ep11 晴れ時々スライム ところにより迷子1
雨かと思っていたらまさかのスライムでした。
君はいつからこれがただの雨だと思っていた?
「ポチちゃ〜ん、ポチちゃ〜〜ん」
「どうかしたんですか?」
村で雑貨屋を営んでいる若くて綺麗な未亡人のマリーさんが、何かを探していた。彼女は一人暮らしだから犬か何かだろう。
「それが、ウチのポチちゃんが朝から見当たらないの、いつもこの時間には餌を待っているんだけど…」
「それは心配ですね、俺でよければ一緒に探しますよ」
「本当!?ありがとうー、見つかったらアタシに出来る事ならお礼をするわ」
それを聞いた村の男どもが俺も俺もと騒ぎ出した。
「いいか、1番最初にマリーさんのポチを見つけた奴だけがお礼を貰う。他は潔く諦める!いいな!!」
「「「おう!」」」
サムが率先して仕切っていた、何でも以前マリーさんのお礼をめぐって、血で皿を洗う抗争が起こったらしい。
俺はポチの事は知らないから、まずは聞き込みから始めた。
昨日の夕方までは居たらしく、マリーさんのお隣さんのジョンさんが、「ウチの子がポチと遊んでいた」と言った。
ジョンさんのお子さんに詳しい事を聞くと、
「マリーおばさんのとこでポチと遊んでたよ、お父さんも一緒に。でもすぐお母さんが来てお父さんを連れて行っちゃったから一緒に帰ったよ」
ここで謎が深まった、ジョンさんは何故最初、自分も一緒にいた事を話さなかったのだろう… これは事件の匂いがする。
村で起こった迷子、美人な未亡人の頼みとあったら断れない。
全力で迷子を捜しに行くぞ!
次回更新は明日(5/7)8:20になります。
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