射音も聞こえずに着弾した。


 同時に噴水の頭は破壊され、きれいな線で噴き出していた水もバラバラに溢れ出る。


 但し、前回の狙撃事件と違うのは、そのあと連続して4発の弾丸が噴水の水面に着弾する。


「ヒッ!? ヒィーーーッ! 助けてください!」

 山上議員は有権者の高齢男性の陰に隠れた。


 事件の通報により、すぐさま警察が到着したが、山上議員が失禁してしまったことについては、議員本人から固く口止めされた。


 今回、この狙撃事件に使用されたライフルは、前回のものと違い日本でも入手可能な猟銃としても所持できるレミントンM700ライフルだったことが、ライフリングによりわかった。


おそらくは高い建物から狙撃したと思われるが、狙撃が出来そうな一番近いビルからも、距離が約700mも離れていることと、使用された弾丸が.300Win.Mag弾であったことから、アメリカ軍や自衛隊でも使われているM24軍用狙撃銃かスポーツ射撃用のモデルに特別にサイレンサーを付けたものではないかという考察が捜査過程であった。



 そのわずか3日後。またしても別の国会議員への狙撃事件が起きる。


 今度狙われたのは、首都隣県の選挙区から4位で選出された、元官僚出身の野党第一党の参議院議員、大西博司国会議員で、こちらも都内を公用車で移動中に最初の事件と同じ対物狙撃ライフルで狙撃された。


 前回同様に、弾丸は車の右リアタイヤのホイールとブレーキディスクを貫通して、その使用された弾丸のライフリングははっきりと確認できなかった。


 ここに来てわかったことというか、共通している点ではいうと、この3人はSNSでかなり問題視されて叩かれ捲っている国会議員である。


 もう一つは、この3件の狙撃事件が起こった日すべての天気予報が雨予報だったことである。


 それなので、この3人に弾が掠りもしなかったことを嘆くネットユーザーも多く散見された。


 と、同時に、この国はどうなってしまうのかという不安の声も数多くあった。


 オールドメディアは、この3件の狙撃事件に対して、最初の1件目以降大きく取り上げることなく、沈黙を続けた。


 それには少し歪んだ理由がある。まず特にリベラル色の強いテレビ局が沈黙したのは、その幹部たちがもしかしたら自分たちの方に狙撃の矛先が向かうのではないかと恐れたからだ。


 そして自ずとその他各局も追従した。各社新聞社もそのとおりである。


 その逆にSNSでは、激しい論争が起こるかと思ったが、こちらも静観を決め込み沈黙した。


 そのときの動画は何度もされてはいるが、そのコメント欄は落ち着いていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