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第4話 釣り竿をペンに持ち替えて

 朝早く、釣り部の四人は再び堤防に集まり、釣りの準備をしていた。

 波は穏やかで、日の光が海面に反射してキラキラと輝いている。

 美咲が最初に仕掛けを投げ込み、続いて他の三人も釣りを始めた。

「今日は何が釣れるかな?」

 彩が期待を込めて言うが、時間が経っても誰の竿にも反応はない。

 しばらくすると、咲が大きく息を吐いた。

「何か釣れたらいいのにね…」

 葵が少し落ち込みながらも、前向きに笑顔を見せた。

「今日はボウズかな…でも、次があるよ!」

 美咲が頷きながら言った。

「そうだね。釣りはタイミングだから、今日はたまたま運が悪かっただけさ。」

 時間が経つにつれ、全員の顔に少しずつ疲れが見え始めたが、それでも諦めずに竿を握り続けた。

 美咲は釣り糸を投げ直しながら言った。

「釣りって本当に奥が深いね。毎回新しい発見があるよ。」

 彩が同意して微笑んだ。

「そうだね。でも、その分釣れた時の喜びも大きいから、頑張れるんだよね。」

 さらに数時間が過ぎ、結局誰も一匹も釣ることができなかった。全員が釣り竿を片付け始め、釣り道具をしまいながら少し落ち込んだ様子を見せていた。

「今日は本当にボウズだったね…」

 葵が肩を落としながら言ったが、美咲は元気づけるように微笑んだ。

「でも、次の釣りで大物を狙おう!今日はその準備期間だと思えばいいさ。」

 咲も前向きに言葉を続けた。

「そうだね。また次回頑張ろう!」

 全員が笑顔で頷き、気持ちを切り替えて帰路に就いた。

 釣りを終えて帰り道を歩きながら、釣りの感想を語り合う四人。

「今日は全然釣れなかったけど、楽しかったね。」

 彩が微笑みながら言った。

「うん、釣れなくてもみんなと一緒にいるだけで楽しいよ。」

 葵が同意しながら続けた。

「でも、次こそは絶対に釣りたいな。大物を狙って!」

 美咲が拳を握りしめて言った。

 すると、ふと思い出したように彩が言った。

「そういえば、もうすぐ期末テストだよね。」

「そうだった!すっかり忘れてた…」

 美咲が焦りの表情を見せる。葵が落ち着いた声で言った。

「私たちは対策してるから心配ないけど、美咲と咲は大丈夫?」

 咲が顔をしかめて答えた。

「全然対策してないよ…中学の時も成績は良くなかったし…」

「それなら、美咲の家で勉強会を開こうよ!」

 彩の提案に全員が同意し、急遽勉強会を開くことになった。

 その日の午後、美咲の家に四人が集まった。玄関で靴を脱ぎ、階段を上がって美咲の部屋へと向かった。部屋に入ると、美咲の母親が笑顔で迎えた。

「いらっしゃい、みんな。今日は勉強会なんだってね。」

「お母さん、みんな来たよ。よろしくお願いします。」

 美咲が母親に紹介すると、母親は優しく微笑んだ。

「頑張ってね、みんな。何かあったら言ってね。」

 母親は優しく微笑みながら部屋を出ていき、四人は美咲の部屋に教科書やノートを広げて座った。

 彩が計画表を作成し、勉強の進め方を提案した。

「まずは、数学の弱点を確認して、そこから取り組んでいこう。」

 葵は数学の問題集を開きながら言った。

「美咲、咲、一緒にこの問題を解いてみよう。分からないところは教えるから。」

 美咲と咲は真剣な表情で問題に取り組み、分からないところがあるとすぐに質問した。

 葵は解き方を丁寧に説明し、再度解かせてみる。

「この問題はこうやって解くんだよ。分かった?」

 美咲と咲は一生懸命に問題を解き、葵に見せた。

「いい感じだね、その調子で頑張ろう!」

 彩も数学の応用問題を出し、全員でディスカッションしながら解いていく。

「この問題はちょっと難しいけど、みんなで考えればきっと解けるよ。」

 勉強が捗る中、美咲の母親が再び部屋に入ってきて、ジュースとお菓子を持ってきてくれた。

「皆さん、お疲れ様。ちょっと休憩してね。」

 母親はジュースとお菓子をテーブルに置き、四人に微笑みかけた。

「ありがとうございます!」

 全員が嬉しそうに答え、一息つきながらジュースとお菓子を楽しんだ。

 その後、再び勉強に取り組む姿勢を整えた。

 釣りをしたい衝動に駆られつつも、必死に勉強に取り組む美咲と咲。

 その姿に感心した彩と葵も、さらにサポートに力を入れた。

「次の釣り、何を狙う?」

 美咲が楽しそうに言った。

 咲が考えながら答えた。

「そろそろ大物を狙ってみない?ヒラメとかどうかな?」

 葵も同意しながら言った。

「ヒラメはいいね。大物だし、釣るのも楽しそう。」

 彩が笑顔で提案した。

「じゃあ、次の釣りはヒラメに決まり!みんなで準備して、また楽しい釣りをしよう!」

 全員が賛成し、次の釣りに向けての計画を立て始めた。

一週間の勉強の末、いよいよテスト当日がやってきた。三日間のテスト期間が終わり、結果が返却される日が訪れた。

「どうだった、みんな?」

 彩が問いかけると、葵がニコニコしながら答えた。

「全教科90点台だったよ。数学だけは100点満点!」

「すごい、葵!」

 美咲と咲も結果を確認し、驚いた表情を見せた。

「私たちも全部の教科で平均60点台取った!」

「中学の時より大きく上がったね!」

 全員が喜びの声を上げ、互いにハイタッチした。

 こうして、釣り部のメンバーは一緒に勉強を頑張った結果、全員が満足のいく成績を収めることができた。

 これからまた釣りに挑戦できる日を楽しみにしながら、彼女たちは新たな一歩を踏み出した。

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