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女神と夫婦になるために  作者: たつ
5章 帝都にて
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第76話! 悪意の発見と魔法馬鹿

99話目!


カズシは何故か人に好かれる才能を持っています。


カズシは主人公補正バリバリな男です。


それが嫌な方はブラバしてね。まあ、ここまで呼んでくれている人はそんなの知ってるって方ばかりだと思いますが。


では、お楽しみ頂けると幸いです。

 キリツがやっと俺の愛の告白を聞いてくれた。割と無理やり自覚させるような方法だったけど。ああいう奴は無理矢理にでも自覚させないと小説3冊くらいとぼけるからな。


 今キリツは俺の腕に抱かれていて、垂れかかっている。


「ルーゼは何時くらいに起こせばいいの? 流石に仕事はしっかりしないとな」


 仕事中にいきなり告白してキスをしたことからは目を逸らしながら。


「ふぁい」


「……おーい、キリツ?」


「ふぁい」


 猫だまし!


「はい!? えっ?……あ、すみません。惚けていました」


 猫だましによって目を覚ましたキリツだが、腕から出ていかない。まあいいか。周りに何故か、何故か全く騎士が巡回してこないし。


「うん。キリーさんには了承を得ているから」


「……ああ、私はやっと祝われる側になれるんですね」


 悲しい! その言葉は悲しい。


「そうですね。で、ルーゼは何時くらいに起こすんですか?」


 現在5時くらい。なんかぐだぐだしてたら、時間経過が早いな。


「えっと、5時起床……今起こさないと!カズシ様行きますよ……ルクソルーゼ姫様? 入りますよ?」


 ノックをして返事がないようなので、まだ寝ているようだ。部屋に入ると大きなベッドに寝ているルーゼが見えた。


 部屋は青を基調に構築されている。俺としてはものが多く見えるが、女性からしたらこんなものなのかね。


「カズシ様が起こしてもらってもいいですか? ルクソルーゼ様は朝は弱いのですけど、カズシ様ならすぐに起きるかも知れません」


「わかった」


 ルーゼのベッドに近づいて、乗っかり揺すりながら、


「ルーゼ? 起きてくれ。おーい、起きろ」


「無理、いつもより早い」


 返事はするが、起きてこない。これはあと五分みたいな感じだな。


「起きないと今後一生ケーキを食べれないからね?」


「起きました! ってカズシ!? おはよう!」


 体を一気に持ち上げて、こちらを見てびっくりしている。ケーキうんぬんなんてキリツじゃ言えないと思うんだが、寝惚れてる奴がそんなこと認識できないか。


「おはよう、護衛に来たぞ」


「これから式典中よろしく……今後ともよろしくお願いします!」


 あえて言い直したのね。でもね、髪の毛がボサってる状態で言われてもあまり格好がつかないのよね。ばさーって広がっちゃってるし。


「ああ、今後ともよろしく」


「ルクソルーゼ様おはようございます。まずは身だしなみを整えますので、メイドを呼びますね。カズシ様は外に」


「出てなくていいよ?」


「わかった」


 出なくていい、ようするに役得ができるのなら何も言わん!


「いやいやいや、ダメですよ」


「髪は魔法でパッと整えてやろうか?」


「お願いします」


 髪の毛の乱れ、寝癖なども回復魔法で直せる……わけないので、念動魔法とかを駆使して直した。ついでに回復魔法で髪の毛自体を治した。サラサラで髪年齢が一気に若返ったね。


「おおお、これは凄い」


 髪の毛を自分で触って、違いがわかったようで、感嘆の声を上げている。それを見たキリツが、


「カズシ様……あのー、私にもやってもらってもいいですか? 髪の毛の質を戻せるようですし」


「全然いいよ。回復魔法……ほら治ったよ」


「どれだけ手入れをしても治らない領域まで治りました!」


 キリツの髪も充分綺麗だったんだけどな。女性は綺麗になれるならとことんなろうとするっていうし、肌年齢は当分先で。


「後は着替えか? 部屋の端で待ってるから」


「ええ、キリツ呼んできて」


「はい」


 キリツが一度出ていって、すぐにメイド3人連れてきた。そのうちひとりが、


「あの、カズシ様? ルクソルーゼ様がお着替えをするので、部屋から出てもらっても宜しいですか?」


「ルーゼ」


「別にいいの。私がここにいることを許可したから、クルフは私の着替えを手伝って」


「ええ! 姫様!? 流石に不味いですよ」


「別にいいのよ。やっと私はやりたい事が感じられるようになったんだから、好きにしていいってお父様もお母様も言っているもの」


「……わかりました。では、失礼します」


 喋っている以外のメイドは服を出したり、ベッドメイクをしたり、髪を整えようとして驚いたりしていた。どういうことか説明したようで、お願いされたのでメイドの髪も綺麗に治してあげた。


