第三話~変なやつ~
早いものであれから一ヶ月程も経って、俺は彩花さんとさらに親しくなれた。今では本の話だけでなく、趣味や好きな物などの様々な話をするようになって俺はこの一ヶ月テンションMAXだ!
いつもの時間になり、彩花さんが店に来る。「こんにちは。」「こんにちは!彩花さん!いつもので?」「ええ。お願いしますね。」「了解っス!マスター!」「ああ、分かってるよ。悠斗君。」
そしていつものように彩花さんと話していると、(カランカラン)こんな時にお客とは珍しいな。「お!いたいた、探したぜ彩花ぁ。」「またあなたですか...」「おいおい、愛しの男が来たってのに冷てえなぁ。」なっ、なんだって!?愛しの男!?あの男今確かにそう言ったよな...!なんて事だ...俺の明るく照り輝いていた未来が...「何が愛しの男ですか、いつも私につきまとってるクセに。本当に迷惑なんです。」「え?彩花さんそれって...」「おいおい!失敬だな、そんな言い方だとまるで俺がお前に迷惑をかけてるみたいじゃあねえか。」「だから迷惑なんですよ。」「あのー失礼ですけどあなたは...?」「ん?ああ、すまねえな自己紹介が遅れた。俺の名前は小野弘樹。こいつの彼氏だ!」「違います。」「そりゃあねえぜ彩花ぁ...俺はこんなにもお前を愛してるってのによ。」「以前お断りしたじゃないですか。」「はあ...そうか...仕方ねえよな......て事で、付き合ってくれ!」「あなた人の話聞いてますか?お断りします!」「え?いいよ?」「言ってません!」なんなんだこいつは...意味がわからん...「失礼ですが嫌がっているようなのでお帰り願います。」「お前、邪魔する気か?いい度胸じゃあねえか!かかってこいよ。」「嫌だってのなら力ずくだ!」「やめたまえ。」「マ、マスター...」「これ以上は他のお客様のご迷惑になる。小野弘樹さん...だったかな、お帰り願いますよ。なんならば警察でもお呼びしましょうか?朱里さん。」「了解マスター。」と先輩が電話に手を取ると「わ、わかったわかった!今日のところは一旦帰るよ。んじゃあな!彩花!」そう言ってその男は帰って行った。「大丈夫でしたか!?彩花さん!」「ええ。特には。」「しかしストーカーかしらねえ...あの男。女の敵よ。」「私達も少々注意せねばならないね。彩花さんのためにも。」「皆さん...ありがとうございます。」「いいんですよ!彩花さんのためならなんでもしますから!」「うふふ。頼もしいですね。ありがとうございます。」「はい!」と勢いよく返事をしたは良いものの、どうすればいいんだろうか...まあ、俺は大体入り口にいるし、みんなもいない事はない。大丈夫だ!
翌日。あの男はまた来た。「こんにちは〜!」勢いよくドアが開く。「って、おい!お前また来たのか!」「当たり前だせ!彩花のためにもな!」「迷惑です。帰ってください。弘樹さん。」「ああ!彩花が俺の名を!これは正しくプロポーズ!仕方ないなOKだぜ!」「お前は何を一人で盛り上がってんだよ。」「おい!お前なんぞに用はない!俺は彩花に用があるんだ!」「うるせえよ。とっとと帰れや。」「ふっふっふ...俺は今!素晴らしい案を思いついたぜ!おい!爺さん!コーヒー一杯頼むぜ!」なっ!こいつ...客としてここにいる気か...しかし客なら追い返すわけにはいかないだろうな...「あ、ああ分かった。好きなとこに座って待っていてくれ。」「おう!分かった!」マ、マスター!そんな事言ったらこいつは彩花さんに何をするか分からないんだよ!?なのにどうして...「ただし、大人しく静かに待っている事。もし騒げば追い出すからね。」「なっ...!お、おう。分かった。じっとしとくよ。」おお!流石マスター!大人の対応だ。
そしてじっとするのが無理だったのか、男は帰って行った。「ふぅ...良かった。ありがとうございました。それでは私はこれで...」「あ、お帰りですか?あー、でももしあの男がいると危ないので...どうしましょう?」「い、いえ、大丈夫ですよ。」「だったら悠斗君少し送って行ってあげなさい。」え?マ、マスター...なんて粋な計らい...ありがとうございます!!!「大丈夫ですよ。それにそろそろ店も忙しくなる時間ですし...」「だったらせめて見送りだけでも...」「わかりました。ありがとうございます。それではマスター、朱里さん、さようなら。」「ええ。また来てね。」
「すみません、なんか沢山迷惑かけてしまい...」
「いえいえ!大丈夫ですよ!俺達にできる事があったら本当になんでも言ってくださいね!」「ありがとうございます。それでは...」「さようなら〜!ありがとうございました〜!」
そして時間は進み、(カランカラン)「よっ!なんか暗そうな顔してどうした、なんかあったのか?悲しそな顔してんぞ。」聡だ。「いや、別に。」「なんだよ、釣れないな。ま、いいや。今日はもう一人来てんだよ。」「こんばんはー。」「なんだ夏美か。」「なんだとは何よ。今日は重大な発表があって来たんだから。あ、マスター私ホットココアで。」「あ、じゃあ俺はコーヒーとショートケーキ!」「はいよ。ゆっくりしていきなさい。」「ありがとうございます!」「で、なんなんだよ重大な発表って。」「うん。実はね、私...あるモデルさんの専属のファッションデザイナーになったの!」ほー凄いじゃん。「しかもだぜ!?今度俺がドラマで共演するモデルなんだ!やばくね?」「すげえじゃん二人とも。立派になってんだな。」「それを言うならお前もだぜ?」「そうよ。こんないい人達に囲まれた仕事場なんてそうそうないわよ。」「はは。嬉しい事を言ってくれるじゃないか。ありがとうね。」「しかし、良かったな二人とも!」「おう!」「うん!」そして俺達は閉店まじかまで話し続けた。「楽しそうだね、悠斗君。」「そうですね...マスター。楽しそうで何よりですね。」「ああ。我が子のように嬉しいよ。」
しかし、いい事はそう長くは続かない...




