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俺の愛する令嬢は~奮闘する侯爵令息が決意した日①~

更新遅くなりましたm(_ _)m

お気づきの方も多いかと思うので、一気に行きます。

レオ視点のお話ですが、長くなったので前後に分けました(・・;)

その日、僕は最悪な気分で目を覚ました。

―また、あたまがいたい…

途端に泣きそうになる。たまにだった頭痛が、ここ数日は毎日の様に起きている。

ズキズキからガンガンに変わった時、我慢しきれずに僕は大きな声で泣き出した。


今日は公爵家の令嬢の誕生日。

いつもの朝と違い、家の中はザワザワと落ち着きの無い雰囲気に包まれている。

皆が準備に追われている中響き渡る泣き声に、

家中のそこかしこからため息が漏れていた。


慌ててメイド達が入ってきて宥ようとするも、

癇癪を起こした僕は手が付けられない。

頭痛のせいだと分かっている為、誰も強く諌められない。

両親でさえ気を使う様な状況に、僕は全く我慢のきかないワガママな子どもになっていた。


それからもイヤだイヤだと泣き喚く僕を、

騒ぎを聞き付けた母が何とか宥め透かし、

予定よりも大分遅れて公爵家へ向け馬車が動き出した。

これから誰と出会い、何が起きるのか全く分かっていない僕は、最悪な気分でその日を迎えた―



無事到着した僕達は、スタンフィールド公爵と主役である公爵令嬢へ挨拶に向かった。

「スタンフィールド公爵、本日はお嬢様の5歳のお誕生日、おめでとうございます」

「やぁ、ダニエル。君にそんな挨拶をされるとはな…私も随分偉くなったものだ」

澄ました顔で答える公爵に、父は呆気に取られたあと、諦めた様なため息をついた。

「立場ってものがあるだろう?こんな場でふざけた口調など…はぁ。お前は昔からそんなヤツだよ」

一気に口調が砕けた父に、公爵はニヤリと笑う。

「まぁな。だが久し振りに会えたんだ。少し位構わんだろう?なぁエミリア」

二人を苦笑しながら見ていた母が答える。

「お久しぶりですわ、リアム様。貴方がそうおっしゃるなら、いいのかしら?」

笑い合う3人は、学園時代からの仲の様だった。公爵と父は親友、母は父の婚約者として。


「ところで、クリストファー殿下もきてらっしゃると聞いたんだがどちらに?」

「あぁ、殿下なら別室にいらっしゃるよ。勝手に顔合わせの場にされたからな。娘も一緒の筈だ」

苦虫を潰した様な顔で公爵が答える。

子ども達にと用意された別室が、王子と側近候補達、併せて婚約者候補達との顔合わせの場と化している様だった。子ども同士相性を見ると言った感じだろうか。

ザッカリー公爵は大臣としてこの国の外交を一手に引き受けている。

その手腕で次々と諸外国から有利な条件で貿易を含めた交渉を勝ち取っており、王宮では筆頭侯爵家に次ぐ一目置かれる存在となっていた。その為、主だった高位貴族の子ども達も集まる今日の会は、王家にも打ってつけだった。

「君たちも呼ばれると思うぞ。覚悟しておくことだ」



公爵への挨拶が終わり、先ずは別室へ向かうことになったが、僕は不機嫌な様子を隠さず父の側に突っ立っていた。

治まっていた頭痛がぶり返しており、最悪の気分だった。

そんな僕に気づき、皆が声をかけてくる。

「頑張って、レオ。キツくなったらかあさまに言ってちょうだい?」

「レオにいさま、ワガママはダメなのよ」

「レオ、もう少し頑張るんだ。いいな?」

「レオ、ぼくも一緒にいるからね。」


「……………」

バシッと父の手を振り払うと、僕は一目散に走り出した。

―なんだよ、みんなして…。気に入らない。ムカつく。

後ろから父と兄の声が聞こえたが、構わずに走り続ける。無我夢中になって走り着いた場所は庭園の様だった。



はぁはぁと肩で息をつき、キョロキョロと回りを見渡す。そこは色とりどりの花が咲き乱れる、とても美しい庭だった。特に赤から紫まで七色の花が順に咲く様は、まるで虹の様に見える。と、その景色に強い既視感を覚えた。

―ズキン。

なんだここ?見たことある…?


初めて来た場所なのに…。その感覚に戸惑っていると、どこからか歌が聞こえてきた。


―ズキン、ズキン。

一歩、また一歩と、引き寄せられる様にその歌声の方へ近づく。

辿り着いたその先、虹色の花ばなの向こうには…金色の女の子が佇んでいた。

太陽の日差しを背に受けて、女の子の髪の毛がキラキラ輝いている。


夢の様な光景に目を離せずにいると、金色の女の子がゆっくりと顔をあげこちらへと振り向く。

僕を見て少し驚いた様な表情を浮かべた後…

女の子は、花がほころぶような、蕩ける様な笑顔を見せた。


―ズキン、ズキン、ズキン。

―あぁ、僕はこの娘を知っている。


「ねぇ、君の名前は?」


震える声で、既に知っているその名を尋ねる。

僕の様子に少しいぶかしんだ様だったが、思い直したかの様に微笑んで、彼女が口を開く。

そう、彼女の名前は…

「はじめまして。わたくしは、ミーシア。ミーシア・スタンフィールドよ」


―ガシャン!

洪水の様に一気に記憶が流れ込んでくる。

―ミーシア・スタンフィールド。彼女は、夢恋三期のヒロインだ…。

記憶の波に飲み込まれ、僕は、俺は…そのまま気を失った。



君の名前はって…(;゜∇゜)

書き直そうかと思いましたが、敢えてです(ノ∀`笑)

次回までレオ編で、その後ミーシア編に戻ります。も少しお付き合い下さいませ。

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