 豊満さはリルヒ程度かと思っていたが、着痩せするタイプだったようで、ある程度あるミアよりも大きかった。眼福眼福。


 その後はメイドが出ていく時に、


「メイドの皆さんでお食べください」


 と言って、一口サイズのケーキブロックを詰めたバスケットを渡しておいた。メイドさん達と仲良くなっておけば、情報が回ってきたりするかもだしね。


「これから朝食ですので、カズシ様も付いて来てくださいね。王族の方とその近衛騎士、そして今日はカズシ様のような冒険者の方も来ますので」


 了承を告げると、ルーゼが腕に腕を絡めてきた。うーむ、リルヒは絶対勝てないな。


「このままエスコートしてください」


「……仰せのままにルクソルーゼ姫」


「ルーゼ」


「仰せのままにルーゼ」


「いきましょう!」


 と言って、部屋を出たらリーゼとその近衛女騎士、そして円卓夫婦が待ち構えていて、ルーゼを見た瞬間、


「くっそ、出遅れる…………おはようございます! カズシ」


 リーゼは様付けしてたけど、他の人がいる時はやめてもらうようにお願いしてある。前半は小さい声だけどしっかり聞こえてます。


「おう、おはよう……お手を拝借しても?」


「……! もちろん」


 リーゼも腕を絡めたけど、こちらはリルヒとほぼ同等な無乳。俺はどちらでも構いませんよ? 巨乳でも、貧乳でも、パットでも、ない乳でも一向に構いませんよ?


「では、いきましょう」


「「はい!」」


 円卓夫婦が何故か苦笑いしていた。


 着いた部屋に入ると、王族などが使うような長いテーブルが置いているが、その横に置いてある15人くらいしか座れないであろうテーブルにルド達が座ってた。何故? と思ったら


「何故王族なのにあんな小さいテーブルで食事を取るんだ? と思いましたね? 長いテーブルだとなんか寂しいのと効率が悪いからと言って、お父様が新しく用意したのがあのテーブルですね」


 なるほどね。確かに長いテーブルで詰めて食事をしても、なんか寂しそうだよね。


「なるほどありがとう」


 教えてくれたリーゼの頭でも撫でてやろうとしたが、両手に花状態なので断念。


「こういうことを瞬時に見極めて、サポートできないと相手に好かれませんよ?」


 なんて言ってルーゼを煽り出した。ルーゼは姫は人の心を知らないみたいな感じで、感情がないということはそういう機微を察することが苦手というか、やってなかったから不得意だろう。


「そういう事が出来なかったから、察することが出来なかったのに、そこを揚げ足とる女は好かれないよ?」


 なんて言うと、ガチ泣きしながら謝ってきたので、速攻で大丈夫、お前のことは好きだから。でも、ああいうのはやめようなとか、歯が浮くようなセリフを連打した。リーゼばかりに言うとルーゼの機嫌が悪くなるのは見えているので、ルーゼにも言った。


 やめてくれよ。王族メンバーがすぐそこにいるのに、簡単に泣かないでくれ。ルドが剣を握ってこちらに来ようとしているじゃないか!


 回復魔法で腫れた目を治してあげて、リーゼとルーゼを席に座らせた。皆が座ったのを確認して、ルドが立ち上がった。ルドの後ろにガンスがいて、ルーゼとリーゼは隣りだから、俺とアーサーとガウェインの三人が後ろにいる。


「……チッ、みんな集まったようだな。みんなおはよう! 今日はルカスの席人式典だ! 皆にはいつも自由にやらせているが、こういう時はしっかり王族としての責務を果たすように。そして、ルカスの成人式典なのだが、ルーゼの心の壊された事件から何年も経ったが、完治出来たことは皆の記憶に新しいだろう。成人式典のパーティーを完治記念としての側面を持たせようと思っているのだが、よろしいか?」


 俺の方を見て舌打ちすんなし。


 唐突だが、なんで俺がルーゼとリーゼに手を出してないのに、手を出す宣言をしたか。独占欲とかがあったことは否定しない。好かれたなら相手を極力離したくないからね。


 マップ機能の悪意や敵意のサーチは、俺もしくは身内にそれらの感情を向けられると赤く光る。俺自身への悪意などならわかるけど、流石に他人へのそういうのはあまりわからない。


