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『超速爆速レベルアップ』 ~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~  作者: シオヤマ琴
第二章

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第24話 脅迫犯

俺は今、才川さんのお父さんが所有するダンジョンのそばにある物陰に隠れている。

というのも、脅迫犯がもしかしたらここへやってくるかもしれないからだ。

初めは1億円を置くように指示された場所で待ち構えていてもいいかとも思ったが、それでは犯人が警戒して出てこない可能性もある。

それならば破壊すると宣告されたダンジョンで待っていた方が確実だろうと思われた。


時刻は午前3時50分。

脅迫犯が本気でダンジョンを破壊する気ならば、ここに来るかもしれない時刻が迫ってきた。

俺は息を潜め、ただじっと怪しい人間が現れるのを待ち続ける。



◆ ◆ ◆



気付けば半日が経過しようとしていた。

太陽は南の空に上がっていて、初夏の訪れを感じさせる暑さとなっている。


「ふぅ」

俺は額の汗を手で拭いつつ、持参していたスポーツドリンクをのどを鳴らしながら飲む。


脅迫犯はすでに指定の時刻・場所に1億円が置かれていなかったことは承知しているだろう。

ならば、いつやってきてもおかしくはない。

俺はあと半日の辛抱だと自分に言い聞かせ、遠巻きにダンジョンを眺め続けた。



◆ ◆ ◆



さらに12時間が経って、虫の鳴き声以外の音が一切しなくなった真夜中すぎ。

俺は、

「……そろそろ帰るか」

ぽつりとつぶやいた。


丸一日待ってみたが、結局、才川さんのお父さんのダンジョンを破壊しに現れる者は誰一人としていなかった。

やはり、才川さんのお父さんの読み通り、脅迫文はただのいたずらだったのだろう。

俺はそう結論付けてその場を離れようとした。


だがしかし、その時だった。

ガサッ。

茂みの辺りから物音が聞こえた。

俺は再度物陰に隠れ、様子を見る。


すると、暗がりの中をこそこそと移動する人影が確認できた。

その人影は才川さんのお父さん所有のダンジョンの入り口に向かっていた。

もしかして……。

俺は注意深く観察し、その人物の一挙手一投足を注視する。


その人物はどうやら男のようだった。

背丈はおそらく俺と同じくらいか、やや低いかといったところ。

ダーク系の服装で、初夏にしては厚着をしている印象を受けた。


その男はやはり脅迫犯だったようで、ダンジョンの前に立ち止まると、

「…………」

手を前に差し出し何やらぶつぶつ言い始めた。

その直後、男の手のひらが赤く光り始める。

俺はそれがなんらかのスキルであろうと思い、すぐさま男のもとへと駆けた。


「おい、何してるんだ!」

「うひゃっ!?」

俺が後ろから声を飛ばすと、男は奇声を発しこちらを振り向く。


「だ、誰だてめぇはっ……!?」

「あんたに名乗る必要はない。それよりあんたは脅迫犯なんだろ?」

「っ!? ……て、てめぇ、才川の差し金かっ! あのじじい、余計なことしやがって……! 金を払わないどころか、警備まで雇いやがったな、くそっ……!」

男は悪態をつきながら地面を蹴った。

男によって蹴り上げられた砂が宙を舞う。


「おい、そんなことどうでもいい。それよりあんた、自首する気はないか?」

「は、はあっ? 自首だって? そんあのするわけねぇだろ、ボケがっ!」

男はそう言うと、俺の方に手を伸ばした。

男の手のひらはさっきよりもさらに赤い光を放っていた。


「何を隠そう、オレ様はなぁ、ダンジョン所有者なんだぜぇ! レベルだって65もあるんだ!」

「へー」

「嘘だと思うかっ! そうだよなぁ、ダンジョン所有者なんて滅多に拝めねぇもんなぁ! でもオレ様はマジもんなんだぜ! その証拠にこれ見ろよ、オレ様の手が光ってるだろ! そうさ、これはオレ様のスキルで、その名もラーバファイアーっていうんだぜ! 消費MP100でどんなものだって焼き尽くす溶岩の弾丸を発射できるんだ、すげぇだろっ!」

男は訊いてもいないのに、ご丁寧にぺらぺらと説明してくれる。

うーん、どうでもいいけどよく見るとこいつ、爬虫類みたいな顔をしているな。


「まあ、自首する気があるとは思ってなかったから別に構わないけどさ」

言いながら俺は男のもとに歩いていく。


「お、おいてめぇ、話聞いてたのかっ! オレ様のスキルはなんでも焼き尽くせるんだぞ! てめぇなんか灰にしちまえるんだぞっ!」

「あー、そうかい」

俺は男の話を右から左に聞き流し、一歩一歩近付いていった。


「てんめぇ、オレ様を舐めてやがるなっ! いいだろう、だったらてめぇにこのラーバファイアーをぶげぇっ……!?」

俺をにらみつけながら息巻いていた男だったが、小さく悲鳴を上げると、気を失い顔から地面に倒れ込んだ。

まあ、俺が背後に回り込んで、男の首に一撃をくらわせたからなのだが。


「残念だったな……あんたと俺とじゃレベル差がありすぎた」


足元で気絶している男に声を降らせると、深夜ではあったが、俺は結衣さんに報告の電話を入れた。

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