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俺の愛する令嬢は~奮闘する侯爵令息が決意した日②~

お待たせしました(-人-;)

よろしくお願いします。

レオ視点の後編です。

公爵家で倒れたあの日、俺は誓った。

―ミーシア・スタンフィールドを、絶対に助けるんだ―



ふぅと一つため息をつき、物思いから覚める。

マル秘と書かれたノートは全部で3冊。

そこにはあの日思い出した前世の記憶、この夢恋の世界の記憶が綴られていた。


―決着の日まで、あと3ヶ月…。

手元に2冊のノートを引き寄せ、内容を確認する。

現在、ゲームだと第一部の終盤迄来ている。

聖女候補の男爵令嬢は順調にコマを進め、王子は既にその手中に落ちた。そして、悪役令嬢であるアリステアの周辺では、不穏な噂が飛び交っている。

3ヶ月後、ほぼ間違いなく彼女は断罪されるだろう…。


シアを助ける為に、アリステアを見捨てると決めた。

その為に二人の仲を裂いた。

誰かの為の物語の登場人物になんてならなくていい。その他大勢の一人でいい。何て事ない毎日を、シアには生きて欲しい…。


俺の今までの行動は、全てシアの為にある。

―あの日、彼女に出会って俺は恋に落ちた。

一生に一度のと言いきれる恋だ。何故か懐かしくて、苦しくて、切なくて…。そんな想いを感じる程の、恋に落ちた。

ふと、前世で大好きだった人の言葉が甦る。

―使えるコマはモブでも使い倒すのよ!…


―そうだ。

出来る限りの事を何だってやってやる―

思い出した前世の知識を使い、兄に引けを取らない優秀な子どもと言う評判を得て、シアの婚約者の地位を勝ち取った。

公爵家の家令、執事、メイドの一人に至るまで名を覚え、自分の味方にした。

シアと婚約したことで、暫定ではあるが公爵家跡取りとしての教育を受けれる様にし、第2王子の側近候補になるも、辞退出来る様手を打った。

街に出て、自分の手足となってくれる人物を探し、バートに出会った。


結果として、今手元にあるノートの内容と相違が生まれているが、大きな歪みはない。

だが、俺には大きな気がかりがあった。

シアが言ったモブという言葉。

そして、ここまで関わりの無かった、アリステア嬢を気にする様子…。

―今現在、この世界は1作目を進んでいるのだろうか…?



1作目の好評を受け作られたファンディスク。

それにはおまけ要素として、ifストーリーが収録されていた。


―もし、悪役令嬢が本当のヒロインだったら?―


夢恋人気の要因の一つが、作り込まれたキャラ設定にあった。それが顕著に人気に現れたのが、悪役令嬢ポジションのアリステア。

幼い頃から王妃教育に向き合う姿や、ヒロインに対する真摯な対応、垣間見える王子への恋心…思わず応援してしまう彼女に対して、男爵令嬢なのに「そんなのおかしいです!」を武器に、堂々と攻略対象者に向かっていくヒロイン。

当然の結果なのか、ヒロインではなく、悪役令嬢が人気を博すという逆転現象が起きていた。


その声を無視できず作られたifストーリー。

そこでアリステアは断罪を覆し、王子以下、自分を貶めた令息達を廃嫡に追い込む―悪役令嬢のざまぁ達成である。


ここで、俺にとっての大問題が起きる。

アリステア逆転劇には、好感度マックスのミーシアによる、聖魔法発動が必要だったのだ…。

シアの聖女の力で、男爵令嬢が無意識に発動していた魅了が無効化され、真実が明かされる。


シアの聖女覚醒は彼女の運命を大きく変える。

3作目で、シアは聖女候補のヒロインの一人として、判定会に参加。その結果、彼女は…死を迎えることになるのだ。


最強いや難攻不落のヒロイン、それがミーシア・スタンフィールドだった。

彼女は聖女候補になると、とにかく死ぬ。同じ聖女候補を助ける為に、隣国に攻められた際に国民を守る為に、もしくは戦争の前線に立って兵士を助ける為に、など。色んなパターンはあるものの誰かを助ける為に、間違いなく死ぬ。死なないエンドはあるのか?と、ファンサイトで白熱の議論が交わされるも決定打は見つからず、俺がゲームをやっていた時点でも、恐らく攻略者はいなかったと思われる程に死ぬのだ…。



そんな未来は絶対に許せない。

今が1作目で進んでいるなら、このまま気を抜かずに進んでいけばいい。

そう、続編にさえ入らなければ…。

シアがアリステア嬢と関わらなければ…。

最大の気掛かりを全力で阻止して見せる。

やるべき事を見定め、俺は決意を新たにする。

―あと、たったの3ヶ月だ。絶対に乗り気って見せる。

絶対にシアを死なせない。


次回からシア視点に戻ります。

連休中、何話か更新できればと思っています。

感想、評価、ドシドシお待ちしています(*^^*ゞ

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