 で、好意を向けてくれたルーゼとリーゼだったが、顔合わせの段階では身内判定がされていなかった。なので、あんな宣言をしたが、上手くいったようだ。


 ルドがルーゼの心完治のことを言った瞬間、一瞬だけこの場で点がいくつか赤くなった。第二皇子ルークとその母ヤアリア、その二人の近衛と二人の後ろにいる冒険者二人。


 この機能はまじでズルだよね。だって、もう犯人らしい者達が絞れちゃったもの。


 ルドの問いかけに、この中でエルフの様に耳が尖っていて、金髪で筋肉がしっかり出来ている男、多分今回主役のルカスだろう人が、


「もちろんいいじゃない? というか、本当ならルーゼの完治祝いを大々的にやりたかったよね。俺のせいでそれが出来ないと思うと、心苦しいよ……そして、そこの冒険者! なんで俺の妹のルーゼとリーゼの腕を絡めて、あまつさえリーゼをさっき泣かせた! なんでそんなことをした言え!」


 この兄シスコンであった。確かに事前情報として、妹達を大事にしているとは書いてあったけどさ、あえてスラリンはシスコンって書かなかったな。面白がるために。


 オーバーリアクション気味に動いて、俺を指さしてきたけど、俺が喋った方がいいのかな?


「私の未来の旦那様だよ!」


「私の心を治してくれて、私を貰ってくれる人」


 リーゼもルーゼを嬉しいけどね。そして、ルーク達は俺に悪意を向けてきたな? 容赦はしてやるけど、知らねえぞ? そしてこの場面でそれはまずいよ。だって、ルカスはルドの息子だろ? ということは、


「よし! 朝食の前にお前を殺す!」


 なんて言って、腰に下げていた儀礼の剣であろうとのを抜いて、一気にこちらに詰めてきた。


 が、この中で金髪に青混じりの髪をした女性、消去法的に第一皇女メアリだね。その人が杖をルカスの進行上にそっと出したので、


「ぎゃあああ」


 すっ転んだ。剣は転移でしっかり取っておいたから、転んだ時にそれで傷つけることはないだろう。


「兄さんの妹好きは度を越している。私はメアリといいます」


 こちらを見てきて、挨拶をしてくれた。でも、なんで挨拶をした後こちらに近づいてくるんだ? あ! ルカスが踏まれた。


 エルフの金髪に青みを与えれば、大体この人になるだろうというようなエルフ体型。だけど、目が柔らかい? のほほんとしている? そんな感じの目なので、エルフのようにキリッとしているわけではない。


「ご丁寧にどうも。俺はカズシという。以後お見知りおきを」


 なぜ目の前まで来る?


「ええ、それで私は魔法について研究しているの。これでもこの国ではレイアお母様の次に魔法に関する知識が豊富だと思っているの」


 この人と兄ルカスのおかげで、畑用の簡易結界魔法生成装置なるものができ、害虫による被害が減ったらしい。他にも色々やっていてかなり有能な人だな。綺麗だし。


「存じております。貴方方のおかげで食料自給率が大幅にアップしたとか」


「ええ、でね。私は決めていたの、結婚する相手はどんな相手がいいかって」


 あっあっあ。なんかデジャヴ。圧倒的デジャヴ。具体的に言うとうちの狐の嫁がこんなだった気がするが、


「魔法の知識が豊富で、私を魔法で倒せるであろう人……貴方の嫁になれば、貴方の魔法の知識全てを貰えると聞きました。結婚しませんか?」


 気のせいではなかったようだ。レイアの方を見てみると、Vサインを送ってきている。お前か!!!



 この話の後書きは出来るだけ読んでください。

お疲れ様でした。


はい、文句があるならどんどんどうぞ。ですが、説明をしていきます。


メアリはひたすら魔法バカで魔法が大好きで魔法で悔しい思いをしています。政略結婚でも、相手が自分よりも優れた魔法の知識に魔法行使者、そしてある程度の見た目(豚とかあからさまな不潔な奴じゃなければ良い)に、ある程度(王族の自分が満足に研究ができる程度)の資金力があれば結婚も吝かではないと思っていました。


ですが、最後の資金力で根を上げる奴も多く、まず魔法の知識がメアリよりも多い人なんていませんでした。王族が金を掛けて集めている知識量を超えるなんてねえ。


そこに自分達では治せなかったルーゼの心を魔法で修復して、城壁のガンスが認めるほどの魔法行使者、そして自分よりも優れた魔法研究家なアミレイアお母様も「ルドよりも先に出会ってたら、結婚してたかも。魔法凄いし」と言わせるほどの男。(アミレイアの誘導あり)


などの理由により最後の発言が生まれた。メアリ視点の話はないので、ここで解説させていただきました。


次回、パレード

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