ep1 晴れ時々スライム ところにより悲鳴1
雨かと思っていたらまさかのスライムでした。
君はいつからこれがただの雨だと思っていた?
「おお~い! リク、死ぬ気か!?こんな雨の中をびしょ濡れになって…」
たかが雨に濡れたくらいで大げさだなぁ。
その時はそんな程度に思ったのだが、その数分後に俺はその言葉の意味を知った。
「ん? うぉ! 痛て、痛てててて…」
雨に濡れた服が少し溶けかかっていて、腕や顔などが軽く炎症を起こしていたためヒリヒリと傷んだ。
「何だよ、これ!」
「なんだってスライ雨だよ、おいおい、リクのとこは降らなかったわけじゃねーよな」
そのまさかだよとは言えなかった。
言った所で信用されるなんて思えなかったからだ…現世から転移して来たなんて。
「しかし大地の女神さまも不公平だよなぁ、俺たち人間や人間が作った物には加護をくれないって。おかげでスライ雨が降るたびに避難しなきゃならねえ」
村の青年サムは、スライ雨を知らない俺に色々教えてくれた。
大地の女神の加護が与えられた物はスライ雨に溶かされない。
大地の女神の加護は人間と人間が作った物には与えられない。
そのため、どの家の屋根も草木をもぎ取って上に被せているだけだ。人の手で色々加工すると大地の女神の加護が無くなってしまうらしい。
またスライムは強い風が吹いているときは降らない。これは大地に雨として帰る既成本能から、風で飛ばされ加護の及ばない所へ行かないためと言われている。
そうでなければ、台風の時なんかスライ雨が吹き込んで大惨事になっていただろう。
しかし、それはそれで見たかったかもしれない、特に隣のリーネさんとアーネさん姉妹など特に。
「きゃ――――!」
樹の下で雨宿りをしていたら悲鳴が聞こえた。俺は濡れるのも構わず、悲鳴が聞こえた方へ走り出した。
この話もとある方のネタに乗っかって書いたモノです。
一応連載の形にしてますが、とある方のご希望がなかったら連載は終了となります。
次回更新は本日(5/3)16:20になります。
読んでいただきありがとうございます。面白いと思ったら星の評価を貰えると嬉しいです




